IPO銘柄詳細

コード 市場 業種 売買単位 注目度
5582 東証グロース 情報・通信業 100株 A
スケジュール
スケジュール
仮条件決定 2023/06/19
ブックビルディング期間 2023/06/21 - 06/27
公開価格決定 2023/06/28
申込期間 2023/06/29 - 07/04
払込期日 2023/07/06
上場日 2023/07/07
価格情報
想定価格 1,790円
仮条件 2,000 - 2,140円
公開価格 2,140円
初値予想 6,500円
初値 6,400円
  • スケジュールは上場企業都合により変更になる場合があります。
基本情報
代表者名 曽我部 完(上場時50歳5カ月)/1973年生
本店所在地 東京都港区北青山
設立年 2009年
従業員数 82人 (2023/04/30現在)(平均38.2歳、年収767.4万円)
事業内容 人工知能を用いた計画最適化システムの開発・販売・保守・運用サポート
URL https://gridpredict.jp
株主数 4人 (目論見書より)
資本金 100,000,000円 (2023/06/02現在)
上場時発行済株数 4,512,000株(別に潜在株式597,000株)
公開株数 1,320,200株(公募876,000株、売り出し272,000株、オーバーアロットメント172,200株)
調達資金使途 人件費・採用費、研究開発費、広告宣伝費
連結会社 0社
シンジケート
公開株数1,148,000株(別に172,200株)
種別 証券会社名 株数 比率
主幹事証券 野村 1,067,800 93.01%
引受証券 SMBC日興 34,400 3.00%
引受証券 SBI 22,900 1.99%
引受証券 丸三 22,900 1.99%
大株主(潜在株式を含む)
大株主名 摘要 株数 比率
(株)We 役員らが議決権の過半数所有 2,880,000 68.04%
寺島敬臣 新株予約権信託の受託者 597,000 14.10%
三井物産(株) 資本業務提携先 552,000 13.04%
丸紅(株) 資本業務提携先 102,000 2.41%
伊藤忠商事(株) 資本業務提携先 102,000 2.41%
業績動向(単位:百万円)
は予想
決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益
2023/06 単独3Q累計実績 1,019 226 225 255
2023/06 単独会社予想 1,350 188 176 190
2022/06 単独実績 910 71 67 91
2021/06 単独実績 706 -222 -198 -210
売上高
営業利益
経常利益
純利益
1株あたりの数値(単位:円)
は予想
決算期 種別 EPS BPS 配当
2023/06 単独会社予想 52.27 309.74 0.00
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事業詳細
 社会インフラ分野に注力するAI(人工知能)ベンチャー。AIを用いた計画最適化システムを開発・販売・保守・運用サポートしており、エネルギー消費量の削減、輸送効率や生産効率の向上といった顧客の課題を解決している。
 具体的には、各顧客の計画対象業務を数式化することにより、複雑な業務を再現するシミュレーターを開発し、デジタル空間上に機器、設備、人、車両などの動きを再現する。シミュレーター上では仮想的に設備、車両などを動かし、業務のシミュレーションを行うことができるため、ビッグデータを使用せずにシミュレーション結果を生み出せる。そして、その結果から得られるデジタルデータを基にKPI(重要経営指標)の最大化や計画の最適化を可能とするアルゴリズムを開発し、業務システムに組み込む。

1.電力・エネルギー分野
 国内電力事業者向けに発電所の需給計画の最適化プログラムを開発納入している。電力需要を予測し、同予測に基づく発電が可能となるよう各発電所の需給計画をAIアルゴリズムで最適化する技術サービスを提供している。

2.物流・サプライチェーン分野
 AIアルゴリズムを取り入れることで輸送計画を最適化する技術サービスを提供している。輸送計画最適化の応用分野として、サプライチェーン(供給網)分野での計画最適化の技術サービスも提供している。

