明日の戦略-6連敗で週間では4桁の下落、来週は戻りに期待も上値は重いか

2020/07/31(金) 16:54
 31日の日経平均は大幅に6日続落。終値は629円安の21710円。ダウ平均の大幅安を嫌気して下落スタート。米主力ハイテク株が時間外で上昇したことから寄り付きこそ2桁の下落にとどまったものの、すぐに下げ幅を3桁に広げた。その後はドル円が大きく円高に振れたことから、一本調子に下げる展開。前場のうちに22000円を割り込み、下げ幅を400円超に広げると、後場は東京都の新型コロナウイルス新規感染者が400人を超えるとの報道も流れる中で売りが売りを呼び、600円を超える下落で安値引けとなった。東証1部の売買代金は概算で2兆7800億円。業種別では全業種が下落しており、相対的に下げが軽微にとどまったのは空運、食料品、電気・ガスなど。一方、ゴム製品や海運、鉱業などが大幅安となった。感染拡大リスクが意識される中、PSSが20%超の上昇。売買代金は全市場で8位(ETFを除く)と市場の注目を大きく集めた。半面、今期が大幅減益見込みとなり、減配も発表した清水建設が後場に入って急落した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり134/値下がり2032。今期の大幅減益計画がビッグネガティブサプライズとなったアドバンテストがストップ安(14.9%安)。パナソニックが13.3%安、コマツが8.6%安と、決算失望銘柄が急落した。みずほは決算発表を前に5%超の下落となり、直近で決算を材料に急落したキヤノンやファナックが大幅安となるなど、業績懸念が強いところを売り崩す動きが強まった。ソフトバンクGは自己株取得を発表して買いが先行したものの、終わってみれば4%を超える下落。1Q営業赤字のJR東日本は年初来安値更新基調が続いた。一方、今期の大幅増益計画を発表したZOZOは買いが殺到してストップ高比例配分。ZHDも連れ高した。TDKが8.1%高、アンリツが4.9%高、富士電機が7.2%高と、決算が好感された銘柄には強い買いが入った。1Q大幅増益に加えて自己株取得も発表した中国塗料は一時ストップ高となるなど急伸した。きょうはマザーズに2社が新規上場したが、Sun Asteriskは高い初値をつけた後にストップ高。日本情報クリエイトも高く始まり上値を伸ばした。  日経平均は大幅安。今晩の米国市場ではアップルなど決算を発表した主力株の上昇が期待できそうであったにもかかわらず、終日厳しい売りが続いた。アドバンテストのストップ安というのはなかなかのレアケース。しかも下げ幅を広げてのストップ安ではなく、値が付いたところがストップ安水準で、売買できる時間はほとんどなくすぐにストップ安売り気配となり、引けまで張り付くという凄まじい売られ方。ただ、これをみて半導体株が総崩れになったかというとそうでもなく、既に1Qの好決算を確認している東京エレクトロンなどはプラスで終えている。来週は売り物を残したアドバンテストが切り返してくるかが注目されるが、コロナへの対応は各社で異なる中、同じ業界でも勝ち組とそれ以外の差が大きくなるかもしれない。  日経平均は終値(21710円)が13週線(21876円、31日時点、以下同じ)や52週線(21815円)を下回った。きょうは7月最終日だが、月足でも24カ月線(21748円)を下回っている。この辺りでの下げ止まりに期待したいところだが、一段安となるようなら、26週線(21025円)が控える21000円近辺まで突っ込む展開もみておくべき。ただ、そこまで下げてしまうと、3月以降の戻り相場が終わったとの見方も強まりやすい。6月には23185円まで上昇した後に急失速して、6月15日には21529円まで安値をつけた。来週はこの時の安値を割り込むことなく推移できるかが注目される。 【来週の見通し】  一進一退か。8月相場に突入するが、東京市場は引き続き決算発表ラッシュで、個別重視の流れが続くと思われる。4日のソニーや6日のトヨタ、任天堂の決算などは中でも注目を集める。日経平均は7月31日まで6日連続で下落しており、月替わりでそろそろ反転に期待したいところだが、国内には買い材料が乏しく、米国株など外部環境頼みの状況となるだろう。ただ、米国株も金曜7日に7月米雇用統計を控えるスケジュールのため、これを前にしては身構える地合いになるのではないかと考える。