明日の戦略-米株急落を冷静に消化 不安定な相場環境は継続か

2019/08/15(木) 16:53
 15日の日経平均は大幅反落。終値は249円安の20405円。米国で長短金利の逆転現象が発生し、景気後退懸念からダウ平均は800ドル安と急落。これを受けて全面安スタートとなった。ただ、400円超下げて20100円台に突入したところで売りが一巡し、その後は米株先物の上昇などを手がかりに下げ幅を縮めた。前場で20400円台まで戻すと、後場は値動きが落ち着いた。一段の戻りは限られたものの、失速しても大きくは崩れず、終値では20400円台を確保した。東証1部の売買代金は概算で1兆9800億円。業種別では全業種が下落しており、騰落率上位は電気・ガス、空運、陸運、下位は石油・石炭、精密機器、小売となった。1Q決算が好感されたカオナビがストップ高。半面、今19.9期は営業赤字に転落する見込みとなったシェアリングテクノロジーがストップ安となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり272/値下がり1812。上方修正を発表したアミューズが大幅高。1Qが最終増益となったスルガ銀行やフェローテックが買いを集めた。通期の利益見通しを引き上げたアエリアはストップ高まで買われた。インタートレードが12%超の大幅高。同社子会社に三井物産が出資することを発表しており、下方修正のネガティブ影響を吸収して値を飛ばした。幅広い銘柄が売られるなか、ZOZOやそーせいG、JXTGが弱い動き。オプティムやMTGが決算を材料に大きく売られた。リミックスポイントとセレスの仮想通貨関連2社も決算失望で大幅安。「継続企業の前提に関する事項」を注記すると発表したLCホールディングスがストップ安となった。  ダウ平均が800ドル下げた割には、日経平均は249円安と常識的な下げにとどまった。初動で大きく水準を切り下げた後は、パニック売りなどはほとんど見られず、ドル円も落ち着いた動きが続いた。平時の状態でダウ平均が800ドル下げたら混乱は免れないが、今はある程度イレギュラーな値動きも織り込み済みといった雰囲気もあり、良くも悪くも波乱慣れした雰囲気がある。今晩の米国市場では、7月の小売売上高や鉱工業生産など経済指標の発表が多い。長短金利が逆転し、景気後退が強く意識された直後だけに、安心感のある内容が出てくれば、米国株の買い材料になると考える。今週の日経平均は下げと上げが交互に出現し、不安定な状況が続いている。あすも方向感は定まりづらいだろうが、下値の堅さはうかがえるだけに、20500円より上で週を追えることができるかに注目したい。
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