3.都市交通・スマートシティー分野
 人の動きや消費活動、ビルのエネルギー使用状況などをデジタル空間に再現するスマートシティー・シミュレーターのコアとなるAI開発部分や、スマートシティー・プロジェクトにおけるエネルギーマネジメントのAI開発部分を担当している。
 また、機械学習を応用し高速道路の渋滞予測システムを提供している。

 2022年6月期の売上高構成比は、電力・エネルギー分野24.2%、物流・サプライチェーン36.0%、都市交通・スマートシティー34.5%、その他5.3%。
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・直近(2019年10月)の第三者割当増資の発行単価は、転換や分割を遡及(そきゅう)修正すると3138.67円。
・既存株主には90日のロックアップが掛かる。
・新株予約権は上場後6カ月以降、将来の功績に応じて役職員らに順次分配される。24.6期中に分配されるのは23万7000株分。

〈ファーストインプレッション〉
 インフラ系企業はコストより安全安定性を最優先する傾向にあり、寡占企業であることも多いことからカネ払いはいい傾向にあるが、そのせいか同社の粗利利率は足元で7割を超えており、AIベンチャーの中でもさらに高い。現在人気がウナギ上りの業態であるうえ、複数の大手商社が出資する見栄えのよさも手伝い人気化することになりそうだ。
仮条件分析 (BB参加妙味 :S)
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想定価格: 1,790円
 吸収資金レンジ: 20.5億円 - 23.6億円(前期予想単独PER: 34.2倍)
 時価総額レンジ: 80.8億円

仮条件: 2,000円 - 2,140円
 吸収資金レンジ: 23.0億円 - 28.3億円(前期予想単独PER: 38.3倍 - 40.9倍)
 時価総額レンジ: 90.2億円 - 96.6億円

 仮条件は想定価格を11.73~19.55%上回る140円幅で設定された。

〈強材料〉
超人気業態、AIバブル、仮条件大幅上振れ、アベジャ高騰、大手商社が出資、利益率高い

〈弱材料〉
業績水準低い、重大事故リスク、AIバブルの持続性

〈結論〉
 Sとする。公開価格が仮条件上限ならば、初値は6000~7000円(前期実質PER:252~294倍)を想定する。
 AIバブル際まるなかアベジャがセカンダリーでも高騰し、AIベンチャーの人気はさらに高まることになりそうだ。

 社会インフラ分野を得意とするAIベンチャーであり、具体的には発電所の需給計画の最適化プログラムや、輸送計画最適化の技術サービス、スマートシティに関連するAI、高速道路の渋滞予測システムなどを開発している。

 なお業績は20.6期にかけて大きく落ち込んでいるが、これは事業ポートフォリオを入れ替えた影響だ。もともと同社は再生エネルギー事業に取り組む目的で2009年10月に設立され、メガソーラー発電所を開発するエネルギーソリューション事業を手掛けるようになった。送電網を意味する英語が社名なのはこの名残なのだろう。
 だが、その後に始めた発電電力量予測アルゴリズムの研究開発が高じ、AI開発事業を15年7月に開始。17年からはエネルギーソリューション事業を縮小し始め、20年11月に撤退が完了した。19.6期から21.6期にかけては事業転換のための先行投資により経常赤字が続いた。

 上場は事業転換と先行投資が終わり、少額ながら前期に黒字に浮上し、利益が拡大し始めたタイミングということなる。AIベンチャーは黒字浮上前後で上場するケースが多い。薄利のうちに上場するためバリュエーションの判断が難しいケースが多いが、素の実力を示す粗利率は70%台に上るのが特徴的だ。
 これまでは高くても60%程度であったが、インフラ分野に特化することで品質を最優先する顧客に恵まれているものと推測する。インフラ系の会社は寡占企業で資金繰りに余裕があることが多いうえ、重大事故が起これば取り返しのつかない損失につながりやすいため、目先の利益よりも安定性や安全性を最優先に考えるものだ。それだけに同社にとってもハイリスクを背負った結果ゆえの利益率であることは踏まえておく必要があろう。

