IPO応用編

上場後のセカンダリー投資について
IPO銘柄のセカンダリー投資の特徴
メリット

上場前の公募に当選できなかった銘柄でも、自由に売買することができる。

公募抽選に外れても、上場後のセカンダリーで投資は可能。

値動きが大きい

上場直後は需給がタイトでボラティリティが高く、短期トレードの好機になる。

テーマ株効果

話題性やトレンド(AI、半導体、再エネなど)に乗ると、上場後も資金が集中するケースがある。
デメリット・リスク

初値天井のパターン

初値が高騰 → その後は利益確定売りで下落することも多い。

需給悪化

ロックアップ解除や大株主の売却が控えている場合、上値が重くなりやすい。
※「ロックアップ」については、別項の「ロックアップについて」をご覧下さい。

ボラティリティが高すぎる

短期で20〜30%動くこともあり、損切りルールを徹底しないと大きな損失になりやすい。
セカンダリー投資のコツ
1.エントリータイミング
  • 初値形成直後は乱高下が激しいため、落ち着くまで待つのが無難。
  • 「初値から一度調整 → 出来高を伴って再上昇」するパターンを狙う。
  • 上場2〜5営業日目に短期資金が集中するケースが多い。
2.チャート・需給分析
  • 出来高急増+陽線 → 短期資金の流入サイン。
  • 日足の高値ブレイク → 上昇トレンド継続の可能性。
  • 吸収金額が小さい銘柄は需給主導でセカンダリーも強い。
3.投資戦略
  • 短期売買型
    「高騰したら即売り」「下落すればすぐ損切り」を徹底。
  • 中期テーマ狙い型
    成長がテーマのIPO銘柄であれば、調整後の押し目買いも有効。
  • 分散投資
    投資資金を一銘柄に集中せず、複数銘柄に投資することでリスクを分散。
4.チェックすべき情報
  • ロックアップ解除条件(公募価格1.5倍で解除など)。
  • 大株主構成。
  • 主幹事証券レポートや機関投資家の評価。
まとめ
  • セカンダリー投資は「初値を追いかける」よりも、初値形成後の押し目や需給転換点を狙うのがコツ。
  • 短期ではボラティリティを活かし、中期ではテーマ性と業績をチェックする。
  • ロックアップや出来高の推移など、需給イベントを意識すると勝率が上がる。
セカンダリー投資でよく狙われるチャート・パターン3種
チャート・パターン1
「初値急騰→ 押し目買い→再上昇」

初値後に調整して出来高を伴い反発すると狙いやすいパターン。

エントリー 初値急騰後に調整が入り、25日線や直近安値付近で下げ止まったタイミング
利確目安 初値付近や直近高値ライン。短期資金が集まるので欲張らず利確
損切り 押し目ラインを明確に割ったら即撤退(−5〜7%を目安)
パターン1のチャートイメージ
パターン1のチャートイメージ
チャート・パターン2
「高値ブレイクアウト」

直近高値を突破すると短期資金が流入しやすい。

エントリー 直近高値をブレイクしたタイミング。出来高を伴っていることが条件
利確目安 ブレイク幅の5〜10%上昇で一部利確、残りはトレンド継続を見ながら
損切り ブレイクラインを下抜けたら即撤退。損切後に戻す”ダマシ”の防止に、終値で判断するのも有効
パターン2のチャートイメージ
パターン2のチャートイメージ
チャート・パターン3
「初値天井→下落→リバウンド狙い」

急落後に底打ちを確認してからの反発を狙う。

エントリー 急落後に「出来高が減少し+底打ちのサイン(長い下ヒゲや陽線反転)」が出たタイミング
利確目安 急落前の戻り高値や25日線付近。リバウンドは一時的なことが多い
損切り 底値と見たラインを割れたら即撤退(−3〜5%を目安)
パターン3のチャートイメージ
パターン3のチャートイメージ

実戦では、これに「出来高の増減」と「ロックアップ状況」を組み合わせて判断するのがコツです。トレーダーズ・ウェブでは、IPOカテゴリで「「ロックアップ解除情報」を随時配信しています。

IPO ロックアップ解除情報
ロックアップ解除情報サンプル(IPOの「トップ」に掲載)
ロックアップについて

ロックアップとは、IPO株を保有する大株主やベンチャーキャピタル(VC)などが、一定期間株を売却できない制限のことを意味します。IPO直後に大株主が大量売却してしまうと株価が暴落するリスクがあるため、安定した取引のために設けられています。
IPO(新規公開株)銘柄への投資、特にセカンダリー投資を行う際は、各銘柄ごとにロックアップ(Lock-up) を把握しておくことがとても重要です。

