明日の戦略-後場安傾向が続き週間では大幅安、来週はファストリなど小売決算に注目

2020/04/03(金) 16:14
 3日の日経平均は5日ぶり小幅反発。終値は1円高の17820円。原油高を背景に米国株が 上昇した流れを受け継いで買いが先行。開始早々に18000円台を回復して上げ幅を200円超に広げた。しかし、週末を前に警戒ムードも強く、その後はじわじわと値を消した。前場ではプラスを維持したが、後場に入るとマイナス圏に沈み、下げ幅を3桁に広げる場面もあった。ただ、取引終盤にかけて急速に持ち直すと、1円高とかろうじてプラスを確保して取引を終えた。東証1部の売買代金は概算で2兆3600億円と、ここ最近ではかなりの低水準。業種別では鉱業や保険、電気・ガスなどが上昇している一方、空運や輸送用機器、鉄鋼などが下落している。証券会社の新規カバレッジが入ったミダックが大幅上昇。半面、直近でオンライン診療関連として賑わったメドレーやMRTが一転急落した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり467/値下がり1653。抗ウイルス薬「アビガン」の原料となるマロン酸ジエチルの供給を決定したデンカがストップ高。ドイツ政府がアビガンを大量調達すると伝わったことから富士フイルムも大幅高となった。任天堂やファーストリテイリング、キーエンスなど値がさ株がしっかり。東証1部への復帰申請観測を材料に東芝が買いを集めた。原油価格急伸を受けて国際帝石や石油資源価格が上昇。ただ序盤に強い動きを見せた後は伸び悩んだ。一方、臨時休業を発表した串カツ田中や鳥貴族が大きく値を崩し、コロワイドやサイゼリヤなど外食全般に売りが広がった。ラウンドワンも全店の臨時休業を発表して急落。自動車株が軒並み弱かったが、中でもSUBARUが8%安と突出した下げとなった。太陽誘電やTDKなどハイテクの一角が軟調。下方修正を発表したSANKYOや、松坂屋豊田店の営業終了を発表したJフロントが大幅安となった。  来週は2月締め企業の決算発表が多く出てくる。最大の注目は9日のファーストリテイリング(同社は8月決算のため今回は上期)となるが、同じ日にはローソンやセブン&アイの本決算なども出てくる。材料を消化するのは翌週となるが、10日には安川電機ほか、多くの企業の決算発表が予定されている。2月締めのため、終わった期の着地に関してはそこまで傷んでいないところもあるだろうが、新しい期に関しては見通しを立てようがないという状況で、内容自体は散々とみておいた方が良い。セブン&アイなどスーパー業態を抱えるところでは、消費者の買いだめ志向を取り込んでいると思われるが、そういった企業の絶対数が少ない上に、特需が見込まれそうなところは、3月中旬以降に物色されてもいる。その意味では、悪い内容が出てきたところの売りが一服するかという点に注目しておきたい。発表直後には売られたとしても、その後に値を戻すものが多く出てくれば、全体でも下振れへの警戒が和らぐ展開が期待できる。 【来週の見通し】  横ばいか。日々発表される新型コロナウイルスの感染被害状況に神経質となる状況は大きくは変わらないだろう。一方、今週は中国の経済指標に安心感のあるものが出てきたほか、原油価格が大きく持ち直すなど好材料も出てきており、これらは一定の下支えになると考える。国内では2月締め企業の決算発表が多く出てくる。決算自体の見栄えは悪いだろうが株価も相当調整しており、いったん悪材料出尽くしとなる銘柄が多く出てくる可能性はある。個別企業に焦点が当たることで、感染関連のネガティブなニュースにも、やや鈍感になると思われる。今週の日本株が弱かった分、一定の反動も見込まれることから、下げ基調にはいったんブレーキがかかると予想する。 【今週を振り返る】  軟調となった。米国で新型コロナウイルスの感染者数が大幅に増加したことから、米国株の戻りが一服。国内でも東京で感染者数が増加傾向となったこと、これに伴い「首都封鎖」などへの警戒も強まったことから、売りに押される地合いが続いた。特に後場に入って売られる場面が多かったことも、先行き警戒感を強めた。後半にかけては原油価格の急伸を材料に買いが入る場面もあったが、弱い地合いが続く中、高くなるところでは戻り売りに押された。日経平均は週間では約1569円の下落となり、週足では院線を形成した。 【来週の予定】  国内では、2月毎月勤労統計、2月家計調査、2月景気動向指数(4/7)、2月機械受注、3月景気ウォッチャー調査(4/8)、3月都心オフィス空室率、3月工作機械受注(4/9)、3月企業物価指数、オプションSQ(4/10)がある。  企業決算では、ニトリHD、壱番屋、クリエイトSDH、WNIウェザー、薬王堂HD、トーセイ(4/6)、スギHD、マニー、ディップ、リソー教育、Fブラザース、シリコンスタシオ、放電精密、三光合成(4/7)、ウエルシアHD、ABCマート、サイゼリヤ、ベル24HD、シーズメン、フェリシモ、GameWith、コジマ、タカキュー(4/8)、ファーストリテイ、7&I-HD、ローソン、イオンモール、島忠、SHIFT、竹内製作、トーセ、ドーン、アルバイトタイ、ライク、大黒天、AFC-HD、ほぼ日、東京個別、クリーク&リバ、エスクローAJ、ツインバード、スリーエフ、MrMaxHD、オオバ(4/9)、安川電、久光薬、Jフロント、イオンFS、JINSHD、ライフコーポ、DCM、近鉄百、ベルク、SERIOHD、コメダ、コシダカHD、パソナG、カネ美食品、ジーフット、ブロッコリー、わらべや、キリン堂HD、フィルカンパニ、メディカネット、IGポート、メディ工房、ファンタジー、チームスピリト、明光ネット、ローツェ、東洋電、クックビズ、247、カーブスHD、サンデー、マックハウス、シグマ光機、インタアクション、オンワードHD、ワキタ、ヤマトインタ、チヨダ、リンガハット、USENNEXT、カンセキ、プレナス(4/10)などが発表を予定している。  海外では、米2月消費者信用残高(4/7)、米3月生産者物価指数(4/9)、中国3月消費者物価指数、中国3月生産者物価指数、米3月消費者物価指数(4/10)などがある。  なお、4/10は聖金曜日のため、米国、英国、香港市場などが休場となる。
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