日本株は今週が弱かった分、ここからの下値は限られるとみるが、上値も重いと予想する。 【今週を振り返る】  軟調となった。東京市場が休場の間の米国市場が弱く、週初から売りに押される展開。決算発表ラッシュの週で個別の動きは大きくなったが、キヤノンや日産自動車、ファナック、アドバンテストなど主力どころの銘柄に急落するものが多く、日を追うごとに警戒ムードが強まった。為替市場でドル安・円高が進行したことや、新型コロナウイルスの国内感染が全国的に広がったことなども重石となり、日経平均は後場に入って崩れる場面が多く見られた。31日には600円を超える下落で22000円を大きく割り込み、今週は全敗で6日続落。週間では1041円の下落となり、週足では2週連続で陰線を形成した。 【来週の予定】  国内では、7月新車販売台数(8/3)、7月都区部消費者物価指数(8/4)、7月都心オフィス空室率(8/6)、6月家計調査、6月毎月勤労統計調査、6月景気動向指数(8/7)などがある。  企業決算では、NTTドコモ、エーザイ、スズキ、キッコーマン、三菱重、JAL、カプコン、ヒロセ電、イビデン、西武HD、ケーズHD、科研薬、丸和運輸、コクヨ、ジョイ本田、日水、JESHD、キョーリンHD、キッセイ薬、日軽金HD、マルハニチロ、フジクラ、長谷川香、日伝、三菱総研、日立造、バイタルKSK(8/3)、ソニー、ダイキン、三菱UFJ、アステラス薬、クボタ、SUBARU、オリックス、旭化成、CTC、ヤマハ、日本製鉄、三菱ケミHD、丸紅、ミネベアミツミ、リコー、カカクコム、住友化、ブラザー、王子HD、ファンケル、ニチレイ、山崎パン、JR九州、タカラバイオ、日光電、双日、スシローGHD、東建物、戸田建、日触媒、東海カ、NOK、五洋建、サンリオ、GSユアサ、ノジマ、フジミインコ、ゼリア新薬、サンゲツ、日曹達、オカムラ、サンケン電、ノリタケ、タムロン(8/4)、ホンダ、伊藤忠、ユニチャーム、オリンパス、アサヒ、シスメックス、サントリーBF、日清食HD、レーザーテク、大成建、ライオン、ホトニクス、大日印、いすゞ、参天薬、三浦工、アルフレッサHD、コンコルディア、空港ビル、セガサミーHD、帝人、不二製油、レンゴー、アリアケ、ツムラ、富士急、DeNA、デサント、日清紡HD、コロプラ、タクマ、日本ライフL、西松建、UT GROUP、川崎船、図研、ラウンドワン、Uアローズ、UNITED、ロードスター(8/5)、トヨタ、任天堂、テルモ、資生堂、ネクソン、三井不、ダイフク、国際帝石、島津製、スクエニHD、メルカリ、出光興産、鹿島、ペプチド、TIS、ヤマハ発、ピジョン、京阪HD、ジャストシステ、SUMCO、コナミHD、LIXILG、ヤマダ電、リンナイ、長谷工、丸井G、日ユニシス、三菱ガス、THK、栗田工、ニコン、特殊陶、三菱マ、TBSHD、川重、応化工、住友ゴム、エレコム、フジHD、沢井製薬、福山運、日東紡、古河電、ケーヒン、前田道、日本紙、前田建、アース製薬、東洋紡(8/6)、SMC、ゆうちょ、日本郵政、東京海上、大塚HD、ブリヂストン、菱地所、キリンHD、NTTデータ、大和ハウス、MS&AD、住友商、バンナムHD、SOMPOHD、大塚商、住友鉱、近鉄GHD、かんぽ、東レ、ホシザキ、T&DHD、ハーモニック、飯田GHD、博報堂DY、コムシスHD、太陽誘電、京急、三菱Uリース、NIPPO、ゼンショーHD、ふくおか、協エクシオ、ベネッセHD、セイノーHD、アマダ、浜ゴム、デンカ、シップHD、TOYOTIRE、大王紙、HENNGE、Kudan、オンコリス、NexTone、すららNTリグア(8/7)などが発表を予定している。  海外では、米7月ISM製造業景気指数(8/3)、米6月製造業受注(8/4)、米7月ADP全米雇用リポート、米6月貿易収支、米7月ISM非製造業指数(8/5)、英国金融政策発表(8/6)、中国7月貿易収支、米7月雇用統計、米6月消費者信用残高(8/7)などがある。  米企業決算では、タイソン・フーズ、AIG(8/3)、デボン・エナジー、ディズニー(8/4)、ウエスタン・デジタル、スクエア(8/5)、イルミナ(8/6)などが発表を予定している。
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