IPOの基礎知識

IPO とは?
IPO とは、「Initial(最初の) Public(公開の) Offering(売りだし)」の頭文字をとった略称で、「新規上場株式」を表しています。
経営者や関係者しか買うことが出来なかった非上場企業の株が、新株の発行(公募増資)や売出で株式市場に上場(公開)されれば、一般投資家でもその企業の株を、市場で自由に売買することが可能になります。
IPOで上場する株式の株価(公開価格)は、ブックビルディング(需要申告)で引受証券が発表する仮条件(提示する価格帯)をもとに需要を調査した上で決定されます。ブックビルディングとは、株式の募集又は売出しの際の価格設定に用いられる発行条件の決定のための「需要予測」のことです。
証券会社が行うブックビルディングに申込み、抽選等で当選し、購入意思を表示し、期日までに購入代金を払い込めば、新規上場株式を公開価格で購入することができます。
口座開設されている証券会社のホームページにIPOのページがあれば、ブックビルディングに申し込み可能な銘柄がご確認いただけますので、ブックビルディングに簡単に申し込むことができます。
IPO投資の魅力について
初値が高騰する可能性がある!
人気銘柄は「初値」が「公募価格」の数倍になることがあり、「初値売り」するだけで利益を得られる可能性がある。
少額での投資が可能!
ほとんどの銘柄が 100 株(一単元)から申し込めるので、投資資金が小さくても参加することができる。
成長が期待できる企業に投資できる!
事業拡大のための資金調達などを目的に行われることが多いので、成長が期待される企業に投資すると考えることもできる。
IPO投資の注意点について
・初値が公募価格を下回る場合もある(公募割れ)
赤字の状態で IPO する企業もあるので、公募に当選しても、購入を判断する際は注意が必要。

・過去の取引履歴がなく短期売買を目的にしている投資家が多いため、上場後の株価の予測が難しく、値動きが荒くなりがちである。

・当選確率が低い
IPO 株式の購入希望者が証券会社に割り当てられた株式数を上回った場合は、証券会社による抽選が行われる。
IPOの流れについて
1.上場の決定と準備
目的は成長のための資金の調達や、知名度の向上などがある。
2.仮条件(株価)の決定
投資家の申し込み状況に応じて、公募価格が決まる。
3.ブックビルディング
公募価格決定に際しておこなわれる投資家の「需要予測」です。
個人投資家や機関投資家に株式が割り当てられます。
人気の高い銘柄は高倍率のため当選しづらい。
4.公開価格(株価)の決定
ブックビルディングの結果がわかる。
5.申込(期間)と払込(期日)
申込には受付期間と、必要資金の払い込み期日がある。
6.上場
上場日に株式市場での売買がスタート。既上場の銘柄と同じように、自由に市場での売買が可能となります。
超人気銘柄の場合は、上場初日に初値が付かず、翌日以降に持ち越しとなることもある。
トレーダーズ・ウェブの「IPO銘柄詳細」なら、「スケジュール」の項で上場までの流れをご確認いただけます。
下の表は、2022年に上場した「ソシオネクスト」のスケジュールです。 表右の「価格情報」は、IPO スケジュールに合わせて、確認が取れ次第随時更新致します。
スケジュール
仮条件決定 2022/09/26
ブックビルディング期間 2022/09/27 - 09/30
公開価格決定 2022/10/03
申込期間 2022/10/04 - 10/07
払込期日 -
上場日 2022/10/12
価格情報
想定価格 3,480円
仮条件 3,480 - 3,650円
公開価格 3,650円
初値予想 3,800円
初値 3,835円
IPO株の購入方法について
1.証券会社の口座を開設
IPO取扱実績の多い証券会社(SBI 証券、野村證券、大和証券など)
2.ブックビルディングに参加(申し込み)
ご利用の証券会社のホームページにIPOのコーナーがあれば、ブックビルディングに参加可能な銘柄が掲載されています。
仮条件の範囲内で希望価格を提示。
3.抽選・配分結果を待つ
当選すれば購入手続きに進み、落選すれば資金は戻る。
IPO投資のコツ

申し込み銘柄の選別や、当選後のコツを7つのポイントにまとめました。
ネット証券を使ってのIPO投資は抽選が高倍率なため当選するまでが大変ですが、当選後は銘柄の特性と市況に応じて柔軟に、売却計画を練っておくことがポイントです。

