明日の戦略-米株急落は冷静に消化、目先は方向感が出づらいか

2022/05/19(木) 16:44
 19日の日経平均は5日ぶり大幅反落。終値は508円安の26402円。ダウ平均の4桁下落を受けて、寄り付きから400円を超える下落。開始早々に下げ幅を700円超に広げた。ただ、26100円台に突入したところで売りは一巡。早い時間に安値をつけた後は下げ渋った。前場では600円程度下げた26300円近辺でもみ合う時間帯が長かった。後場は前引けから100円近く上で始まると、500円程度下げた26400円近辺での一進一退が続いた。  東証プライムの売買代金は概算で3兆0100億円。業種別では全面安であったところから、後場に入って電気・ガスと鉄鋼の2業種がプラス圏に浮上。倉庫・運輸が小幅な下げにとどまった。一方、海運、保険、サービスなどが大きめの下げとなった。IHIや三菱重工など重厚長大型の銘柄が逆行高。半面、前日にストップ高となったイントランスが、3桁台回復後に急落して10%を超える下落と荒い値動きとなった。  東証プライムの騰落銘柄数は値上がり468/値下がり1313。足元で強い動きが続いている三井松島が4%近い上昇。オープンハウス、ケイアイスター、タマホームなど戸建住宅関連に堅調な動きが見られた。証券会社が目標株価を引き上げたイオンファンタジーが大幅高。任天堂創業家の資産運用会社によるTOB提案を材料に東洋建設が買いを集めた。  大半の銘柄が下落したが、値幅が出て場中の動きも弱かったのが、日本郵船や川崎汽船など海運株。米国で小売株が急落したことから、セブン&アイやファーストリテイリングなど小売大手が大幅安となった。リクルートが4%を超える下落。メルカリ、BASE、HENNGEなど新興グロース株の一角に大きく売られるものが散見された。米国の長期金利低下と株安を受けて、東京海上や第一生命など保険株が軟調。シスメックスやレノバなどが大きく値を崩した。  日経平均は大幅安とはなったが、パニック的な下げとはならず、米国株の急落を冷静に消化した。18日の米国株の下げは小売企業の株価急落が引き金を引いた形になったが、この先、景気減速が強く意識された場合には、FRBが金融引き締めのペースを落とす可能性が浮上してくる。そういった思惑が浮上するだけでも買い戻しを誘う材料にはなり得るだけに、現状水準から売り込むのもリスクがある。18日の米国市場では、ベスト・バイ(24日、以下いずれも予定)、コストコ、ダラー・ツリー、ダラー・ゼネラル(26日)といった、来週に決算を控えている銘柄の下げが大きかった。目先はこれらの業績や株価動向に大きく振らされることになりそうだ。業績に関しては期待よりも不安の方が大きいが、先んじて売られている分、決算反応が良ければ過度な警戒は後退する。日本株はこれらの中身を一通り確認するまでは方向感が定まらないだろう。
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