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幅広い半導体関連株~前工程編~

幅広い半導体関連

 半導体関連と聞くと、コロナショック後から上昇が続き、度々の上場来高値を更新した東京エレクトロン(8035)やレーザーテック(6920)などが思い浮かぶでしょう。ただ、半導体といってもどのように作られているのか、なかなかイメージしにくいものです。半導体の裾野は広く、上記銘柄以外にも半導体製造には数多くの企業が関わっています。そんな半導体について理解を深めてもらうべく、今回は半導体の製造工程と、関連する主な関連銘柄を取り上げていきたいと思います。半導体の製造工程は長いため、本コラムではまず設計から前工程までについて説明していきます。

まず半導体とは?

 半導体は、電気を通す導体と電気を通さない絶縁体の中間に位置する物質です。半導体チップは大まかにいうと、シリコン(ケイ素)で作られた板の上に、極小の回路が刻み込まれたものです。使う側で回路に電気を流す・流さないといった操作ができるため、それに応じて組み込まれたプログラムを実行することができます。人の体では腕を動かすとき、脳が命令することで腕の筋肉を動かしますが、ロボットに置き換えると、腕のパーツを動かすために必要な命令を、半導体回路に電気を流すことで実行するといったイメージです。半導体回路をより細かく複雑化すれば、さらに高度な命令が可能となります。

半導体回路に電気を流すことで実行
半導体回路に電気を流すことで実行
半導体の製造工程
1設計(マスク製造)

 まず、作ろうとする半導体が、どのような命令を実行できるか回路の設計を組み立てる必要があります。ここでは何度もシミュレーションを繰り返し、効率的な回路パターンを作成。その後、ウェハに転写するための原版(フォトマスク)としてガラス基板に回路を描きます。

設計(マスク製造)の工程 シキノハイテック6614 メガチップス 6875 HOYA 7741 凸版印刷 7911 レーザーテック 6920
2ウェハ製造

 半導体の土台になるシリコンインゴットを薄く切断し、シリコンウェハにします。その後、断面の凹凸をなくすために研磨し、微細な汚れなどを洗浄します。

ウェハの製造工程 信越化学 4063 SUMCO 3436 トクヤマ 4043 ディスコ 6146 フジミインコ 5384 フジミインコ 5384 Mipox 5381 扶桑化学 4368 SCREEN 7735 東京エレクトロン 8035
前工程
3ウェハの成膜とフォトレジスト塗布、回路の転写

 研磨・洗浄をしたウェハに酸化シリコンやアルミなどの膜をつけます(成膜)。この膜が、回路を焼きつけるための層となります。その後、フォトレジスト(感光剤)をウェハに塗った後、露光装置を使ってフォトマスクの回路をウェハに転写していきます。チップの大きさにもよりますが、1枚のウェハに数百個分を転写することができます。転写されなかった部分のレジストは、現像液によって除去されます。

ウェハの成膜、フォトレジスト塗布、回路の転写工程 アルバック 6728 東京エレクトロン 8035 JSR 4185 東京応化工業 4186 東京エレクトロン 8035 SCREEN 7735 キヤノン 7751 ニコン 7731
4エッチング・レジスト剥離・洗浄

 フォトレジストによって転写された回路以外の膜部分については、エッチングガスを使って剥がす作業を行います。その後に残っているレジスト部分も、薬液を使って洗浄することで剥離します。

エッチング・レジスト剥離・洗浄の工程 東京エレクトロン 8035 サムコ 6387 昭和電工 4004 関東電化工業 4047 東京応化工業 4186 野村マイクロ 6254 東京エレクトロン 8035 SCREEN 7735
5イオン注入と平坦化

 レジストを剥離したら、不純物イオン(ボロンやリン)というものを注入し、熱処理によって活性化させます。この工程により、半導体の電気的特性を変化させます。その後、層間酸化膜を付け、ウェハ表面を研磨し、凹凸を平坦化(CMP)します。そして、上述のフォトレジスト塗布からCMPまでを何度も繰り返し、複雑な回路を作り上げていきます。

イオン注入と平坦化の工程 アルバック 6728 住友重機械工業 6302 東京精密 7729 荏原製作所 6361
6電極形成とウェハのプローブ検査

 回路の作成が一通り終わったら、チップ内部と外部を接続するための電極を埋め込みます。その後はウェハ検査に入り、プローブと呼ばれる針をチップに接触させて、不良がないかを確認します。ここまでが前工程となり、今後は後工程に進みます。

電極形成とウェハのプローブ検査の工程 アルバック 6728 東京精密 7729 日本電子材料 6855
次の段階は後工程

 ここまで前工程の説明をしてきたように、半導体チップの製造にはさまざまな工程が必要となります。半導体チップの中身を作る前工程だけでも数多くの銘柄が関わっていますが、この後は主に外側を作る後工程と呼ばれる段階に進みます。後工程の大まかな流れとしては、一つ一つのチップに分離させるダイシング、リードフレームという金属の枠にチップを固定するワイヤーボンディング、チップを保護するために樹脂で覆うモールディングがあり、そして最終検査を経て出荷されます。前工程で関連銘柄として出ていないアドバンテスト(6857)やイビデン(4062)などは、後工程における重要な企業として登場します。こちらは後工程編で取り上げる予定なので、続編もぜひ楽しみにお待ちください。

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