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政策転換を市場は好感、日経平均は4万円に乗せTOPIXは高値を更新
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1250/値下がり366。レーザーテックが3%を超える上昇。日銀会合の結果が出てきた後にドル円は150円台に乗せたことから、トヨタ、三菱自、マツダなど自動車株に買いが入った。香港投資ファンドの買い増しが判明した熊谷組が大幅上昇。通期の純利益見通し引き上げや復配を発表した西菱電機が後場に値を飛ばしてストップ高となった。
一方、前日に急落した東電HDは売りが止まらず2%を超える下落。川崎汽船など海運株が後場に入って値を崩した。ファストリ、アドバンテスト、三井E&Sなどが軟調。月次を材料に神戸物産が大幅安となった。通期で最終赤字に転落する見込みとなったマイクロ波化学は、売りが殺到してストップ安比例配分となった。
日経平均は続伸。日銀は大きな政策の転換を決定したが、事前の織り込みが十分進んでいたことから、マーケットは無難に結果を消化した。きのう4桁高となったことを踏まえると、きょうはプラスで終えたこと自体が強いが、引けにかけてはきっちり節目の4万円を超えてきた。日経平均よりも動きが良かったTOPIXは昨年来高値を更新している。
日銀が大規模緩和政策を止めることは2024年の日本株を見る上で大きなリスクになるかと思われたが、少なくとも決定自体はポジティブに受け止められた。事前のメディア観測をノイズとして遮断した場合、1月会合のメッセージから今回の決定はやや唐突にも映る。それでも、マイナス金利解除だけでなく、YCC撤廃やETFの買い入れ終了など、どこかでは実施した方が良いとみられていたことを一気に片づけた。今の日銀はメディアの扱いにも長けており、海外投資家の日本に対する評価がもう一段上がりそうな印象がある。
東京市場はあすは休場で、木曜21日はFOMCの結果を消化する。FOMCに関しては政策金利の据え置きが確実とみられており、その点での波乱要素は少ない。先の利下げ時期が後ずれするとの見方が強まった場合には、長期金利が上昇して米国株安につながる懸念があり、それをFRBメンバーのFF金利見通し(ドットプロット)や声明文、パウエル議長の会見のトーンなどから推し量ることになる。
日本株を見る上では米長期金利が上昇しない方が好ましいが、大幅な上昇とならなければネガティブな反応は限定的となりそうだ。米金利が上昇すればバリュー株が選好されやすくなるし、ドル円は円安(ドル高)に振れる公算が大きい。利下げへの期待が高まって米金利が低下すれば、半導体株を中心にグロース株に買いが入ると見込まれる。今週は休場を挟んで前半が日本、後半が米国の金融政策にスポットが当たるスケジュールだが、前半は非常に良い形で終えた。休場明けの一段高に期待したい。
一方、前日に急落した東電HDは売りが止まらず2%を超える下落。川崎汽船など海運株が後場に入って値を崩した。ファストリ、アドバンテスト、三井E&Sなどが軟調。月次を材料に神戸物産が大幅安となった。通期で最終赤字に転落する見込みとなったマイクロ波化学は、売りが殺到してストップ安比例配分となった。
日経平均は続伸。日銀は大きな政策の転換を決定したが、事前の織り込みが十分進んでいたことから、マーケットは無難に結果を消化した。きのう4桁高となったことを踏まえると、きょうはプラスで終えたこと自体が強いが、引けにかけてはきっちり節目の4万円を超えてきた。日経平均よりも動きが良かったTOPIXは昨年来高値を更新している。
日銀が大規模緩和政策を止めることは2024年の日本株を見る上で大きなリスクになるかと思われたが、少なくとも決定自体はポジティブに受け止められた。事前のメディア観測をノイズとして遮断した場合、1月会合のメッセージから今回の決定はやや唐突にも映る。それでも、マイナス金利解除だけでなく、YCC撤廃やETFの買い入れ終了など、どこかでは実施した方が良いとみられていたことを一気に片づけた。今の日銀はメディアの扱いにも長けており、海外投資家の日本に対する評価がもう一段上がりそうな印象がある。
