明日の戦略-消化試合のような1日、ロームの大幅高は優良株復権の予兆?

2020/10/21(水) 16:36
 21日の日経平均は反発。終値は72円高の23639円。米国株高を好感して上昇して始まると、早い時間に上げ幅を3桁に拡大。23700円台に乗せたところでは上値が重くなって失速したが、寄り付きの水準を下回ったところで盛り返すと、その後は値動きが落ち着いた。後場は前場の高安の範囲内での小動きに終始したが、大引け前に後場の安値をつけるなど、伸び悩む展開となった。マザーズ指数は場中に強く買われる場面もあったが、後場に値を消して下落で終えた。東証1部の売買代金は概算で1兆8700億円。業種別では、鉄鋼や鉱業、海運などが大幅上昇。精密機器とその他製品の2業種が下落し、情報・通信が小幅な上昇にとどまった。HAL医療用下肢タイプが台湾で医療機器の承認を得たと発表したサイバーダインがストップ高。半面、ストップ安が2日続いたジーエヌアイグループが8%超の下落。売買代金は全市場で3位(ETFを除く)と、市場の注目を大きく集めた。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1553/値下がり552。上方修正を発表したロームが大幅上昇。ニトリによる買収観測が報じられた島忠が急騰した。神戸鋼や商船三井、三菱マテリアルなど、市況関連の多くが大幅高。第一生命やT&Dなど保険株にも非常に強い動きが見られた。上方修正を材料に、タカラバイオと宝HDがそろって急伸。業績期待が高かったゲンキーは上方修正を受けても売りが先行したが、早々に切り返すと一転して買いを集め、9%近い上昇で終えた。一方、島忠へのTOBに横やりが入った格好となったDCMが急落。ニトリは買いが先行したものの、DCMとの買収合戦がヒートアップする懸念から下げに転じた。アンジェスやメルカリ、GMO-FGなど、マザーズの主力銘柄の一角が大幅安。前日にストップ安となった直近上場株のアースインフィニティは、きょうは売り場がなく、ストップ安比例配分となった。  日経平均は上昇。ただ、1日の値幅は90円程度、終値(23639円)と始値(23615円)との差は20円程度と、消化試合のような1日となった。高値は23702円までで、上を試しに行っても、直近高値の23725円(10/9)は超えられなかった。あす22日は、米国で大統領候補者の討論会が予定されているが、これを消化するのは23日。そのため、引き続き動きづらい地合いが予想される。今晩の米国株が弱かった場合には、イベントを前にリスク回避ムードが強まるかもしれない。それでも、節目の23500円はサポートとして意識されるだろう。  きょうは静かな1日ではあったが、その中で上方修正を発表したロームの動きは特筆される。派手さはなかったが、高く始まってじわじわと上げ幅を広げ、引けでは4.8%高。これに触発されたか、来週、決算発表で先陣を切る日本電産や信越化学が上場来高値を更新した。日本株は3月中旬以降、大きく崩れることなく推移しており、高値警戒感もくすぶっている。しかし、これら国際優良株が業績を確認してもう一段買われるようなら、日経平均も今回の決算発表のタイミングで24000円からその上を試す展開となるだろう。
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