 このため同社もAIバブルに乗る可能性は高いとみる。まだ税金支払いのない同社の23.6期純利益は経常利益を上回る予想だが、これを正常化してさらに希薄化をそ及した実質PERは想定価格で75倍。仮条件では84~90倍に引き上げられた。それに対し多くのAIベンチャーは3桁台で推移しており、先日上場したアベジャは実質350倍に上っている。

 AI株人気はアベジャのセカンダリー高騰を受けて、さらに高まることになろう。今回は事業転換を始めてから出資した大手商社の信頼性があるうえ、ベンチャーキャピタルはいない。売買代金はアベジャより多い50億円を前提に、6000円台で想定する。アベジャの売買代金は空白期間明けボーナスが上乗せされた結果だが、今回は二匹目のドジョウを狙う買い手が上乗せされる。
公開価格分析
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公開価格: 2,140円
 吸収資金: 28.3億円(前期予想単独PER: 40.9倍)
 時価総額: 96.6億円

 公開価格、追加売り出し株数ともに上限で決まった。引受価額は1968.80円。訂正目論見書によればブックビルディングの状況は、申告された総需要株式数が公開株数を十分に上回り、総件数が多数にわたっていたうえ、価格ごとの分布は仮条件の上限価格に集中していたことが特徴だった。

 6月下旬に入りAIバブルが落ち着き始めたうえ、今週に入ってからは初値買い意欲の後退も見受けられる。一方、同日上場がなくなった途端にWTOKYOの売買代金は30億円にも上った。7月に入れば上場ラッシュは一服し、同日上場もないため基本強気姿勢に変わりないが、一回り大きいこともありこれまでのように強気一辺倒というわけにもいかなそうではある。
初値予想
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初値予想: 6,500円(前期予想単独PER: 124.4倍)
初値買い妙味: B

 初値高騰を予想する。AI(人工知能)バブルは落ち着き始めたものの、6月の権利落ちから初値買い意欲は再び高まっている。手あかの付いてない出遅れ銘柄への物色意欲は強いうえ、高い粗利率を上げる同社への期待は高い。買い殺到を想定し、初値は公開価格の3倍を超えてくるとみる。

 社会インフラ分野に注力するAIベンチャー。もともとは大規模太陽光発電所の開発を手掛けていたが、発電電力量予測アルゴリズムの研究開発が高じてインフラに特化したAI開発に取り組むようになり、事業転換した。現在では電力・エネルギー分野のほか、物流・サプライチェーン(供給網)分野、都市交通・スマートシティー分野にも取り組んでおり、AIを用いた計画最適化システムによりエネルギー消費量の削減や、輸送効率の向上、生産性向上といった顧客の課題を解決している。

 事業ポートフォリオ入れ替えの影響と先行投資により業績は20.6期にかけて落ち込んだが、翌期からは拡大に転じ、22.6期には黒字に転換。23.6期の営業利益は前期比2.65倍の1億8800万円に上ったと同社では予想している。粗利率は71.5%にも上る。

 インフラ系の顧客は重大事故が起これば取り返しのつかない損失につながりやすいため、目先の採算性よりも安全性や安定性を重視する傾向にあり、寡占企業も多いことから一般的にカネ払いはいいとされる。AIベンチャーの粗利率は普通のSIerに比べて高い傾向にはあるが、インフラ系に特化することで同社はより高い利益率を上げている。粗利率は実力や成長性にもつながるため、AIバブルでは粗利率の高い銘柄が優先されて物色される傾向が見られた。

