ニューヨーク外国為替市場概況・27日 ポンド、全面安
27日のニューヨーク外国為替市場でポンドは全面安。英国と欧州連合(EU)の自由貿易協定(FTA)交渉は続いているものの、依然として「公正な競争条件」や「漁業権」などの分野で大きな隔たりがあり、妥協点が見いだせずにいる。フロスト英首席交渉官は「英国の要求を基礎とした合意案以外での妥結は不可能」と強調した一方、バルニエEU離脱首席交渉官は「漁業などの懸案を巡って英国との間に『大きな溝』が残っている」と明らかにした。ポンドドルは一時1.3289ドル、ユーロポンドは0.9000ポンド、ポンド円は138.29円までポンド安に振れた。
ユーロドルは反発。終値は1.1963ドルと前営業日NY終値(1.1913ドル)と比べて0.0050ドル程度のユーロ高水準だった。米政権移行を巡る懸念の後退や新型コロナウイルスのワクチン開発進展を受けて、米国株相場が底堅く推移。リスク・オンのドル売りが優勢となり、一時1.1964ドルと9月1日以来の高値を付けた。米株式市場でナスダック総合とS&P500種株価指数は史上最高値を更新した。
なお、トランプ米大統領は26日、12月14日に行われる選挙人投票で、民主党のバイデン前副大統領の勝利が正式に決まれば退任に応じる意向を表明した。
ドル円は続落。終値は104.09円と前営業日NY終値(104.26円)と比べて17銭程度のドル安水準だった。アジア時間に一時103.91円まで売られた反動でショートカバーが先行し、21時30分前に一時104.21円付近まで値を戻す場面もあったが、上値は重かった。対ユーロなどでドル安が進むと円に対してもドル売りが出たため、0時30分過ぎには103.97円付近まで下押しした。もっとも、感謝祭休暇の最中とあって市場参加者が少ない中、アジア時間に付けた安値を下回ることはなかった。クロス円が上昇した影響も受けた。
ユーロ円は反発。終値は124.48円と前営業日NY終値(124.22円)と比べて26銭程度のユーロ高水準。米国株価の上昇を背景に、投資家のリスク選好意欲が強まり円売り・外貨買いが進んだ。取引終了間際に一時124.55円と日通し高値を更新した。
ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。豪ドル円は一時本日高値となる76.96円、NZドル円は73.24円、カナダドル円は80.25円、スイスフラン円は115.08円まで値を上げた。
本日の参考レンジ
ドル円:103.91円 - 104.29円
ユーロドル:1.1908ドル - 1.1964ドル
ユーロ円:123.90円 - 124.55円
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