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一目均衡表で好転(逆転)のタイミングを捉えよう
当該コラムは、2020年05月に「トレーダーズ・プレミアム」向けに掲載したものを加筆・修正しております。 「トレーダーズ・プレミアム」では定期的に新作コラムを掲載しております。 ぜひご加入をご検討ください。

一目均衡表で好転(逆転)のタイミングを捉えよう

 今回は一目均衡表について取り上げます。一目均衡表は、昭和初期に一目山人(ペンネーム)が考案した文字通り一目で相場の均衡を捉えるチャートであり、「時間論」「波動論」「水準論」などの理論が展開されています。一目均衡表は説明事項が多いため、今回は「基本用語」や「チャートをみる上での重要なポイント」に着目します。

基本用語

 一目均衡表のチャートは、「基準線」「転換線」「先行スパン1」「先行スパン2」「遅行スパン」「雲」で構成されています(下図参照)。

◎ 基準線
「当日を含む過去26日間の最高値と最安値の中間値」で算出されます。
基本的には、株価が基準線の上に位置している場合は強気相場、下に位置している相場は弱気相場と判断します。
また相場の方向性を示しており、向きが重要だとみられています。 相場の上昇には基準線の上昇が必要となりますが、上昇が伴わない場合は相場の上昇が持続しづらくなります。
基準線=(26日間の最高値+26日間の最安値)/2
◎ 転換線
「当日を含む過去9日間の最高値と最安値の中間値」で算出されます。
転換線=(9日間の最高値+9日間の最安値)/2
◎ 先行スパン1
転換線と基準線の中間値を、当日を含み26日先行させた線となります。
先行スパン1=(基準線の値+転換線の値)/2
◎ 先行スパン2
当日を含む過去52日間の最高値と最安値の中間値を、当日を含む26日先行させた線となります。
先行スパン2=(52日間の最高値+52日間の最安値)/2
◎ 雲
先行スパン1と先行スパン2で形成され、「雲(抵抗帯)」と呼ばれる帯状の形となります。 雲を上(下)抜けると、相場の方向転換を示唆します。 雲が厚い場合は相場転換には日柄(時間)を要しますが、雲が薄い場合は抜けやすく、相場が転換しやすくなります。

◎ 遅行スパン
当日の終値を、当日を含み26日遅行させた線となります。
≪参考≫一目均衡表のチャート例
【トヨタ(7203)の週足チャート】
トヨタの週足チャート
注目すべき重要ポイント

 一目均衡表をみる上で、3つの注目するべきポイントがあります。

(1)転換線が基準線を上回っているか
(2)株価が雲(抵抗帯)を上回っているか
(3)遅行スパンが26日前の株価を上回っているか
(1)転換線が基準線を上回っているか
 転換線の位置が基準線を上回っている場合は「強気相場」、下回っている場合は「弱気相場」と判断します。
 また転換線が基準線を下から上に抜ける状況を「好転」と呼びます。移動平均線でみられるゴールデンクロスと近いものとなります。「好転」すれば買いサインとなり、相場の上昇が期待されます。ただし基準線が上向きでなければ「好転」とはならないことに注意してください。
 逆に転換線が基準線を上から下に突き抜けることを「逆転」と呼びます。デッドクロスの状況と近いものとなります。 「逆転」すれば売りサインとなり、相場の下落が懸念されます。

(2)株価が雲(抵抗帯)を上回っているか
 雲の上で株価が推移している場合は「強気相場」、下に位置している場合は「弱気相場」と判断します。雲の上で推移していれば雲上限が支持帯、雲の下で推移していると雲下限が抵抗帯となる傾向があります。また株価が雲を上抜けすれば買いサイン、雲を下抜けすると売りサインとなります。

(3)遅行スパンが26日前の株価を上回っているか
 株価が26日前の株価を上回っている場合は「強気相場」、下回っている場合は「弱気相場」と判断します。
また遅行スパンが26日前の株価を上回った場合を「好転」と呼び、買いサインとなります。一方、遅行スパンが26日前の株価を下回った場合を「逆転」と呼び、売りサインとなります。

 上記に挙げた3つの「好転」が揃うと「三役好転」となり、強い買いサインと捉えられます。一方、3つの「逆転」が揃うと「三役逆転」となり、強い売りサインと捉えられます。

≪確認≫三役好転の条件
(1)転換線が基準線を上回る(均衡表の好転)
(2)株価が雲(抵抗帯)を上回る(雲の上抜け)
(3)遅行スパンが26日前の株価(終値)を上回る(遅行スパンの好転)

≪参考≫三役好転の例
【レーザーテック(6920)の日足チャート】
レーザーテックの日足チャート
好転(逆転)のタイミングを意識しよう

 一目均衡表では、まず基準線に注目し、現在の株価位置が強気相場(弱気相場)にあるのかを把握しましょう。そして雲の先行きや遅行スパンの位置を確認し、かつ基準線や転換線の動向(例:株価が〇円まで上昇したら基準線は上向く)を予測しながら、好転(逆転)のタイミングを意識して売買を行いましょう。
 今回、三役好転など重要ポイントについて説明しました。一目均衡表をみる上での基本となりますので、ぜひご自身の投資に役立ててください。

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