明日の戦略-下落相場でも後場の強さは健在、あすは日中の指標を受けた株価反応に注目

2020/03/30(月) 16:50
 30日の日経平均は反落。終値は304円安の19084円。米国で新型コロナウイルスの感染者数が拡大したことから、先週末の米国株は大幅安。国内でも東京などで感染者数が増加したことから、寄り付きは500円近い下落となった。前場では下を試す流れとなり、下げ幅を800円超に広げる場面もあった。ただ、前引けにかけてやや戻すと、後場は日銀のETF買いを支えに売り圧力が和らぎ、値を戻す展開。警戒ムードは強く、3桁下落の状況は続いたが、終盤にかけては19000円台を回復し、高値引けとなった。東証1部の売買代金は概算で3兆1400億円。業種別では電気・ガスや食料品、医薬品などが上昇した一方、空運、銀行、保険などが大幅安となった。任天堂が逆行高。新作ソフトの好調も追い風に、巣ごもり需要取り込み期待が高まり9日続伸となった。一方、政府が米中韓からの入国を拒否する方針と伝わったことから、ANAが10%近い下落となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり492/値下がり1620。テレワーク需要の高まりが意識されてブイキューブやセグエGがストップ高。マスク需要増への思惑から川本産業がストップ高となり、手作りマスク作りを提案した手芸の藤久もストップ高まで買われた。安倍首相会見から抗コロナウイルス薬への期待が高まった富士フイルムが急伸。日医工や帝人なども治療薬への思惑から買いを集めた。ほか、自己株取得を発表したシンシアが急騰した。一方、出資先の英企業の破たんが伝わったソフトバンクGが5%近い下落。足もとの業績に新型コロナウイルスの影響が大きく出ていることを公表したソニーが大幅安となった。三菱UFJや三井住友など銀行株も大きく売られる展開。下方修正を発表した南海辰村建設が急落した。外出抑制が長期化するとの見方が強まる中、APカンパニーや一家ダイニングなど外食株や、貸会議室のTKPなどに売りが殺到した。本日新規上場のネクストーンとニッソウはどちらも公開価格割れからのスタートとなったが、どちらも終値は初値を大きく上回り、ネクストーンはストップ高で終えた。  日経平均は前場には800円超下げる場面があったが、引けでは304円安。配当落ちの影響が180円程度あることを鑑みると、押し目での買い意欲がかなり強かったことがうかがえる。あすは10時に中国の3月製造業PMIが発表予定。市場では2月の落ち込みが大きかった反動で、3月は好内容が確認できるとの見方が多い。中国の指標が良かったとしても、現状ではすぐにアメリカや日本で経済活動が正常化されるわけではないが、グローバル株式市場がいったん今回の新型コロナウイルスに関する弱材料を織り込んだかどうかを確認する意味では、あすの指標および結果を受けた反応は大きく注目される。日経平均が2万円に向けて騰勢を強めるような動きが見られれば、この先は売りも出しづらくなるため、3月19日の16358円で底を打った可能性が高まる。一方、他市場に比べてマシと思われている中国指標が売り材料となるようなら、今週は米国でも指標の発表が多いため、直近安値を割り込む展開も想定しておくべき。国内でもあすは2月の失業率、有効求人倍率、鉱工業生産などが寄り前に発表される。平時に比べるとこれらの反応が強めに出ると思われるため、10時より前の株価動向についても注意を払っておく必要があるだろう。
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