明日の戦略-欧米株急落の悪影響は限定的、週末まで底堅さを維持できるか

2020/10/29(木) 16:17
 29日の日経平均は4日続落。終値は86円安の23331円。欧米株の急落を受けて250円近く下げて始まったが、寄り付きを安値に下げ幅を縮める展開。前場で安値から100円近く値を戻すと、後場は下げ幅を2桁に縮めた。終盤にはやや失速したものの、23100円台でスタートして、23300円台まで戻して終えた。TOPIXは小幅安で終えたが、後場にはプラスに転じる場面もあった。  東証1部の売買代金は概算で2兆0900億円。業種別では、電気機器や輸送用機器、不動産などが上昇した一方、証券・商品先物や陸運、石油・石炭などが下落している。通期の見通しを大幅に引き上げたトヨタ紡織が後場急騰。半面、今期が大幅な営業減益見通しとなり、株主優待の廃止も発表した日水製薬が後場急落。年初来安値を更新した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり747/値下がり1330。上方修正を発表したソニーの強さが目立っており、売買代金が全市場トップとなる大商いで、6%超の上昇。大日本住友製薬や日立も、決算を材料に大幅高となった。上期が大幅な営業増益となり、自己株取得も発表したメルコはストップ高。やや手がけづらさもあった中、きのう初値をつけた後に急失速したプレミアアンチエイジングがストップ高となり、カラダノートも派手な上昇を見せた。  一方、ソフトバンクGやファーストリテイリングが軟調。今期が大幅な営業赤字見込みとなったぐるなびが急落し、ストップ安をつける場面もあった。サイバーエージェントが決算を材料に売られ、上期減収減益のケー・エフ・シーや、下方修正を発表したフューチャーが急落した。直近で買いを集めたツインバードやさくらインターネットが一転して値を崩し、シーズメンはストップ安まで売り込まれた。  日経平均は4日続落。ただ、ダウ平均の943ドル安を受けて2桁の下げにとどまったのは驚きだ。27日も、前日のダウ平均の650ドル安を受けても1桁の下落で終えており、今週は非常に底堅い。今晩の欧米株に反発が見られれば、23500円台辺りまでの戻りは十分期待できる。欧州ではECB理事会、米国ではアマゾンなど主力株の決算が多数あり、これらが欧米株の反転材料になるかが注目される。  ただ、来週11月3日には、いよいよ米大統領選が実施される。東京市場は火曜が祝日で、休場明けに選挙結果を消化するスケジュール。海外でコロナの感染被害が拡大していることもあり、週またぎのリスクは通常以上に意識される。今月(10月)は金曜のパフォーマンスが1勝3敗と良くなく、欧米株に反発が見られない場合には、ハシゴを外されたような下げとなる可能性もある。下に振れた場合、きょうの安値23170円や75日線(23111円、29日時点)を割り込まずに週を終えることができるかが焦点となる。
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