明日の戦略-終日堅調で底割れは回避、借金状態でも月末安の傾向は続くのか

2021/07/29(木) 16:22
 29日の日経平均は反発。終値は200円高の27782円。米国株はまちまちとなったが、FOMCを波乱なく通過したことを好感して、寄り付きから3桁の上昇。ただ、高く始まった後は方向感に欠ける展開となった。上を試した後に失速して前場は安値圏で終えたが、後場は前引けから水準を切り上げた後は、高値圏でのもみ合いが続いた。ソフトバンクGが4.1%高と強い動きとなり、指数の上昇に大きく貢献した。  東証1部の売買代金は概算で2兆5700億円。業種別では精密機器や海運、電気機器などが上昇した一方、陸運や空運、食料品などが下落した。「プレイステーション5」の全世界累計実売台数1000万台達成が好感されたソニーGが大幅上昇。半面、今期も営業赤字が継続する見通しとなったエイチ・ツー・オー リテイリングが急落した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1287/値下がり821。今期最終赤字を回避できる見込みとなった日産自動車が、商いを集めて連日の大幅上昇。アドバンテストやSCREENが決算を材料に急伸しており、安値圏で推移していたルネサスが本日引け後の決算発表を前に買いを集めた。前日大幅安の楽天Gが3%を超える上昇。1Qが大幅増益となったFDKが急騰し、株主優待の導入を発表した京極運輸がストップ高比例配分となった。  一方、エムスリーとTDKは1Q大幅増益が好感されず、ともに3%を超える下落。サイバーエージェントは今期の利益が従来計画を大きく上振れる見通しとなったものの、売り気配スタートから7%超の下落となった。前日大幅高のシマノが一転大幅安。全国でコロナの新規感染者数が高水準となる中、JR東海や西武HDなど鉄道株の多くが売りに押された。前日ストップ安比例配分のマクアケは、売りが止まらず5%近い下落。1Qが減益となったサカイ引越センターが、後場に入って大きく値を崩した。  本日マザーズに新規上場したデリバリーコンサルティングは、高い初値をつけた後に大きく上昇する場面があったものの、買いが続かず終値は初値を大きく下回った。  日経平均は5日線(27743円、29日時点)近辺での小動きが続いたが、終値(27782円)ではこれを上回った。きのう27400円台まで下げただけに、もう一段売られるようだと底割れが懸念されたが、しっかり踏みとどまった格好。FOMCの結果を受けた28日の米国株は、3指数の方向性がそろわなかった。サプライズがなかったということではあるが、これで消化しきったのか、それとも本日改めて大きな動きが出てくるのかは注目される。本日米国では、4-6月期のGDP速報値が発表される。東京市場は月の最終日が下げの特異日。とは言え6月(30日)は21円安と小幅な下落で、この傾向を過度に警戒しても仕方がない。2月などは1日で4桁の下落となったが、それでも月間では大幅高となるなど相当な貯金があった。7月はきょうの時点で月間では約1009円の下落と借金状態。これを返すのは相当厳しいが、来月以降のためにはプラスで終えたいところだ。傾向に逆らえず下落した場合、7月20日の安値27330.15円を割り込んでしまうと、下げトレンド継続が濃厚となるため注意したい。
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