明日の戦略-高値更新週にしっかりプラスで終了、来週はFOMCに注目も動きづらい展開か

2021/09/17(金) 17:06
 17日の日経平均は3日ぶり反発。終値は176円高の30500円。米国株はまちまちとなったが、引け味が良かったことから上昇して始まった。序盤は上げ幅を縮めるなど不安定な動きとなったが、徐々に買いに勢いがついた。上げ幅を3桁に広げると、11時近辺には30500円台に到達。節目より上では伸び悩んだものの、現状水準での高値警戒感が相当和らぐ動きが見られたことから、以降の値動きは落ち着いた。後場は30500円近辺での小動きが続いたが、大引け間際にきょうの高値をつけ、きっちり30500円で取引を終えた。  東証1部の売買代金は概算で4兆3200億円。業種別では海運や空運、サービスなどが上昇した一方、鉄鋼や非鉄金属、不動産などが下落した。エムスリーが5%近い上昇と、動きの良さが目立った。半面、上場来高値更新基調が続いていたHOYAが利益確定売りに押されて2%を超える下落となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1423/値下がり645。海運大手3社がそろって大幅高。週間では日本郵船が4.8%高、商船三井は5.2%高となっており、商船三井に至っては23.1%高と目を見張る上昇となった。レーザーテック、信越化学、任天堂、ファナック、ベイカレントなど値がさ株に動きの良いものが散見された。本日は自民党総裁選告示日であったが、候補者の発言を材料にベビーカレンダーやポピンズHDなど子育て関連銘柄が動意づいた。上方修正を発表したクロスキャットがストップ高。新規事業進出が好感されてストップ高が続いていたBirdmanは、かなり荒い値動きとなったものの、33.3%高と大きく跳ねた。  一方、ユーロ円立てCBの発行が嫌われた日本製鉄が6%近い下落。JFEHDや神戸鋼など他の鉄鋼大手にも売りが広がった。東邦亜鉛や三井金属、住友鉱山など非鉄関連が総じて軟調。中国不動産開発企業の信用リスクが意識されたことから、TOTOやLIXILなど住宅設備関連が警戒売りに押された。JR西日本が商いを伴って下落。バイク王やゴルフダイジェストオンラインなど「密」回避で人気を集めたレジャー関連銘柄が値を崩した。  来週はFOMCが注目のイベントとなる。量的緩和の縮小(テーパリング)を年内に実施することはほぼ確実という状況。ただ、今月発表された米8月雇用統計の内容が案外であったこともあり、今回は見送られるとの見方が多い。そのため、9月に実施となった場合には、タカ派色が強いと受け止められて、米国株の初動反応は売りとなるかもしれない。しかし、今回実施を決定すれば、今年の残りのFOMCは無風通過が濃厚となる。下振れしたとしても一時的だろう。今回実施を見送れば、大方の予想通りでサプライズはなく、売り材料にはならない。10月はFOMCはなく、次回は11月2日~3日となる。しばらく米国株が金融政策に神経質にならなくても良い時間帯に突入するわけで、日本株に関しても上を試しやすい地合いが続くだろう。 【来週の見通し】  横ばいか。東京市場は20日(月)と23日(木)が休場。9月FOMC(21~22日)の結果は24日に消化するスケジュールとなる。21日と22日はFOMCを前に様子見姿勢が強まりやすく、24日の値動きが週の方向を決めるような展開となるだろう。ただ、FOMCに関しては、今回はテーパリングは見送られそうである上に、実施されたとしてもネガティブサプライズというほどではない。日経平均は今週、上昇ピッチは鈍った一方、大きくは崩れず週間でも上昇した。高値警戒感と先高期待が交錯するという状況に大きな変化はなく、水準感は大きく変わらないと予想する。売り急ぎは抑制されるとみており、調整はあっても値幅ではなく日柄になるとの見方が強まる週となりそう。なお、日銀金融政策決定会合が21日~22日に開催されるが、こちらは現状維持が濃厚な上に、FOMCの結果発表前のイベントであることから、日本株への影響は限定的と予想する。 【今週を振り返る】  堅調となった。週前半は前週までの非常に強い流れが続き、上を試しに行く展開。日経平均は14日には30700円台まで上昇し、取引時間中と終値の両方で年初来高値を更新した。いったんの到達感が出てきたことから、15日、16日は連日で下落したが、15日までは12営業日連続で陽線を形成するなど、場中の動きが強い状況が続いた。マザーズ指数が急落するなど調整色が強まりそうな場面もあったが、17日は三連休を前にしても先高期待の買いが入り、週間では上昇を達成。週末値で30500円台に乗せた。日経平均は週間では約118円の上昇となり、週足では4週連続で陽線を形成した。 【来週の予定】  国内では、日銀金融政策決定会合(~9/22)(9/21)、黒田日銀総裁会見(9/22)、8月全国消費者物価指数(9/24)などがある。  海外のFOMC(~9/22)、米8月住宅着工件数、米20年国債入札(9/21)、パウエルFRB議長会見、米8月中古住宅販売(9/22)、英国金融政策発表(9/23)、独9月Ifo景況感指数、米8月新築住宅販売(9/24)などがある。  米企業決算では、レナー(9/20)、フェデックス、アドビ(9/21)、ゼネラル・ミルズ(9/22)、ナイキ、コストコ、アクセンチュア(9/23)などが発表を予定している。
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