東京市場はあすは休場で、木曜21日はFOMCの結果を消化する。FOMCに関しては政策金利の据え置きが確実とみられており、その点での波乱要素は少ない。先の利下げ時期が後ずれするとの見方が強まった場合には、長期金利が上昇して米国株安につながる懸念があり、それをFRBメンバーのFF金利見通し(ドットプロット)や声明文、パウエル議長の会見のトーンなどから推し量ることになる。
日本株を見る上では米長期金利が上昇しない方が好ましいが、大幅な上昇とならなければネガティブな反応は限定的となりそうだ。米金利が上昇すればバリュー株が選好されやすくなるし、ドル円は円安(ドル高)に振れる公算が大きい。利下げへの期待が高まって米金利が低下すれば、半導体株を中心にグロース株に買いが入ると見込まれる。今週は休場を挟んで前半が日本、後半が米国の金融政策にスポットが当たるスケジュールだが、前半は非常に良い形で終えた。休場明けの一段高に期待したい。
指標 | 現値 | 前日比 | 騰落率 | 始値 | 高値 | 安値 |
---|---|---|---|---|---|---|
為替(ドル/円) | 150.28 | +1.17 | +0.79% | 149.11 | 150.43 | 149.02 |
日経平均(日足)
後場概況
日経平均は続伸 日銀の政策変更を確認してプラス転換から4万円乗せ
19日の日経平均は続伸。終値は263円高の40003円。米国株の上昇は好感できず、前日に4桁高となった反動で寄り付きは3桁の下落。前場ではマイナス圏で方向感に欠ける動きが続いた。300円超下げる場面もあったが、39500円を割り込んだところでは切り返し、前引け(39596円)では39500円を上回った。
後場に入って日銀が金融政策の結果を公表。マイナス金利の解除、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール:YCC)の撤廃、ETFおよびREITの買い入れ終了などが決定された。内容自体は事前の観測報道で織り込みが進んでいたが、結果発表直後は強弱感が入り交じり、プラス圏とマイナス圏を行き来した。しかし、前場同様に39500円より下では買いが入ったことで、次第にプラス圏が定着。13時台半ば辺りからは値動きも落ち着き、上げ幅を3桁に広げた。14時以降は39900円近辺でのもみ合いが長く続いたが、引けにかけてもうひと伸びがあり高値引け。3月6日以来、9営業日ぶりに終値で40000円を上回った。
東証プライムの売買代金は概算で5兆2000億円。業種別では不動産、鉱業、輸送用機器などが大幅上昇。下落は海運、医薬品、銀行の3業種のみとなった。デフレ脱却期待から不動産株が後場に入って買いを集めており、住友不動産<8830.T>や東京建物<8804.T>が急伸。半面、三菱UFJ<8306.T>や三井住友<8316.T>など銀行株は前場では買われていたものの、日銀会合の結果発表で目先の材料出尽くし感が強まり、後場に入ってマイナス圏に沈んだ。
後場に入って日銀が金融政策の結果を公表。マイナス金利の解除、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール:YCC)の撤廃、ETFおよびREITの買い入れ終了などが決定された。内容自体は事前の観測報道で織り込みが進んでいたが、結果発表直後は強弱感が入り交じり、プラス圏とマイナス圏を行き来した。しかし、前場同様に39500円より下では買いが入ったことで、次第にプラス圏が定着。13時台半ば辺りからは値動きも落ち着き、上げ幅を3桁に広げた。14時以降は39900円近辺でのもみ合いが長く続いたが、引けにかけてもうひと伸びがあり高値引け。3月6日以来、9営業日ぶりに終値で40000円を上回った。
東証プライムの売買代金は概算で5兆2000億円。業種別では不動産、鉱業、輸送用機器などが大幅上昇。下落は海運、医薬品、銀行の3業種のみとなった。デフレ脱却期待から不動産株が後場に入って買いを集めており、住友不動産<8830.T>や東京建物<8804.T>が急伸。半面、三菱UFJ<8306.T>や三井住友<8316.T>など銀行株は前場では買われていたものの、日銀会合の結果発表で目先の材料出尽くし感が強まり、後場に入ってマイナス圏に沈んだ。
