明日の戦略-大幅高で年初来高値を更新、円安・株高への期待が高まるか

2019/12/02(月) 16:29
 12月に入り2日の日経平均は3日ぶり大幅反発。終値は235円高の23529円。先週末の米国株は下落したが、東京市場では米国の下落要因を先週消化しており、買いが優勢の展開。円安基調が維持されたことも押し目買い機運を高め、早々に上げ幅を200円超に広げた。23500円台に乗せたところでは上値追いには慎重姿勢が見られた。また、商いは低水準で、特に後場に入ってからは動意自体が限られた。ただ、売り材料には乏しく、値動きが落ち着いた後は高値もみ合いが続いた。終値ベースでは11月12日の23520円を上回り、年初来高値を更新した。東証1部の売買代金は概算で1兆6900億円。業種別では海運やガラス・土石、卸売などが強い動き。一方、原油安を嫌気して鉱業と石油・石炭の2業種が下落したほか、証券・商品先物の上昇が限定的となった。設備投資の拡大を目的とした子会社の転換社債発行が好感されたダブル・スコープが急騰。半面、3Q期間(8-10月)の利益の伸びが案外となったトリケミカルが急落した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1515/値下がり542。事業説明会の内容や証券会社の目標株価引き上げが好感された村田製作所が大幅上昇。円安や中国指標の改善などを追い風に、太陽誘電や信越化学などハイテク株や、キーエンスや安川電機などFA関連に資金が向かった。任天堂やソニーなどゲーム株にも強い動きが見られた。メディアで大きく特集されたワークマンは3%超の上昇。決算が好感された内田洋行とウチダエスコはともにストップ高比例配分と騰勢を強めた。ほか、株式分割を発表したPBシステムズが急騰した。一方、東京エレクトロンやアドバンテストなど半導体株の一角が軟調。原油価格下落を受けて国際帝石や出光興産などが売りに押された。公募・売り出しを発表したラックランドが大幅安。決算が失望を誘ったはてなやキタック、ACCESSが急落した。  日経平均は大幅高となり、終値で年初来高値を更新した。意外高の感もあるが、トランプ米大統領が香港人権法案に署名したことに対して、先週木曜と金曜が過敏に反応しすぎたとも考えられる。11月28日(木)は、朝方に署名の話が出てこなければ米国株高と円安進行を受けて年初来高値を更新していてもおかしくはなかった。引き続き海外要因には振らされるだろうが、目先は好材料が出てくれば素直に買いが入るであろうし、悪材料が出て下げたとしても押し目では買いが入ると見込まれる。ドル円は東京時間で109円70銭台をつける場面があり、足元の円安の流れが続くかどうかが注目される。このタイミングで110円台に乗せるような動きが見られれば、円安・株高の流れが強まり、日経平均は一気に24000円台を試しに行くような展開も期待できる。
日本株の最新ニュース
マーケットデータ
日経平均 37,934.76 +306.28
TOPIX 2,686.48 +22.95
グロース250 644.61 +4.49
NYダウ 38,239.66 +153.86
ナスダック総合 15,927.90 +316.14
ドル/円 155.90 -2.22
プレミアム銘柄の最新情報
ページTOPへ