 AIバブルは落ち着きを見せ始めたものの、初値買い意欲は6月の権利落ちを機に再び高まっている。公開規模は28億円とアベジャより一回り大きいが、既存株主にベンチャーキャピタルはおらずロックアップに価格による解除条項はない。さらに実力の高さとアベジャがセカンダリーで高騰したことが初値買いの勢いを強めるとみる。初値は来週に持ち越し、公開価格の3倍超となる心理的節目の6500円で予想する。
 なお、この水準の前期実質PERは270倍以上に上ることになるが、アベジャも実質ベースでは280倍だ。また、粗利率の高い同社の増益ペースは増収効果が増幅されやすいため今期期待を織り込めば急低下することになるため、警戒感にはつながりにくいとみる。

<追加予想>
 大幅な買い越しのまま初値が付かなかった。最終気配値は公開価格の2.3倍となる4925円で、差し引き59万6600株の買い越し。買い注文は売りの3.85倍あった。
 上場2日目からは約定代金の即日徴収、自己売買部門の初値買い禁止――の規制が追加される。

「3565円買い気配値――約107万株の買い越し(対当価格:なし)」

  売り        買い
 319,700株 6,010円 219,000株
 318,100株 6,000円 392,000株
----------------------------------------------------
 209,000株 4,925円 805,600株(買売倍率3.85倍)


 決して軽い公開規模ではなかったが、人工知能(AI)バブルの余波を受けて初日は予想通りの付かず。買い指し値は5000円よりも6000円の方が多く、対当価格も終始この価格を意識して推移した。最終的な買い注文は40億円近くに上った。

 ただし成り行き禁止後の対当価格は成り行きが4倍には置き換わらない事実を通じ、実際の均衡点よりも低くなりやすいとみられる。買売倍率が近く、既存株主の売却がない点も共通するエアロエッジは初日の対当価格4000円に対し、実際の初値は5860円だった。同じ初値倍率を適用すると、グリッドの初値は7500円近くまで上昇することになる。公開規模はこちらの方が大きい分、上振れしにくいとしても7000円を意識してくる展開になるのではないか。

 野村証券からリポートが出ている。社会インフラ領域への特化により類似した案件に取り組む頻度が増え、知見を蓄積することで提案力の強化による案件の受注率の上昇や、案件の着実な実行へつながると指摘。24.6期の営業利益は前期比83%増の3.43億円(EPS 62.9円)、25.6期は71%増の5.86億円(97.9円)と予想した。
初値分析
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初値: 6,400円(前期予想単独PER: 122.4倍) / 上昇率: 199.1% / 高値: 6,400円 / 安値: 5,410円 / 終値: 5,440円
出来高: 1,403,400株 / 対公開株数: 106.3% / 初値出来高: 591,600株 / 初値売買代金: 3,786,240,000円

 初値は3倍寸前まで高騰した。AIバブル一服で売買代金はABEJAの44億円を下回ったが、持ち越しになったIPOは3倍を超える傾向が強まるなか、売り手の意識も強気に傾斜。公開株数に対する売却率が44.8%と半分未満に抑えられたことで高騰した。

 寄り付き後は急落した。文字通りの初値天井となり、すぐに6000円を割り込んだ。初日の対当価格とあってしばらくは6000円を意識するもみ合いとなったが、すぐに一段安となり昼休みを挟んで5000円台後半で推移し、安値圏で引けた。5500円前後が底堅いことから後場は規制解除の先回り買いで回復する気配も見せたが、行って来いで終わった。AI人気で高値を付けてスタートするも、バブル一巡で追随買いは限られた。

 AIベンチャーの出遅れ株ではあるが、AIバブルが既に一巡したなか物色意欲は限られるもよう。だが、PERは野村予想を使えば今期基準で87倍まで下がり、軒並み3桁が並ぶなかで割高感はない。直近上場株の物色はまちまちで目先の売り買いは交錯しやすいだろうが、戻り待ちをこなして一段高の場面は期待できるのではないかとみる。
IPOスケジュール
マーケットデータ
日経平均 37,934.76 +306.28
TOPIX 2,686.48 +22.95
グロース250 644.61 +4.49
NYダウ 38,239.66 +153.86
ナスダック総合 15,927.90 +316.14
ドル/円 156.56 +0.92
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