明日の戦略-日経平均が上げれば新興市場は失速、あすは上値の重い展開か

2019/12/05(木) 16:31
 5日の日経平均は3日ぶり反発。終値は164円高の23300円。米中交渉の進展期待が高まり米国株が上昇した流れを受けて、買いが優勢の展開。ただ、3桁上昇スタートとなった後は上値は重いが崩れもせず、こう着感が強まった。後場に入っても大きな変化はなく、23300円を挟んでの一進一退が続いたが、終値では23300円を上回った。新興市場ではマザーズ指数が開始早々にマイナス転換して下げ幅を拡大。ジャスダック平均は後場にマイナス圏に沈む場面があったが、大引け間際に切り返し、10日続伸を達成した。東証1部の売買代金は概算で2兆0300億円。業種別では鉄鋼や海運、ガラス・土石などが上昇した一方、水産・農林やサービス、陸運などが下落している。ハイテク株に押し目買いが入り、太陽誘電やSUMCOが大幅上昇。半面、247やセルソース、ダブルエーなど直近上場株に大きく値を崩すものが見られた。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1275/値下がり784。日経新聞で5Gスマホ向けの超小型電子部品を開発したと報じられた村田製作所が上昇。米中交渉進展期待からファナック、コマツ、キーエンスなど機械、FA関連に買いが入った。証券会社のリポートを手がかりに日本製鉄や神戸鋼など鉄鋼株が大幅上昇。ほか、越境ECモールへの出店を発表したSOUや、新作ゲームへの期待が高まったメディア工房が急伸した。一方、楽天やドコモ、資生堂などが軟調。決算が失望となったティーライフやモロゾフが売られ、Link-Uは12%超の下落となった。月次が弱かった串カツ田中が大幅安。直近で買いを集めていたチエルやLib Work、レアジョブ、AKIBAなどが急落した。  3日、4日と日経平均が弱い中で新興市場がしっかりとした動きを見せたが、きょうは日経平均が上昇する中で新興市場がさえなかった。ジャスダック平均は10日続伸とはなったものの、かろうじてプラスを保った程度で、マザーズ指数は終日弱かった。直近上場株に売られたものが多いところを見ると、来週から本格化するIPOラッシュに備えての換金売りが一気に出てきたものと思われる。マザーズ銘柄以外でも、直近派手に上昇した銘柄は手じまい売りに押されるとみておいた方が良いだろう。大型株に関しても、あすは米雇用統計の発表前で、手がけづらい地合いになると予想する。今週は米中関連のニュースに振り回され続けただけに、週をまたぐリスクも意識される。日経平均が25日線(23273円、5日時点)を上回って終えた点は好材料で、あすは同水準がサポートとして機能するかが注目される。きのう4日の安値23044円を下回るようだとチャート形状が悪化してしまうため注意したい。
日本株の最新ニュース
マーケットデータ
日経平均 37,638.68 +10.20
TOPIX 2,660.98 -2.55
グロース250 640.16 +0.04
NYダウ 38,085.80 -375.12
ナスダック総合 15,611.76 -100.99
ドル/円 155.59 -0.05
プレミアム銘柄の最新情報
ページTOPへ