明日の戦略-大幅安で24000円割れ、インバウンド銘柄の下落は要警戒

2020/01/21(火) 16:21
 21日の日経平均は4日ぶり大幅反落。終値は218円安の23864円。米国株が休場であったため、序盤は小幅安で方向感に欠ける動きが続いた。しかし、10時すぎに株安・円高の流れが強まる展開。節目の24000円をあっさり割り込み、下げが加速した。昼休みに発表された日銀の金融政策は大方の予想通り現状維持。これに対する反応は限定的ではあったが、サプライズなしの結果を嫌気して、後場はじり安基調が続いた。大引け間際にきょうの安値をつけ、ローソク足では実体の長い陰線を形成した。東証1部の売買代金は概算で1兆6700億円。大きな動きは出てきたものの、商いは低水準となった。業種別では建設やパルプ・紙、輸送用機器などが上昇している一方、空運や鉄鋼、化学などが下落している。日経新聞の業績観測記事が好感されたエル・ティー・エスがストップ高。半面、前期の着地が従来計画を下振れたアサヒ衛陶が大幅安となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1002/値下がり1041。新型コロナウイルスへの警戒が強まる中、防護服やマスクなどこれに関連した需要が見込まれる銘柄に資金が集中。川本産業、オーミケンシ、アゼアス、重松製作所などがストップ高まで買い進まれた。今期の最終黒字観測が報じられたラオックスがストップ高。前期利益見通しの上振れと増配を発表したシンシアが急伸した。一方、SCREENや東京エレクトロンなど半導体株の一角が大幅安。新型コロナウイルスの被害拡大は訪日需要の減退を招くとの見方から、資生堂やコーセーなどの化粧品株、HISやアドベンチャー、JAL、ANAなど旅行関連株が売りに押された。TOBを材料に前日急伸した東芝機械は一転9%超の大幅下落。下方修正を発表したトレードワークスが急落した。  きょうは動きづらい地合いになるかと思われたが、日経平均は200円を超える大幅下落。後場に入っても値上がり・値下がり銘柄数は均衡しており、指数だけが弱かった印象も強いが、終日さえない展開となった。前引けが23902円(180円安)で大引けが23864円(218円安)と、ほとんど動いていないことから、日銀会合の結果に対する反応はほぼニュートラルであったと思われる。強い米国株の支えがなくなった途端にもろくなる日本株の弱さが顔を出した。  今晩の米国株が下落したとしても常識的な下げであれば、きょう先んじて売られた分、あすの下押し圧力は限定的と考える。安値は23843円で、日足チャートでは5日線(23967円、21日時点、以下同じ)は割り込んだものの、25日線(23790円)手前で下げ止まった。ここで切り返してくれば、上昇基調には変化なしとみて良いだろう。ただ、新型コロナウイルスへの警戒が強まる中、資生堂が3.9%安となるなど、海外投資家好みの銘柄までも大きく売られている点は注意を要する動きである。売買代金は全市場で6位(ETFを除く)と、商いを伴った下げにもなっている。マスクや防護服関連など派手に買われている銘柄もあり、株式市場ではリスクが意識される局面で積極的に投資機会を探ろうとする動きが見られる。ただ、多くの証券会社がカバレッジしているレベルの銘柄が大きく下げてくると、全体のセンチメントの悪化が警戒される。今週末から中国の春節休場が始まることもあり、インバウンド関連への直接的な影響は大きいとの見方が強まるようだと、日本株全体でも手詰まり感が強まる可能性がある。きょうの資生堂の下げが過剰反応か否かという点は注意深くウォッチしておきたい。
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