明日の戦略-今週は負けなしで9日続伸、来週は日米中銀イベントに一喜一憂か

2019/09/13(金) 16:58
 13日の日経平均は9日続伸。終値は228円高の21988円。ECBの量的緩和再開や米国株の上昇を好感して3桁上昇スタート。いったん失速したものの持ち直し、上げ幅を200円超に広げた。前場では22000円を前に足踏みが続いたが、後場は高値圏での推移が続き、22000円台に乗せる場面もあった。地合いの改善が顕著となるなかでは週末の売り圧力は限定的で、その後もしっかりとした動きが続いたが、終値ではわずかに22000円を下回った。一方でマザーズ指数は下落かつ終盤にかけて下げ幅を広げており、市場格差が色濃く出た。東証1部の売買代金は概算で3兆3300億円。SQ日でもあり商いは高水準となった。業種別では全33業種中32業種が上昇しており、騰落率上位は不動産、繊維、水産・農林、下位は証券・商品先物、その他金融、倉庫、運輸となった。上方修正を発表したミサワがストップ高。反面、今20.7期が大幅減益計画となったアイモバイルは売りが殺到し、ストップ安比例配分となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1555/値下がり527。ソフトバンクGが3%超の上昇と強い動き。ZOZOの買収に対する評価が高まったヤフーが買いを集めた。三井不動産や三菱地所など不動産株が大幅上昇。リクルートやOLC、資生堂など内需銘柄の選好が強まった。上方修正を発表したプロレドが急伸。特許取得に関するリリースが好感されたアイビー化粧品はストップ高まで買われた。一方、1Q決算が市場の期待に届かなかったアスクルが大幅安。3Q決算は好調も見通し据え置きが嫌われた神戸物産が6%超の下落となった。ラクスルは決算失望で急落。今期の大幅減益見通しが大きな失望を誘ったはてながストップ安まで売られた。  日経平均は週間で大幅上昇。13週線、26週線、52週線などテクニカルの節目を大きく上回り、一時22000円台を回復した。週足の一目均衡表では雲の下から上に浮上しており、目先は上値が軽くなる展開が期待できる。この上には4月高値の22362円が控えており、これを上回ることができるかが目先の注目点となる。上回れば年初来高値を更新することになるが、増税実施を間近に控えたタイミングで高値更新となれば、悪材料出尽し感が強まり、株高基調がしばらく続く展開も期待できる。今週は銀行株などバリュー株の上昇が大きな注目を集めたが、これらに買いが続くかどうかを注視しておきたい。依然バリュエーション面での割安感はあるが、業績面での期待値が低い分、バリュー相場は長続きしないとの見方も強い。ただ、日本株がここからもう一段上昇していくのであれば、割安感のあるものが放置されている状況には違和感がある。バリュー株の深堀りが進むかどうかが、日本株が年末にかけて上昇できるかの鍵を握ると考える。 【来週の見通し】  底堅い展開か。東京市場は月曜が休場で4日立ち会い。17日~18日のFOMCが大きな注目を集める。市場では0.25%の利下げが実施されるとの見方が強い。足元では米国株が強含んでおり、大幅利下げがなければ急落するというほど弱い地合いではないと思われる。ただ、小幅な利下げの場合にはトランプ米大統領が不満を表明する可能性はあり、株高の勢いが減速する展開は想定しておく局面。また、FOMC後には日銀金融政策決定会合が控えている。翌月に消費増税を控えるなか、何らかの政策変更もしくは微修正があるとの見方も出てきているが、マイナス金利の深堀りなどの策が出てきた場合には、株式市場にはネガティブな反応が出てくる可能性がある。とは言え、今週に世界株高の様相が強まったことから、押し目があれば買いが入るだろう。これらの中央銀行イベントを波乱なく通過できれば金融緩和相場が長期化するとの見方も強まる。関連ニュースに振らされる展開にはなるだろうが、下値は限定的と考える。 【今週を振り返る】  堅調となった。長期金利の下落に歯止めがかかり、リスクに対する過度な警戒が和らぐなか、世界的に株式が騰勢を強める展開。米国株の連日の上昇や円安進行を追い風に日経平均は21500円や7月高値(21823円)を上回り、一時22000円台を回復した。週前半は銀行株を中心にバリュー株に見直し買いが入り、中旬以降は全体の底上げが進むなかでグロース株にも資金が向かった。米中交渉進展への期待が高まったほか、ECBの量的緩和再開などポジティブな材料も多く出てきたことから、今週は負けなしで13日まで9日続伸と、強い基調が継続した。日経平均は週間では788円の上昇となり、週足では4週連続で陽線を形成した。 【来週の予定】  国内では8月首都圏マンション販売(9/17)、日銀金融政策決定会合(~9/19)、8月貿易収支、8月訪日外客数(9/18)、黒田日銀総裁会見、7月全産業活動指数(9/19)、8月消費者物価指数(9/20)がある。  企業決算では、大盛工業、ツルハHD、システムディ、アークランド(9/17)、サツドラHD(9/20)などが発表を予定している。  海外では、中国8月固定資産投資、中国8月鉱工業生産、中国8月小売売上高、米9月NY連銀景気指数(9/16)、独9月ZEW景況感指数、FOMC(~9/18)、米8月鉱工業生産、米9月NAHB住宅市場指数、米7月対米証券投資(9/17)、パウエルFRB議長会見、米8月住宅着工件数(9/18)、米4-6月期経常収支、米9月フィラデルフィア連銀景況感指数、米8月景気先行指数、米8月中古住宅販売 (9/19)などがある。  米企業決算では、アドビシステムズ、フェデックス(9/17)、ゼネラル・ミルズ(9/18)などが発表を予定している。
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