明日の戦略-大幅高で21000円台を回復 出遅れ銘柄に見直し余地大

2019/09/05(木) 16:52
 5日の日経平均は大幅に3日続伸。終値は436円高の21085円。香港政府が逃亡犯条例の撤回を発表したことに加えて、英議会がEU離脱延期法案を賛成多数で可決したことを受けて、リスク警戒ムードが和らぐ展開。寄り付きから3桁上昇で20800円台に乗せると、その後も買いが続いた。取引時間中には米中通商協議が再開されるとの報道が流れたこともあり、前場のうちに節目の21000円を上回り、一時上げ幅を500円超に広げた。後場は値動きは落ち着いたものの高値圏を維持。終盤にやや失速したが、終値で21000円を上回った。東証1部の売買代金は概算で2兆4800億円。業種別では全33業種が上昇しており、騰落率上位は精密機器、海運、パルプ・紙、下位は電気・ガス、空運、情報・通信となった。幅広い銘柄に買いが入ったが、なかでも太陽誘電や村田製作所、東京エレクトロンなどハイテク株が騰勢を強めた。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1966/値下がり157と幅広い銘柄が上昇。日経平均構成銘柄に新規採用となったエムスリーが10%近い上昇。除外を免れた日本化薬も4%超の上昇と買いを集めた。日経新聞の業績観測を手がかりにNECが大幅高となったが、日立やソニー、富士通など電機株は全般的に強く、サムスン電子とのライセンス契約締結を発表したシャープなどにも買いが入った。自己株取得を発表した三城HDが急騰。マイナンバー関連として注目を集めるITbookが連日のストップ高となった。一方、日経平均採用候補銘柄に挙げられていた任天堂やZOZOが逆行安。カカクコムは5%超の下落となり、除外となった東京ドームは8%安と大きく崩れた。ほぼ全面高となるなか、直近で急進していたサマンサJPやウインテストが利益確定売りに押された。  日経平均は大幅高。25日線を明確に上に抜けてきたことで買いに勢いがついた。きっちり21000円台に乗せて終えており、引け味も良い。ここから一段高となるかというと、13週線(21146円、9/5時点、以下同じ)、26週線(21290円)、52週線(21479円)と週足の節目が多く控えており、結構ハードルは高い。ただ、これらを上回ってくれば、昨年10月の24448円からの下落トレンド脱却の期待が高まる。グローバル市場がポジティブ材料に飢えているだけに、日本に特段の買い材料がなくても海外要因だけで跳ねる可能性はあり、注意深く相場をウォッチしておきたい局面だ。全体の下値不安が和らいだことで、多くの銘柄にはいったん水準訂正の買いが入ると考える。特に配当利回りが高い銘柄やPBRが1倍を大きく割り込んでいる銘柄など、バリュエーション面で買える材料のあるものを見直す流れが強まると予想する。
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