明日の戦略-後場に失速して26000円割れ、米国株の反転待ちの状況が続く

2022/05/12(木) 16:47
 12日の日経平均は大幅反落。終値は464円安の25748円。4月CPIを消化して米主要3指数はそろって年初来安値を更新。これを受けて寄り付きから26000円を割り込み、早い時間に下げ幅を500円超に広げた。25600円台に突入したところでいったん切り返し、26000円近辺まで戻した。しかし、節目より上の重さが意識され、後場に入ると改めて売り直された。前場の安値に接近したところでは売り圧力が和らいだものの、400円を超える下落となり、後場の安値圏で取引を終了。米国ではナスダックの下げが大きかったことから、新興グロース株が嫌われた。グロースコア指数が8%近い下落。マザーズ指数が安値引けで6%を超える下落となり、取引時間中と終値の両方で年初来安値を更新した。  東証プライムの売買代金は概算で3兆2600億円。業種別ではゴム製品、保険、石油・石炭などが上昇した一方、情報・通信、サービス、水産・農林などが下落した。今期の大幅増益計画が好感されたSUBARUが後場急騰。半面、今期の2桁営業減益計画が嫌気された日本水産が後場に入って急落した。  東証プライムの騰落銘柄数は値上がり330/値下がり1477。地合いが悪い中でも好決算銘柄には強い買いが入っており、神戸鋼やオリンパスが急騰した。OATアグリオ、アシックス、電源開発、日立造船なども決算を材料に強い上昇。前期の営業利益が前の期比で6.5倍となったヨネックスがストップ高となった。オルガノは安心感のある決算に加えて、1:4の株式分割が好感された。ほか、原油高を受けて富士石油や出光興産など石油卸株に買いが入った。  一方、レーザーテック、メルカリ、エムスリーなどグロース系の銘柄が大幅安。通信のソフトバンクが決算失望で売り込まれ、投資会社のソフトバンクGは決算発表を前にリスク回避の売りに押された。ファーストリテイリングが4%を超える下落。花王、NTTデータ、日本新薬などが決算を受けて急落した。上期大幅減益のMTGがストップ安。事業再生ADRの手続利用の検討を行っているとの観測が報じられた日医工は、場中値付かずのストップ安比例配分となった。  日経平均は大幅安。前場では弱い中でもアグレッシブな動きが見られたが、後場は買い手不在の様相が強まった。ここにきてグロース株が強烈に売り込まれており、今晩の米国株が下げ止まらない場合には、あすは追証回避の売りなどを巻き込み、下方向に勢いがつく可能性がある。ただ、昨晩の米国市場では、強いCPIを受けても債券市場の反応は落ち着いていた。本日米国では4月の生産者物価指数(PPI)の発表があるが、これが米国の長期金利を大きく上昇させる材料にならなければ、米国株に対する売り圧力は和らいでくると思われる。ダウ平均は直近5営業日で2200ドル近く下落しており、いつ自律反発の買いが入っても不思議ではない。気味の悪い局面ではあるが、あす、大きく下に振れるようなら打診買いに妙味がある。
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