明日の戦略-後場に萎んで週間でも下落、来週は日米で注目決算が目白押し

2021/10/22(金) 16:55
 22日の日経平均は反発。終値は96円高の28804円。ダウ平均の下落や円安一服を受けて、寄り付きから3桁の下落。しかし、早い時間に28500円台でボトムを打ってプラス圏に浮上した。その後、中国恒大集団の利払い実施報道などを手がかりに上げ幅を200円超に広げたが、節目の29000円を前にしては上値が抑えられた。後場のスタート直後に改めて上を試しに行ったが、ここでも29000円を前に押し戻されると、以降は上げ幅を縮小。プラス圏は維持したが、後場の安値圏で取引を終えた。マザーズ指数はプラス圏とマイナス圏を行き来したが、引けにかけて売りに押されて下落で終えた。  東証1部の売買代金は概算で2兆4300億円。業種別では精密機器や機械、電気機器などが上昇した一方、非鉄金属や鉱業、鉄鋼などが下落した。上方修正を発表したモリ工業が後場急騰。半面、今週動意づいた東邦亜鉛や大紀アルミニウムなど非鉄株が手じまい売りに押されて急落した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり933/値下がり1122。前日に大幅安となったレーザーテックや東京エレクトロンが大幅上昇。ディスコは決算も好感されて3%近く上昇した。証券会社が投資判断を引き上げたコマツが強く買われ、日立建機やSMCなど機械関連にも好影響が波及した。上方修正を発表した新日本科学が急騰。セブン工業は上期の営業利益見込みが従来計画比でほぼ倍増となったことが好感されてストップ高となった。  一方、原油価格の上昇一服を受けてINPEXが下落。ファストリ、キーエンス、任天堂など超値がさ株が軟調となった。来週に売り出し価格の発表を控える日本郵政が、商いを伴って強めの下落。米スナップ社の時間外の株価急落がデジタル広告関連への警戒を高めたことから、ZHDやサイバーエージェントが警戒売りに押された。KOAは上期大幅営業増益着地も計画下振れが嫌気され、8%を超える下落。新株予約権の発行を発表したリミックスポイントが22.6%安と急落した。  日経平均は不安定ながらも上昇。ただ、きのうの大幅安に対する警戒が残ったか、買いが入っても29000円は超えられず、後場に入ると失速した。場中には中国恒大集団に関するポジティブな材料が出てきたが、これを受けても上げきれなかったため、日本独自のリスクというのが改めて意識されやすくなったと言える。そのリスクの一つは政治であると思われるだけに、日曜24日の静岡・山口参議院補欠選挙には要注目だ。衆議院選挙の1週間前に行われる選挙のため、結果は無党派層の衆議院選挙の投票行動にも少なからず影響を及ぼす可能性がある。どのみち衆議院選挙を通過しさえすれば、これに関する不安は払しょくされる可能性が高いが、政権与党の苦戦が予想される場合には、直近の横浜市長選の時のように、イベントに向けて仕掛け的な売りが出る可能性はあり注意したい。 【来週の見通し】  一進一退か。日本と米国で決算発表が本格化する。米国ではフェイスブック、アルファベット、マイクロソフト、アップルなど注目企業の決算が目白押し。国内も日本電産、ソニー、ファナック、信越化学など主力どころの決算が出てくる。材料として消化するのは翌週となるが、29日にはレーザーテックの決算も予定されている。決算以外にも材料が多く、27~28日には日銀金融政策決定会合が開催される。また、日本郵政の売り出し価格も決定する。31日に衆議院選挙が控えていることも相場のかく乱材料となる。米国では経済指標の発表も多い。足元では米長期金利の動きがやや大きくなっていることもあり、色々と慌ただしい週となるだろう。ただその分、ある程度ボラティリティの高い状況は許容され、上げても浮かれず、下げてもおびえずといった状況が続くと予想する。1Q決算の状況から、上期決算ではポジティブな内容が多く確認できそうな点は、相場の下支え要因となるだろう。 【今週を振り返る】  軟調となった。米国で長期金利が再び上昇基調を強めてきたことから、戻り基調にあった日経平均の上値は重くなった。19、20日は連日で上昇したが、節目の29500円に接近したところでは失速した。21日には特段の悪材料が観測されない中で、後場に崩れて500円を超える下落。節目の29000円を割り込んだ。米国株は金利上昇を受けても株高傾向が続いたことに加え、中国恒大集団に関する安心材料が出てきたことから22日は上昇したが、週間では下落。