明日の戦略-後場一段安で22000円割れ、リスク回避姿勢が強まる

2020/06/29(月) 17:10
 29日の日経平均は大幅反落。終値は517円安の21995円。先週末の米国株が新型コロナウイルスの感染拡大を警戒して大きく崩れたことから全面安の展開。前場では序盤に400円超下げた後はいったん盛り返したものの、戻りは限られた。後場に入ると改めて売りの勢いが強まり、下げ幅を500円超に拡大。22000円どころで踏みとどまる動きも見られたが、取引終盤にかけて見切り売りが加速すると、22000円を割り込み安値圏で取引を終えた。東証1部の売買代金は概算で2兆1400億円。業種別では全33業種が下落しており、電気・ガスや倉庫・運輸、小売などが小幅な下げにとどまった。一方、鉄鋼や鉱業、その他金融などが大きく売られた。大幅な上方修正を発表したジュンテンドーに買いが殺到しており、ストップ高比例配分。半面、昼休みにドライアイ治療薬「Xiidra」の販売許可申請の取り下げに伴う業績への影響を公表した武田が、後場下げ幅拡大で安値引けとなった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり506/値下がり1618。全面安の中でレーザーテックが大幅上昇。教育ICT関連が賑わっており、ウチダエスコやチエルが急伸。分割初日のすららネットはストップ高まで買われた。ウエルシアやサンドラッグなどドラッグストア株が上昇。業績関連のリリースを材料にPALTEKが大幅高となり、cottaはストップ高比例配分となった。半面、経済活動再開への楽観的な見方が後退したことで、Jフロントリテイリングや三越伊勢丹など百貨店株が急落。米国で金融株が弱かったことから三菱UFJや三井住友など銀行株が売られた。12月決算銘柄のキヤノンやJTが権利落ちで大幅安。新株予約権の発行が嫌気された窪田製薬はストップ安となった。上場2日目で高い初値をつけたコマースワンは、上値は限られ終値は初値を大きく下回った。本日ジャスダック市場に上場したエブレンは買い殺到で初値は持ち越しとなった。  日経平均は後場に入って下げ幅を広げ、終値で22000円を割り込んだ。スタートから25日線を割り込んだため、テクニカル的には下に勢いがつきやすいところだが、後場に一段安となったところを見ると、投資家のリスク回避姿勢が強まっているようにも感じられる。今晩の米国株がもう一段下げてしまうようだと、短期的には一気に下を見に行く展開も想定される。米国市場は週末7月3日が休場のため、このタイミングで感染被害の拡大を警戒した下げが続いた場合、手じまいムードが強まりやすい。今週は6月のISM製造業景気指数や雇用統計など注目の指標がいくつか出てくるが、株式市場で感染拡大リスクが意識されると、指標が改善してもそれが過去のものとして扱われ、好反応が限られる懸念が浮上してくる。この先、米国で経済活動の制限が各地で強まるようなことがあれば、新たな経済・金融対策も出てくると思われるため、一本調子に売られ続ける可能性は低いとは考える。ただし、日経平均は6月15日の安値21529円を割り込んでしまうと売り加速も想定されるため、これを下回ることなく、早々に22000円台を回復する展開に期待したい。
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