1.銘柄の見極め
  • 事業内容の独自性・成長性:市場で差別化できるビジネスかどうか。
  • 業績推移:売上・利益が拡大基調か。
  • 市場トレンドとの相性:AI、半導体、再エネ、ヘルスケアなど成長テーマは初値が高騰しやすい。
2.需給関係を読む
  • 公開規模(吸収金額):小型(数十億円規模)のIPOは需給がタイト(人気)で初値が上昇しやすい。
  • 上場市場:東証グロースは初値高騰が多いが、その後の値動きは荒い。プライム市場は安定的に推移する銘柄が多い。
  • 既存株主のロックアップ:発行者・大株主などが公開後に一定期間、保有株式の売却をしないと約束する制度の解除条件が緩いと、大株主の売り圧力で株価が下落するリスクがある。
3.割安・割高感をチェック
  • 想定価格や仮条件を基にPER、PBRを既存上場企業と比較。
  • 成長性を考慮して「割安」なら、強気でブックビルディングに参加。
4.証券会社の抽選戦略
  • 新規上場銘柄の主幹事証券に重点的に申し込む。(当選確率が高まる)
  • ネット証券(SBI証券など)は個人向け配分が多く、チャンスが広がる。
  • 複数の口座を活用して当選確率を上げる。
5.初値売りor長期保有の判断
  • 人気テーマ & 小型株 → 初値売りが有利
  • 安定収益型・大型株 → 長期保有でも検討
  • 想定以上に高騰した場合は、早めに利益確定する柔軟さも必要。
6.セカンダリー(初値売りor長期保有)の判断
※次項の「上場後のセカンダリー投資について」で詳しく解説しています。
7.リスク管理
  • 公募割れ(初値が公募価格を下回る)してしまうリスクも常にある。
  • 過去の同業種IPOの動向を参考に。
  • 一極集中せず、分散して参加することが大切。
IPO投資で証券会社を選ぶ際のポイントと特徴

株のIPO(新規公開株)投資をする際には、どの証券会社を使うかで 「当選しやすさ」「申込しやすさ」 「資金の使い勝手」 などがかなり変わってきます。ここでは、IPO投資でネット証券を選ぶ際のポイントと、それぞれの特徴を整理しています。

証券会社を選ぶ際のポイント

IPO投資で証券会社を比較する際、重要な観点として以下があります。

・主幹事(リード引受証券)実績

IPOで「主幹事」を務める証券会社は、割り当て株数が他よりも圧倒的に多い傾向がある。

・IPOの取り扱い銘柄数(幹事証券含む)

IPO銘柄を多く扱っている証券会社なら、“ ブックビルディング申込 ” のチャンスが広がる。

・抽選方法・配分ルール

例えば、1人1票といった「平等な抽選」、資金量や取引実績による「優遇抽選」、抽選前の「入金の有無」など、証券会社によって抽選や配分の方法が異なる。

・申込みの資金・条件

IPO申込時に事前入金が必要かや、購入申込後にキャンセルしたらペナルティがあるかなど。

・ネット証券 vs 店頭証券

ネット証券の方が手続きが簡便で手数料が低いことが多く、初心者でもIPOに参加しやすいという評価がある。

証券会社ごとの特徴
証券会社 特徴
SBI証券 ネット証券大手で個人投資家の利用率も高い。抽選に外れるとIPOチャレンジポイントがたまり、同ポイントを消費することで次回以降の抽選が有利になる独自のシステムがある。
楽天証券 ネット証券ではSBI証券と並んで個人投資家に人気がある。楽天銀行など楽天経済圏で一体的にサービスを受けられる点も魅力。取り扱うIPOも多い。
松井証券 ネット証券の黎明期から市場を開拓してきた証券会社。Youtubeで投資にまつわる動画を公開しているほか、同社の口座を持っている人だけが見られるさまざまなデータなども充実。
マネックス証券 マネックス銘柄スカウターなどのツールは根強い人気がある。取り扱い銘柄も豊富。
岡三オンライン証券 ネット証券のなかでは中規模。大手に比べると取り扱い銘柄数は若干少ないものの、IPO抽選申し込み時に資金拘束がない点は魅力。
三菱UFJ
eスマート証券
元auカブコム証券。au関連の決済サービスと連携し、積み立て投資でポイント還元サービスがある点などがお得ポイント。
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