明日の戦略-大幅高でチャートも好転、出遅れ銘柄見直し相場は続くか

2020/08/11(火) 16:26
 11日の日経平均は4日ぶり大幅反発。終値は420円高の22750円。米7月雇用統計が安心感のある結果となり、東京市場が休場の間の米国株も概ね堅調に推移したことから、楽観ムードが強まる展開。寄り付きから3桁の上昇で22500円を上回ると、その後は右肩上がりの基調が続いた。米国で景気敏感系の銘柄を買い戻す流れが強まったことから、市況関連や不動産、運輸など出遅れ感の強い業種が軒並み高。指数は前場のうちに22700円台に乗せた。後場は上昇ペースはやや鈍ったものの、じわじわと上げ幅を広げ、大引け間際にきょうの高値をつけた。一方、マザーズ指数は逆行安。メルカリなど主力どころの銘柄に利益確定売りに押されるものが多かった。東証1部の売買代金は概算で2兆7400億円と商いは高水準となった。業種別では不動産や鉄鋼、銀行などが大幅高。情報・通信とその他製品の2業種のみが下落しており、精密機器が小幅な上昇にとどまった。1Q業績に大幅な改善が見られた蛇の目ミシンがストップ高。半面、今期は営業赤字に転落する見通しとなったリンクアンドモチベーションが急落した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1810/値下がり330。トヨタが4%近い上昇で高値引けしたほか、ホンダやSUBARUなど自動車株が大幅高。決算を材料に三菱地所や飯田GHDが急伸し、三井不動産や大和ハウスなど不動産・住宅関連にも非常に強い動きが見られた。みずほや三井住友など銀行株や、JR東・西・東海など鉄道株なども大幅上昇。アルツハイマー病治療薬に関するリリースが好感されたエーザイが13%超の上昇と騰勢を強めた。一方、ソフトバンクGが決算発表を前に大幅安。ネクソンやZHDなど高値圏にあった銘柄が売りに押された。今期が大幅減益計画となった太陽誘電が4%超の下落。上期が大幅減益となったGMOTECHがストップ安となり、1Q速報値が営業赤字となった豊商事はストップ安比例配分と売りが殺到した。上場2日目で高い初値をつけたT&Sは好地合いの中でその後も上値を伸ばした。  日経平均は大幅上昇。前場で22700円台に乗せると、後場も失速することなく強い基調が続いた。きょうの大幅高を見る限り、先週中盤以降の下げは市場の空白を嫌った売りと解釈できる。先週の高値は8月4日につけた22603円だが、きょうは22760円まで上昇しており、先週の高値を上回った。終値(22750円)は25日線(22545円、11日時点)を大きく上回っており、チャートも好転した。主力どころできょうの動きが良かった銘柄は、それまでが案外でようやく下げ止まったくらいのものが多く、出遅れ修正の流れが一段と強まるようなら、指数もまだ上昇余地がある。自動車や銀行、レジャー関連などきょう大幅高となった銘柄群がこれで出尽くしとならず、あす以降もしっかりとした動きが見られるかに注目したい。
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