明日の戦略-FRBのタカ派姿勢を嫌気して大幅安、日銀会合は無風通過か

2021/06/17(木) 16:51
 17日の日経平均は大幅続落。終値は272円安の29018円。6月FOMCはタカ派色の強い内容となり、米10年債利回りは上昇し、米国株は下落した。これを受けて下げて始まると、開始早々に下げ幅を300円超に広げて29000円を割り込んだ。米株先物の下落を横目で見ながら前引け間際には売りが加速し、下げ幅を400円超に拡大。ただ、昼休みを挟んだことで過度な警戒が和らいだか、後場は下げ渋ってじわじわと値を戻した。大幅安とはなったものの、大引け間際に後場の高値をつけ、終値では29000円を上回った。米金利上昇がグロース株にネガティブとの見方から、マザーズ指数が大きめの下落となった。  東証1部の売買代金は概算で2兆2700億円。業種別では鉱業や保険、銀行などが上昇している一方、サービスや精密機器、医薬品などが下落した。レーザーテックが売り先行からプラス圏に浮上して、後場に入ると上げ幅を拡大。2%を超える上昇となった。半面、ソフトバンクGは1月につけた7842円を下回る場面があり、年初来安値を更新した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり673/値下がり1409。米長期金利の上昇を手掛かりに、三菱UFJや三井住友など銀行株が上昇。T&Dや第一生命など保険株にも買いが入った。任天堂やエーザイ、ZHDなどが上昇。前期の見通しを引き上げた毎日コムネットや、増配を発表した平山HDが買いを集めた。ゲームアプリ制作に関するリリースが好感されたenishが急伸。タムラ製作所が連日のストップ高比例配分と買いが殺到した。  一方、ソニーGやTDK、アドバンテストなどハイテク株の多くが軟調。エムスリー、メドレー、メドピアが連日の大幅安となった。証券会社が投資判断を引き下げたコマツが急落。BASEや弁護士ドットコム、HENNGEなど、マザーズの主力の一角が厳しい下げとなった。コーセルは前期の営業利益見通しを引き上げたものの、最終利益見通しの引き下げが嫌気されて大きく売られる展開となった。  日経平均は大幅安。下落率は0.93%安と、前日の米3指数の中で最も弱かったダウ平均の0.77%安を上回った。円安進行が日本株のサポートになるかと思われたが、金利上昇がアゲインストとなる銘柄の多くが改めて売られており、こちらのネガティブな影響の方が大きかった。今回のFOMCの内容は意外感を持って受け止められているため、今晩の米国株の動向が重要となる。国内はあすは日銀会合の結果発表があり、引け後には黒田総裁の会見が予定されている。こちらは無風通過となりそうだが、その分サプライズも乏しいとみられているため、米国株の引け味が悪いと投資家のリスク回避姿勢が強まりやすい。終値(29018円)では5日線(29172円、17日時点、以下同じ)や75日線(29105円)を下回った。週足では、今週は13週線(29087円)の上抜けが期待されたが、微妙な状況となっている。下には26週線(28878円)が控えており、これをサポートとしながら、上述の水準を上回って週を終えることができるかに注目したい。
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