前場概況
日経平均は反落 熊谷組が大幅上昇
19日の日経平均は反落。前引けは144円安の39596円。米国株の上昇は好感できず、3桁下落スタート。寄った後は日銀会合の結果発表待ちで動きづらい中、前日の4桁高の反動で軟調に推移した。値上がり銘柄は結構多く、TOPIXはプラス圏とマイナス圏を行き来した。また、日銀のマイナス金利解除を織り込む形で、金融株には買いが入った。日経平均に関しては、安いところでは下げ幅を300円超に拡大。ただ、節目の39500円より下では押し目買いが入って切り返し、前引けにかけては下げ幅を縮めた。
東証プライムの売買代金は概算で2兆1200億円。業種別では鉱業、その他金融、石油・石炭などが上昇している一方、精密機器、医薬品、ガラス・土石などが下落している。香港投資ファンドのオアシス・マネジメントによる買い増しが判明した熊谷組<1861.T>が大幅上昇。反面、2月度の月次が失望を誘った神戸物産<3038.T>が大幅に下落している。
東証プライムの売買代金は概算で2兆1200億円。業種別では鉱業、その他金融、石油・石炭などが上昇している一方、精密機器、医薬品、ガラス・土石などが下落している。香港投資ファンドのオアシス・マネジメントによる買い増しが判明した熊谷組<1861.T>が大幅上昇。反面、2月度の月次が失望を誘った神戸物産<3038.T>が大幅に下落している。
今日の株式見通し
波乱含みか 大規模緩和は終了の公算 米株は上昇
東京市場は波乱含みか。米国株は上昇。ダウ平均は75ドル高の38790ドルで取引を終えた。FOMCの結果発表前で様子見ムードは強かったが、テスラやアルファベットなど主力グロースの一角が強く、概ね堅調に推移した。ドル円は足元149円10銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて105円安の39415円、ドル建てが40円安の39480円で取引を終えた。
本日は日銀の金融政策の結果が発表される。きのう18日の日経平均は、15日の米国株の下落を材料視せず、日銀に関するニュースを手がかりに4桁の上昇となった。きょうギャップアップスタートとなるようならリスクオンとなりやすいが、CME225先物は上昇スタートを示唆していない。米国株の上昇に対する好反応は限られ、前場は日銀の金融政策発表を前に動きづらい地合いとなるだろう。
本日の日本経済新聞1面では、日銀が(1)マイナス金利政策の解除、(2)長短金利操作(イールドカーブ・コントロール:YCC)の撤廃、(3)ETF、REITの買い入れ縮小―に踏み切るとの観測を報じている。これに対する織り込みは進んでいると思われるが、大規模な政策転換であるため、結果に対する反応は大きくなる可能性がある。きのう先んじて大きく上昇していることを踏まえると、反動で大きく下げる展開も想定される。後場は引け後の植田総裁会見を前に強弱感が定まりづらい中、不安定な動きが続くだろう。きょうはボラティリティの高まりはある程度許容する必要がある。日経平均の予想レンジは39000円-40200円。
本日は日銀の金融政策の結果が発表される。きのう18日の日経平均は、15日の米国株の下落を材料視せず、日銀に関するニュースを手がかりに4桁の上昇となった。きょうギャップアップスタートとなるようならリスクオンとなりやすいが、CME225先物は上昇スタートを示唆していない。米国株の上昇に対する好反応は限られ、前場は日銀の金融政策発表を前に動きづらい地合いとなるだろう。
本日の日本経済新聞1面では、日銀が(1)マイナス金利政策の解除、(2)長短金利操作(イールドカーブ・コントロール:YCC)の撤廃、(3)ETF、REITの買い入れ縮小―に踏み切るとの観測を報じている。これに対する織り込みは進んでいると思われるが、大規模な政策転換であるため、結果に対する反応は大きくなる可能性がある。きのう先んじて大きく上昇していることを踏まえると、反動で大きく下げる展開も想定される。後場は引け後の植田総裁会見を前に強弱感が定まりづらい中、不安定な動きが続くだろう。きょうはボラティリティの高まりはある程度許容する必要がある。日経平均の予想レンジは39000円-40200円。