明日の戦略-終値で昨年来高値を更新、あすは様子見も個別物色は旺盛か

2020/01/20(月) 16:25
 20日の日経平均は3日続伸。終値は42円高の24083円。先週末の米国株が上昇で終えた流れを受けて40円程度上昇して始まると、その後は小動き。安値は開始早々につけるなど下押し圧力は限定的であったものの、24100円より上では買いが続かず、こう着感が強まった。後場も地合いには大きな変化はなかったが、概ね高値圏で推移したことで、終値ベースでは昨年来高値を更新した。東証1部の売買代金は概算で1兆4100億円。今晩の米国市場が休場であったこともあり、商いは盛り上がりに欠けた。業種別では建設や電気・ガス、機械などが強い動きとなり、下落は食料品、小売、水産・農林の3業種のみとなった。13時に上方修正を発表したサイバーステップが後場急伸。前引けでは7%超の下落であったところから大引けでは7%超の上昇と、振れ幅の大きな展開となった。半面、昼休みに前期見通しの引き下げを発表したグランディーズは後場売り気配スタートとなり10%超の下落となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1478/値下がり579。前田建設のTOB発表を材料に前田道路がストップ高。前田建設も大幅高となったほか、日本道路など他の道路株にも連想買いが入った。旧村上ファンド系ファンドからTOBの予告を受けたと発表した東芝機械が急騰。太陽誘電や日本電産、TDKなどハイテク株に強い動きが見られた。中国で新型ウイルスが猛威を振るっていることを材料に川本産業やアゼアスがストップ高まで買い進まれたほか、全国の送電用鉄塔を総点検するとの報道を手掛かりにイワブチやJMACSがストップ高となるなど、動きのある銘柄には短期資金が殺到した。一方、子会社において不適切会計が発覚した東芝が大幅安。ファーストリテイリングやパナソニックが軟調となった。証券会社が目標株価を引き下げた三越伊勢丹が4%を超える大幅下落。今期減益計画の協和コンサルタンツが急落した。  日経平均は終日堅調。上値が重くなっても24000円は割り込むことなく高値もみ合いが続き、終値ベースで昨年来高値を更新した。今晩の米国株は休場で、あすは日銀金融政策決定会合の結果が発表予定。金融政策は現状維持が濃厚だが、展望リポートの公表もあることから、前場は静寂相場で、後場にやや振れ幅が大きくなりそう。とは言え、基本的には大勢に変化はないと思われるため、引け後の黒田総裁会見や、休場明けの米国市場の動向を見極めたいとの見方から、様子見ムードの強い地合いが続くだろう。このところは5日線(23999円、20日時点)より上での推移が続いており、同水準を意識した動きが見られるかが注目点となる。  物色ではTOB絡みの銘柄が派手に動いたが、上場子会社再編に絡む材料が出てくると、他の銘柄にも思惑買いが入りやすくなり、そういった突発的な上昇が投資家の物色意欲を刺激する。道路株や建設株は、バリュエーション面で割安感のあるものが多い。これらの業界に変化への期待から見直し買いが入るのであれば、物色の蚊帳の外に置かれていたオールドエコノミー系の銘柄が宝の山となる展開も期待できる。またそうなれば、全体としての底堅さも一段とサポートされる可能性が高い。
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