明日の戦略-半導体株が弱く3日続落、週間プラスへの期待は残る

2022/05/26(木) 16:17
 26日の日経平均は3日続落。終値は72円安の26604円。米国株は5月のFOMC議事録を消化して上昇。一方、引け後に決算を発表した半導体大手のエヌビディアは時間外で大きく下落した。これらを受けて小幅高で寄り付くと、序盤は米国株高を素直に好感する流れとなり、上げ幅を200円超に広げた。しかし、東京エレクトロンやアドバンテストなど半導体株がエヌビディアの反応を嫌気して場中も弱い動きとなったことから、全体も伸び悩み、急速に上げ幅を縮めた。下げに転じたところでいったん切り返し、前場はプラスで終えたものの、後場はプラス圏とマイナス圏を行き来しながらも終盤にはマイナス圏が定着。大引け間際にきょうの安値をつけた。TOPIXは萎みはしたものの、下げに転じることはなく、小幅なプラスで取引を終えた。  東証プライムの売買代金は概算で2兆7100億円。業種別では空運、陸運、輸送用機器などが上昇した一方、非鉄金属、電気機器、精密機器などが下落している。証券会社が投資判断を引き上げたFPGがストップ高。半面、半導体株が嫌われる中、アドバンテストが3%を超える下落で安値引けとなった。  東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1036/値下がり718。訪日観光客の受け入れ期待が高まったことでインバウンド関連に資金が向かい、JAL、ANA、HIS、エアトリなどが大幅上昇。翻訳機を扱うソースネクストや、旅行者向けなどにWi-Fiルーターレンタル事業を展開するビジョンが急伸した。月次が好感された神戸物産が4%を超える上昇。三井不動産や住友不動産など不動産株に連日で強い動きが見られた。  一方、レーザーテック、東京エレクトロン、信越化学など半導体株が軒並み安。品質不適切行為に関する調査結果を公表した三菱電機が4%超下落した。東邦亜鉛、 DOWA、三井金属など、非鉄株の多くが下落。エヌビディアの時間外の下落が今晩のナスダック安を想起させたことから、エムスリー、フリー、Sansanなど、グロース系の銘柄の一角が弱かった。インバウンド関連は賑わったが、直近で騰勢を強めていたラオックスは利食い売りに押されて大幅安。医療ICTベンチャーの子会社化がネガティブと捉えられたDeNAが8%を超える下落となった。  日経平均は3日続落。エヌビディアの時間外の下落という悪材料があった割には開始直後の動きがやけに強かったが、その分、失速感が出てしまい、早い時間に買い手が委縮した。下落は残念だが、今晩の米国株が弱そうということを早めに織り込んだことにはなる。きょうの終値が26604円、先週の週末値が26739円(5/20)で、現時点では週間でマイナス。25日線(26687円、20日時点)を割り込んでおり、これらを意識して26700円辺りまでは戻しておきたいところ。5月のFOMC議事要旨が米長期金利の急上昇を招かなかったことは、株式以外(債券、為替など)の波乱の可能性が低下したという点で悪くはない話。あとは週間での続落が続く米国株に下げ止まり感が出てくるかが焦点となる。25日時点での週間騰落は、ダウ平均が2.8%高、S&P500が2.0%高、ナスダックが0.7%高。きょう派手に下げなければ、週間プラスも見えてくる。今晩の米国株が エヌビディアの決算などを無難に消化し、日経平均も週間ではプラスを達成する展開に期待したい。
日本株の最新ニュース
マーケットデータ
日経平均 37,934.76 +306.28
TOPIX 2,686.48 +22.95
グロース250 644.61 +4.49
NYダウ 38,239.66 +153.86
ナスダック総合 15,927.90 +316.14
ドル/円 156.56 +0.92
プレミアム銘柄の最新情報
ページTOPへ