特にハイテク株を中心に、グロース株の値動きが不安定となった。日経平均は週間では約263円の下落となり、週足では陰線を形成した。 【来週の予定】  国内では、静岡・山口参議院補欠選挙(10/24)、日銀金融政策決定会合(~10/28)(10/27)、黒田日銀総裁会見、日銀が経済・物価情勢の展望を公表、9月商業動態統計(10/28)、10月都区部消費者物価指数、9月失業率、9月有効求人倍率、9月鉱工業生産、9月住宅着工統計(10/29)などがある。  企業決算では、コーエーテクモ、東映アニメ、キヤノンMJ、コクヨ、ナガワ、トランコム、キヤノン電、不二家、ピーシーエー、高純度化(10/25)、日電産、キヤノン、シマノ、オービック、日東電、日立金、日立建、新電工、スタンレ電、OBC、富通ゼネ、コメリ、弁護士コム、積水樹、信越ポリ、日本エスコン、四国化、マクアケ、カワチ薬品、未来工業、FDK、タツタ線、ジェコス、日車輌、田中化研、イーブック、アサックス、SMK、サイバトラスト(10/26)、信越化、エムスリー、ファナック、富士通、JR東海、NRI、JPX、大和証G、サイバエージ、住友化、大ガス、ヒューリック、大日住薬、東電力HD、スクリン、日立物、特殊陶、アイカ工、松井証、アサヒHD、Vコマース、航空電、インフォコム、フューチャー、MARUWA、横河ブHD、メタウォーター、エクセディ、栄研化、ゲンキードラ、太平洋、SBテクノロジ、アイチコーポ、ユアテック、バルカー、エステー、トーモク、北電事、日精線、養命酒、杉本商(10/27)、キーエンス、ソニーG、OLC、HOYA、武田、パナソニック、三菱電、JR東日本、コマツ、オムロン、アドバンテ、マキタ、ミスミG、ZOZO、小糸製、関西電、ローム、中部電、大東建、東ガス、積水化、カプコン、小林製薬、富士電機、SBI、日野自、日清粉G、野村不HD、ファンケル、山崎パン、東北電、きんでん、JCRファーマ、PALTAC、アンリツ、ISID、九電工、アルプスアル、システナ、大特鋼、アマノ、NSD、メイテック、日ガス、マネックスG、トクヤマ、東海理化、ノジマ、DTS、北陸電、TOKAIHD、北海電、明電舎、シンプレクスH、Jストリーム(10/28)、KDDI、デンソー、村田製、第一三共、JT、アステラス薬、豊田織機、レーザーテク、SGHD、野村HD、豊通商、NEC、ANA、MonotaRO、アイシン、日本M&A、メルカリ、三菱重、TOTO、LIXIL、小田急、エプソン、阪急阪神、コーセー、商船三井、イビデン、SCSK、京成、栗田工、東武、ガイシ、東洋水産、メディパル、ALSOK、ナブテスコ、邦ガス、KADOKAWA、住友林、九州電、中国電、テクノプロHD、トヨタ紡織、ニフコ、カルビー、ゼオン、住友重、SMS、ジェイテクト、山九、エフピコ、NSSOL、三和HD、アズワン、NESIC、セリア、Jパワー、豊田合、オリコ、三菱倉、洋缶HD、日電硝、カゴメ(10/29)などがある。  海外の経済指標の発表やイベントでは、独10月Ifo景況感指数(10/25)、米8月FHFA住宅価格指数、米8月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、米10月消費者信頼感指数、米9月新築住宅販売(10/26)、米9月耐久財受注(10/27)、ECB定例理事会(ラガルド総裁会見)、米7-9月期GDP速報値、米9月NAR仮契約住宅販売指数(10/28)、ユーロ圏7-9月期GDP、米9月個人消費支出・個人所得(10/29)がある。  米企業決算では、フェイスブック(10/25)、アルファベット、マイクロソフト、ツイッター、ビザ、スリーエム、ロッキード・マーチン、ゼネラル・エレクトリック、ジュニパー・ネットワークス、テキサス・インスツルメンツ、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ(10/26)、ボーイング、ゼネラルモーターズ、コカコーラ、イーベイ、マクドナルド、フォード・モーター、ザイリンクス、クラフト・ハインツ(10/27)、アップル、キャタピラー、メルク、マスターカード(10/28)、エクソン・モービル、シェブロン(10/29)などが発表を予定している。
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