明日の戦略-後場一段安で週間でも下落、来週は方向感が定まらず一進一退か

2020/07/10(金) 17:34
 10日の日経平均は大幅反落。終値は238円安の22290円。米国株はまちまちで、序盤は前日終値近辺で一進一退となったが、次第に売りが優勢となった。それでも前引けでは2桁の下落にとどまっていたが、後場に入って東京都の1日の感染者数が過去最多を更新したと伝わると下げ幅を拡大。週またぎのリスクが高まる中、終盤にかけて売りが加速する流れとなり、大引け間際にきょうの安値をつけた。東証1部の売買代金は概算で2兆4500億円。業種別では全業種が下落しており、ゴム製品や電気機器、情報・通信などの下げが相対的に軽微となった。一方、鉱業や証券・商品先物、不動産などが大幅安となった。政府の旅行需要喚起策「Go to トラベル」が7月22日から前倒しで実施されると報じられたことから、オープンドアやKNT-CT、エアトリなど旅行関連銘柄が後場に入って急伸。半面、米子会社が破産法を申請したと報じられた良品計画が取引終盤に急落した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり193/値下がり1935。米国のゲーム開発会社への出資を発表したソニーが上昇。TOB対象銘柄のファミリーマートと大戸屋が大幅高となった。アンジェスが買いを集めて8%超の上昇。決算が好感されたSHIFTやエスクローAJが急伸した。一方、下方修正を発表したファーストリテイリングが3%超の下落。今期が減益計画となったセブン&アイも大きく売られた。都心オフィス空室率の上昇やこれを材料とした日経新聞記事などからオフィス需要減速が懸念され、三井不動産や住友不動産が大幅下落。上期営業赤字転落のくら寿司が急落した。上場廃止に係る猶予期間入り銘柄となった海帆はストップ安となった。本日ジャスダックに新規上場したSpeeeは高く始まった後も上値を伸ばした。  日経平均は週間では約15円の下落。今週は月曜が異様に強かったがその後は案外で、印象としては弱かったようにも感じられるが、水準が大きく切り下がらなかった点はポジティブ。ソフトバンクGなど限られた銘柄が強かった週ではあるが、こういったスター銘柄が出てくることは悪い動きではない。少し前にはアンジェスがマザーズのスター銘柄となったことで、マザーズ市場は第2のアンジェスを探せとばかりに物色の幅が広がり、商いの盛り上がりを伴いながら強い基調が続いた。当然、ソフトバンクGや東京エレクトロン、アドバンテストなどが軒並み失速するリスクに関しては注意を払っておく必要があるが、上げ方が強ければ強いほど、押し目があれば買いたいと考える投資家は増える。アンジェスも急失速がありながらもその後に大きく盛り返した。その意味では、ソフトバンクGや東京エレクトロンなどが値を崩した際に、東証1部の売買代金に厚みが出てくるかどうかが注目される。 【来週の見通し】  もみ合いか。足元では世界中で新型コロナウイルスの感染再拡大への警戒が高まっており、基本的には上値は重いと予想する。ただ、14日~15日には日銀金融政策決定会合、16日にはECB理事会があり、先行き不透明感が漂う局面では、これら中央銀行イベントが相場の下支えになると考える。米国や中国では経済指標の発表が多くあるが、特に米国では足元で指標の改善が顕著となっている。また、金融を中心に米企業の決算発表も出始める。これらの点を鑑みると、グローバル市場も悲観一辺倒に傾く展開は想定しづらい。強弱材料に一喜一憂する地合いがもうしばらく続くだろう。 【今週を振り返る】  上げ下げあったが週間では小動き。日経平均は週初の6日に400円を超える大幅上昇。中国株の大幅高などを手掛かりに強い買いが入り、22700円台まで上昇した。しかしその後は上値の重い展開。米国ではアマゾンなど主力銘柄が騰勢を強め、東京市場でもソフトバンクGや半導体株が買いを集めたが、百貨店株や陸運株には年初来安値を更新するものも出てくるなど、物色では選別色が鮮明となった。週半ばまでは強い銘柄が全体をけん引する格好で値を保っていたが、東京で新型コロナウイルスの新規感染者が増加基調を強める中、週末10日に大きく崩れ、この日の下げで週間では下落となった。週間では約15円の下落。週足では4週ぶりに陰線を形成した。 【来週の予定】  国内では、日銀金融政策決定会合(~7/15)(7/14)、黒田日銀総裁会見、日銀が経済・物価情勢の展望を公表、6月首都圏マンション発売(7/15)などがある。  企業決算では、クリエイトSDH、サカタのタネ、コーナン商事、ドトル日レス、ウエストHD、歌舞伎、カーブスHD、タマホーム、ラクトJPN、進和、三栄建築、東京個別、ライク、スタジオアリス、インタアクション、モリト、OlympicG、AIT、ヒトコムHD、サインポスト、佐鳥電機、AVANTIA、中本パクス、東洋電、識学、エヌピーシー、ヴィッツ、スタジオアタオ(7/13)、東宝、イズミ、松竹、Sansan、いちご、クリレスHD、サイゼリヤ、S Foods、パルGHD、IDOM、UUUM、チームスピリト、SFP、ロゼッタ、キャンドゥ、ユーピーアール、古野電、リックソフト、MrMaxHD、エコス、Gunosy、PRTIMES、カネコ種、ロコンド、ライトオン、ビザスク、セラク、梅の花、農総研、シンメンテHD、関通、エルテス、ALiNK、247、リーガル不、クックビズ、SERIOHD、メディカネット、アクアライン(7/14)、マネフォワ-ド、ベイカレント、不二越、TKP、北の達人、サーバーワクス、メディアドゥ、日本国土、サムティ、RPA、日置電、ベクトル、松屋、テラスカイ、大庄、ヨシムラフード、バロック、バリュエンスH、ミツバ、グッドパチ、トウキョベース、アクトコール、串カツ田中、ナカノフドー、DDHD、ウォンテッドリ、日フイルコン、ノダ、GameWith、エムビーエス、AHCG、U&C、エディア(7/15)、パソナG(7/17)などが発表を予定している。  海外では、米6月財政収支(7/13)、中国6月貿易収支、独7月ZEW景況感指数、米6月消費者物価指数(7/14)、米7月ニューヨーク連銀製造業景気指数、米6月鉱工業生産、ベージュブック(7/15)、中国4-6月期GDP、中国6月鉱工業生産、中国6月小売売上高、中国6月固定資産投資、ECB定例理事会(ラガルド総裁会見)、米6月小売売上高、米7月フィラデルフィア連銀景気指数、米5月企業在庫、米5月対米証券投資(7/16)、米6月住宅着工件数(7/17)などがある。  米企業決算では、JPモルガンチェース、ウェルズファーゴ、シティグループ(7/14)、ゴールドマンサックス(7/15)、バンクオブアメリカ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、アボット・ラボラトリーズ(7/16)などが発表を予定している。
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