明日の戦略-4日ぶり反落も底堅い動き、良い意味での米国離れ

2021/09/15(水) 16:01
 15日の日経平均は4日ぶり反落。終値は158円安の30511円。米国株安を受けて200円超下げて始まると、しばらく節目の30500円近辺での一進一退が続いた。その後、じわじわと下げ幅を広げる流れとなって300円超下落したが、11時以降に急速に値を戻し、前引けでは30500円を上回った。後場に入ると上にも下にも値幅が出なくなり、30500円近辺でこう着感が強まった。引けにかけても目立った動きはなく、終値では30500円を上回った。  東証1部の売買代金は概算で3兆1500億円。業種別では海運が突出した上昇となったが、ほかは下落。機械やその他製品の下げが限定的であった一方、不動産や証券・商品先物、金属製品などが大きく売られた。ファミリーマートが無人店舗を全国展開するとの日経新聞記事を手掛かりにストップ高が続いていたサインポストは、これとは別に無人決済システムがガソリンスタンドで稼働するとのリリースも出てきて、55.6%高と急騰。半面、プレミアアンチエイジングは決算が失望を誘って12.9%安と急落した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり329/値下がり1783。川崎汽船、日本郵船、商船三井の海運大手3社がそろって大幅上昇。レーザーテック、東京エレクトロン、日本電産など主力ハイテクの一角にも強い買いが入った。メドレーやメドピアなど医療系のグロース株が買われており、エムスリーが3%を超える上昇。前日決算を材料に急落した神戸物産に見直し買いが入った。1Qが大幅増益となったヤーマンがストップ高まで買い進まれた。  一方、ソフトバンクGが5.8%安と値幅を伴った下落。他の主力株では弱い中でも下げ渋ったものが多かっただけに、同社の弱さは際立った。村田製作所やSUMCO、リクルートが大きめの下落。TOBの対象先である新生銀行が買収防衛策を検討していると伝わったことからSBIHDが大幅安。新生銀行の方も大きく売られた。前日急騰した出前館が一転急落して8%超の下落。下方修正を発表したGAテクノロジーズやプロレドは、売りが殺到してストップ安比例配分となった。  米国株が注目の指標やアップルのイベントを消化して下落したことから、きょうはそれなりに下げが大きくなる展開も予想された。しかし、終わってみれば日経平均は158円安(30511円)と、常識的な下げにとどまった。ソフトバンクGが6%近い下落となり、業種別では33業種中32業種が下落。これだけ見れば300~500円くらいの下落になっても不思議はないところ。軟調相場で耐性を示したことから、あす以降も押し目があれば買いが入りやすい地合いが続くだろう。このところは米国株に弱い動きが見られることが多くなっている。ただ、翌週にはFOMC(9/21~22)が控えており、これを前にしては神経質となるのも仕方がない。FOMC前にあまりに楽観になりすぎると、FOMCが過熱感を冷やすイベントになりやすい。その点では、米国株はFOMC前に調整してくれた方が、その後の上昇に期待が持てる。足元の日本株は、米国株が不安定な動きを見せているタイミングで独自の強さを発揮できている。米国株に調整一巡感が出てきた際には、一段と水準を切り上げることになるだろう。
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