明日の戦略-月末大幅安で週間でも下落、来週はトヨタやソニーなど注目決算が目白押し

2021/07/30(金) 17:11
 30日の日経平均は大幅反落。終値は498円安の27283円。米国株は3指数そろって上昇したが、引け後に決算を発表したアマゾンが時間外で大幅安となったことに加え、国内では緊急事態宣言の適用範囲が拡大される見通しとなったことから、下落スタート。安く始まった後も下値模索が続いた。前場のうちに節目の27500円や直近安値を下回り、27200円台に突入。前引けにかけてはいったん値を戻したが、後場に入ると売り直された。米株先物が弱く、アジア市場も軟調と反転の手掛かりに乏しい中、下げ幅を500円超に広げる場面もあり、ほぼ安値圏で取引を終えた。  東証1部の売買代金は概算で2兆8400億円。業種別では上昇は海運とゴム製品の2業種のみで、鉱業が小幅な下げにとどまった。一方、医薬品やその他製品、情報・通信の下げが大きかった。昼休みに通期の見通しを上方修正し、配当見通しも大幅に引き上げた商船三井が、後場に入って12%を超える上昇。同業の日本郵船と川崎汽船も急騰した。半面、1Qが大幅減益となった清水建設が後場に入って8%を超える下落となり、同業の鹿島や大成建設、大林組にも売りが波及した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり275/値下がり1875。決算が好感されたキーエンスやデンソーが大幅高。ZOZOが8%を超える上昇と値を飛ばした。上方修正と増配を発表した神鋼商事はストップ高。1Qが大幅増益となったトーメンデバイスは、場中は値が付かずストップ高比例配分となった。国内のコロナ感染が拡大するとの見方が強まる中、ウエルシアやワークマン、ライフコーポレーションなど、昨年巣ごもりの恩恵があった小売の一角に資金が向かった。  一方、ファナックが上方修正が好感されず6%を超える下落。富士通は1Q大幅増益でも9%近い下落と、良好な決算が確認できても厳しい下げとなるものが散見された。さえない決算のものもたたき売られており、1Q大幅減益のアンリツや大日本製薬が急落した。三越伊勢丹やパナソニック、東京電力HDなども決算を材料に大幅安。任天堂など決算を先に控えた銘柄にも警戒売りが広がった。ほか、今期が最終赤字に転落する見込みとなった千代田化工建設が値幅を伴った下落となった。  本日2部市場に新規上場したAIメカテックは、公開価格を若干上回る初値をつけたが、終値は初値を大きく下回った。  日経平均は大幅安。きょうの下げで週間でもマイナスとなり、直近安値も下回った。国内外でいろいろと弱材料があり、どれが決定的な要因かというのはいまいちはっきりしないが、下げの特異日で買いが入りづらい中、売りは仕掛けやすかったと言える。ただ、先週は3営業日しかなかったにもかかわらず500円近く下げていたことを鑑みると、今週プラスで終えられなかったのは厳しい。個別で見ても、1Qが前年同期比大幅増益でも売られる銘柄が結構多かった。好決算が買い材料とならないのであれば、決算発表集中期に日本株が水準を切り上げる展開は期待しづらい。来週はトヨタやソニーGなど、主力ど真ん中銘柄の決算が出てくるだけに、これらの決算を受けた反応が大きく注目される。 【来週の見通し】  もみ合いか。8月相場に突入するが、米国では週末に7月雇用統計の発表が控えている。今週、FOMCでFRBの利上げを急がない姿勢を再確認したばかりではあるが、それでも雇用指標の改善度合いは市場の大きな注目点であるため、指標発表を前にしては身構える地合いとなるだろう。中国株の動向や国内のコロナ感染動向に神経質となる状況にも大きな変化はないと思われる。ただ、決算発表が相次ぎ、トヨタ、ソニーG、任天堂など注目度の高い銘柄の決算も出てくることから、悲観一辺倒にもなりづらい。今週は決算に対する株価反応が案外となったが、仮に下に振れたとしてもトレードチャンスにはなるため、商いの活況が全体を一定程度下支えする展開は期待できる。指数は上値を追いづらい一方で、ここからの下値も限定的と考える。 【今週を振り返る】  軟調となった。東京市場が大型連休の間、ダウ平均が終値で初の35000ドル台に到達するなど米国株は強い動きを見せた。日経平均は連休前が弱かった反動もあり、26日、27日は連日で3桁の上昇。ただ、高くなったところでは節目の28000円が壁となった。