明日の戦略-2勝3敗でも週間では上昇、三連休明けも堅調相場が継続か

2020/11/20(金) 17:07
 20日の日経平均は3日続落。終値は106円安の25527円。米国株はプラスで終えたものの、これを好感できず、寄り付きから3桁の下落。戻しても25500円を超えたところでは売り直されるなど、前場は上値の重い時間帯が続いた。しかし、後場に入って200円を超える下げとなったところでは押し目買いが入り、その後はじわじわと下げ幅を縮小。25500円台に乗せて取引を終えた。TOPIXは終盤の買いでプラス圏に浮上した。  東証1部の売買代金は概算で2兆2100億円。業種別では、鉄鋼やゴム製品、金属製品などが上昇している一方、保険や空運、パルプ・紙などが下落している。保有ビル売却に伴い、特別利益を計上する見込みとなったユニデンホールディングスが後場急伸。半面、BASEは買いが先行したものの、1万円の大台に乗せたところで売りに押されると急失速し、9%を超える下落となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1296/値下がり788。米国でナスダックが強かったことから、ソフトバンクGが大幅上昇。SUMCOやレーザーテック、太陽誘電など、ハイテク株の一角にも非常に強い動きが見られた。日立が保有株を売却すると報じられた日立金属が10%近い上昇。そーせいGがリリースを材料に急伸した。上方修正を発表したキユーピーや、伊藤忠との提携を発表したブレインパッドが大幅高。川本産業やPSSなどコロナ対応で需要増が見込まれる銘柄に資金が向かい、手掛ける機能素材に抗ウイルス効果があったことを発表したシキボウが値を飛ばした。  一方、ファーストリテイリングが大幅下落。米テスラが家庭用エアコン事業に参入に意欲を示すとの報道を受けて、ダイキンが警戒売りに押された。コロナ感染拡大懸念から、JAL、ANAやJR東海、京成など運輸株が軟調。売り出しを発表した藤久が急落した。上場2日目で高い初値をつけたアララはその後も買いを集め、終値は初値を大きく上回った。  日経平均は下落したが、きょうの高値圏で終え、ローソク足では陽線を形成した。後場に出てくるコロナ関連のニュースには振らされやすくなっているが、売られっぱなしで終えることは少なく、ある程度は耐性がついている。仮にこの先、経済活動に制限などが加わるようになったとしても、その際には巣ごもり関連銘柄が見直されやすくなる。また、深刻な状況となった場合には、政府や日銀などから何らかの対応が出てくる可能性が高い。特に政府は菅新体制になったばかり。安倍政権では「アベノマスク」が揶揄されるなど、コロナ対応のお粗末さがクローズアップされただけに、同じ失敗はしたくないだろう。被害が拡大しないことを願うばかりではあるが、マーケットにおいては、そのことが必ずしも株安を招くわけではないということは、心に留めておきたいところだ。 【来週の見通し】  堅調か。日経平均の今週後半の下落に関しては、三連休を前に急ピッチの上昇に対する利益確定売りが出たものと思われる。その分、連休明けは反動による買いが期待できる。米国は26日が感謝祭で休場となり、その先はブラックフライデーで小売店などが大規模なセールを実施する。コロナ禍での盛り上がりがどうかという点はあるものの、アマゾンなどネット販売は活況が見込まれる。コロナ関連のニュースには一喜一憂となるだろうが、翌週以降には米国の年末商戦に関連するニュースが多く出てくると予想される中、楽観ムードの強い地合いが維持されるだろう。 【今週を振り返る】  堅調となった。前週末の米国市場では、S&P500が史上最高値を更新。これを受けて先高期待が一段と高まり、週明け16日の日経平均は、500円を超える上昇となった。さらに、ワクチンに関する好ニュースを受けてダウ平均も史上最高値を更新したことから、17日には節目の26000円に到達した。その後は翌週に三連休を控える中、国内外で新型コロナウイルスの感染被害が拡大したことから、売りが優勢となった。ただ、巣ごもり関連銘柄などには買いも入ったことから、下げの度合いは緩慢となった。日経平均は週間では2勝3敗と下落日の方が多かったものの、週間では約141円の上昇。週初の発射台が高かったことから、週足では3週ぶりに陰線を形成した。 【来週の予定】  国内では、10月都区部消費者物価指数(11/27)などがある。  海外では、G20サミット開催(~11/22、オンライン)(11/21)、独11月Ifo景況感指数、米9月FHFA住宅価格指数、米9月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、米11月消費者信頼感指数(11/24)、米7-9月期GDP改定値、米10月耐久財受注、米10月個人消費支出・個人所得、米10月新築住宅販売、FOMC議事録(11/4~11/5開催分)(11/25)、米ブラックフライデー(11/27)などがある。  米企業決算では、ベストバイ、ダラー・ツリー、ギャップ、ヒューレット・パッカード(11/24)などが発表を予定している。  なお、11/26の米国市場は感謝祭のため休場となる。
日本株の最新ニュース
マーケットデータ
日経平均 37,565.05 -63.43
TOPIX 2,654.62 -8.91
グロース250 636.91 -3.21
NYダウ 38,085.80 -375.12
ナスダック総合 15,611.76 -100.99
ドル/円 155.59 -0.05
プレミアム銘柄の最新情報
ページTOPへ