一般的なロックアップの期間
  • 上場から90日間または180日間が多い
  • 期間中は原則売れない
  • ただし「解除条項付き」もあり
例)公募価格の1.5倍を超えたらロックアップ解除 → 株価が急騰すると一気に売りが出やすい
ロックアップの有無で何が変わるか?
  • 強いロックアップ(VC・経営陣が180日固定)
    → 需給が安定しやすく、株価が上がりやすい
  • 解除条項付き(1.5倍で解除など)
    → 株価が急騰しても「利益確定売り」で失速しやすい
  • ロックアップなし
    → IPO直後から大株主の売り圧力があり、株価が伸びにくい
投資家が注意しておくべきポイント
  • 主要株主の持株比率とロックアップ期間
    → 経営陣・VCがどのくらい売れないのか
  • 解除条項の有無(1.5倍ルールなど)
    → 急騰時にどの水準で売りが出やすいか
  • 需給バランス
    → 発行株数が少なくロックアップが強固なら、セカンダリーで人気化しやすい
ロックアップ解除のタイプ別確認フロー(3点)
  • 強いロックアップ(90日/180日)
    → 需給安定、株価が上がりやすい
  • 解除条項付き(例:1.5倍で解除)
    → 一定水準で売り圧力が出やすく急落注意
  • ロックアップなし
    → 大株主売却リスク大、警戒 
これを見ることで、IPO銘柄ごとに「売り圧力がいつ・どこで出るか」を事前に想定できます。 
まとめ
IPO投資における「ロックアップ」は、株価が上がりやすいか、売り圧力が出やすいか を読む上での最重要チェックポイントのひとつです。 
トレーダーズ・ウェブにはどんなIPO情報があるの?

いまご覧の「トレーダーズ・ウェブ」では、IPO投資に役立つ情報が「銘柄詳細ページ」「 ニュース」「レポート」などでご覧いただけます。有料会員サービス「トレーダーズ・プレミアム」なら、初値予想やより詳細な情報がご利用いただけます。

IPOコンテンツの主な内容

サイト内の IPOセクション では、以下のようなコンテンツを提供しています。

コンテンツ 内容
IPOスケジュール 上場予定の銘柄から、ブックビルディング開始・公募価格決定・上場日などのスケジュールを一覧で確認できます。
IPOカレンダー 上場予定日がカレンダー形式で見られ、いつどの銘柄が上場するかがひと目で分かるようになっています。
ウィークリーレポート IPOに限らず注目銘柄や市場全体の動きなどをまとめてレポートしています。
初値予想・初値予想の結果 IPO銘柄の初値予想を提供しています。実際の初値がどうなったかの結果報告や、初値の分析も。
注目のIPO 今期特に注目されている IPO や、話題性のある新規上場銘柄をピックアップしています。
上場後ランキング/上場後トレンド分析 IPO後の株価の動きや、パフォーマンスの良かった銘柄などをランキング形式で整理。トレンドや傾向が見える。
トレーダーズ・ウェブIPOコンテンツの特徴

トレーダーズ・ウェブのIPOコンテンツが、投資家にとって「どんなメリットがあるのか」をまとめました。

情報のタイミングが把握しやすい
スケジュールや IPO カレンダーで、「これからどの IPO が申込〜上場までのどの段階にあるか」が分かるので、抽選参加や投資タイミングを逃しにくい。
初値予想と実績の比較が可能
予想と実際の初値データを追うことで「予想の精度」「どの会社やテーマで予想が外れやすいか」など、過去の傾向を学べる。
後追い分析ができる
スケジュールや IPO カレンダーで、「これからどの IPO が申込〜上場までのどの段階にあるか」が分かるので、抽選参加や投資タイミングを逃しにくい。
注目度・話題性の整理に役立つ
予想と実際の初値データを追うことで「予想の精度」「どの会社やテーマで予想が外れやすいか」など、過去の傾向を学べる。 
使用上の注意点
・初値予想はあくまで予想です

初値予想は参考にはなりますが、需給/市場心理/ニュースなどで大きく外れることもあるので過信は禁物。

・情報更新のタイミングについて

ブックビルディング開始・仮条件決定などの変更があると予想内容やスケジュールも変わる可能性があるので、こまめな確認が必要となります。

・有料/無料の差について

一部の初値予想や詳細レポートなどは有料コンテンツ(トレーダーズ・プレミアム等)で提供していますので、無料で得られる情報だけでは完全には足りないことがあります。

トレーダーズ・ウェブIPO、使い方のポイント

以下のように使うと効率的です。

IPOスケジュールで上場日と抽選開始日を把握
→ 抽選申込・資金準備を整える
初値予想の根拠をチェック(発行株数・同業他社比較・テーマ性など)
→ 自分の見方と合うかどうかを判断
上場後ランキングやトレンド分析を追う
→ セカンダリー投資のタイミング、利益確定・損切りの参考にする
複数の情報源と掛け合わせる(他のIPO情報サイト、証券会社レポート等)
→ 偏りを防ぐ
有料会員サービス「トレーダーズ・プレミアム」について詳しくはこちら
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