そのような中、東京では新型コロナウイルスの新規感染者数が急増。28日はこれを警戒して大幅安となった。米国株が7月FOMCを無難に消化したことを好感して29日は上昇したものの、30日は弱材料が多く500円近い下落。直近安値を下回り、27200円台まで下落した。日経平均は週間では約264円の下落となり、週足では5週連続で陰線を形成した。 【来週の予定】  国内では、7月新車販売台数(8/2)、7月都区部消費者物価指数(8/3)、6月家計調査、6月毎月勤労統計調査、6月景気動向指数(8/6)などがある。  企業決算では、三菱UFJ、塩野義、大塚商、AGC、三菱重、JSR、日本ハム、西武HD、ハウス食G、あおぞら、ケーズHD、丸和運輸、ニチアス、プリマハム、太陽HD、日鉄物産、キッセイ薬、千代建、日軽金HD、ティーガイア、長谷川香、三菱ロジ、GMOFHD(8/2)、ダイキン、三菱商、ZHD、三井物、花王、クボタ、オリックス、協和キリン、日本製鉄、丸紅、SUBARU、JAL、住友化、CTC、王子HD、ユー・エス・エス、東ソー、ブラザー、カシオ、ニチレイ、双日、JR九州、山崎パン、タカラバイオ、ダイセル、宝HD、レンゴー、ウシオ電、NOK、宇部興、科研薬、東京精、群馬銀、ジョイ本田、フジミインコ、三洋化、船総研HD、イリソ電子、兼松、タカラスタン、キョーリンHD、リコーリース、三井海洋、日管財、SREHD、紀陽銀行、イエローハット(8/3)、トヨタ、ソニーG、ソフトバンク、伊藤忠、テルモ、エーザイ、ユニチャーム、住友商、三菱ケミHD、ミネベアミツミ、ヤマハ、東レ、いすゞ、郵船、リコー、イビデン、カカクコム、ライオン、コンコルディア、日油、ファンケル、空港ビル、日ユニシス、川崎船、ネットワン、日光電、富士急、五洋建、長瀬産、寿スピリッツ、日水、サンリオ、日清紡HD、三菱食品、オカムラ、JTOWER、タクマ、セーレン、日東紡、ダスキン、日立造、スカパーJ、日本ライフL、コロプラ、JCU(8/4)、任天堂、東エレク、資生堂、オリンパス、NTTデータ、スズキ、バンナムHD、キッコーマン、島津製、ダイフク、シャープ、ホトニクス、ヤマハ発、コナミHD、大成建、日清食HD、大日印、SUMCO、TIS、三井化学、太陽誘電、スクエニHD、大林組、アズビル、ペプチド、三浦工、大正薬HD、丸井G、THK、アルフレッサHD、ピジョン、住友ゴム、レノバ、ニコン、川重、エア・ウォーター、カルビー、JMDC、応化工、TBSHD、グリコ、フジHD、めぶきFG、ツムラ、神戸鋼、GSユアサ、不二製油、DMG森精、日触媒、ダイワボHD、コスモエネHD、サワイGHD、ニッパツ、BASE、Appier、ユーザベース、JAM、モダリス、UNITED(8/5)、NTT、東京海上、シスメックス、大塚HD、菱地所、レーザーテク、MS&AD、セコム、SOMPOHD、旭化成、住友鉱、出光興産、鹿島、関西ペ、東センチュリー、ホシザキ、博報堂DY、凸版印、参天薬、ハーモニック、リンナイ、千葉銀、三菱ガス、長谷工、コムシスHD、アマダ、名鉄、セガサミーHD、NIPPO、岩谷産、京急、京阪HD、ふくおか、全国保証、スズケン、帝人、デンカ、協エクシオ、大王紙、三菱マ、セブン銀行、シップHD、DeNA、ベネッセHD、カチタス、DOWA、戸田建、FUJI、クレセゾン、丸一管、デサント、JESHD、ナカニシ、伊藤米久、アリアケ、ミルボン、フジテック、アンジェス、バルミューダ、NexTone、アイペットHD、オンコリス、ロードスター(8/6)などが発表を予定している。  海外の経済指標の発表やイベントでは、中国7月製造業PMI(7/31)、中国7月財新製造業PMI、米7月ISM製造業景気指数(8/2)、米6月製造業受注(8/3)、米7月ADP全米雇用リポート、米7月ISM非製造業指数(8/4)、英国金融政策発表、米6月貿易収支(8/5)、米7月雇用統計、米6月消費者信用残高(8/6)などがある。  米企業決算では、ロウズ(8/2)、アムジェン、インサイトコープ(8/3)、ゼネラル・モーターズ、クラフト・ハインツ、ウェスタン・デジタル(8/4)、イルミナ、アメリカン・インターナショナル・グループ(8/5)などが発表を予定している。
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