マーケットの話題

明日の戦略
ダメ押しの下げで週間では2455円安、来週は乱高下が続くか
2024/04/19 17:12
 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり86/値下がり1554。中東の地政学リスクの高まりは原油高につながるとの見方からINPEXが上昇。海上運賃が上昇するとの見方から日本郵船や商船三井など海運株に資金が向かった。リスクオフの地合いの中、第一三共やアステラスなど薬品株の一角が上昇。動きの良さが目立ったのがさくらインターネットで、スパコン整備費用の補助を受けるとのメディア観測で朝から人気化する中、GPUクラウドサービス第2次投資計画が経産省より認定を受けたことを発表してストップ高で終えた。

 一方、主力どころではソフトバンクG、日立、キーエンスが大幅安。アドバンテストやSCREENなど半導体株が総崩れとなる中、TOWAやタツモなど中小型の装置株も商いを伴って急落した。地政学リスクが高まった際に為替が円高に振れる場面があったことから、SUBARU、三菱自、スズキなど自動車株が軒並み安。強烈な株安を受けて野村HDや東洋証券など証券株が売りに押されており、後場に決算を発表した光世証券は前期の最終黒字転換や増配発表が好感されず11.7%安となった。

 日経平均は4桁の下落。きのう反発しただけに踏みとどまってほしかったが、ダメ押しの下げに見舞われた。中東に関しては事の成り行きを見守るしかなく、軍事行動が過激になってくるのであれば、グローバルで株式市場のリスク回避姿勢が強まると思われる。株価指数が高値圏で推移していたのは日本だけではなく、不安の連鎖が広がるといったことも警戒しておかなければいけない。一方、過激化しないのであれば、きょう悲観に傾いた分は早期に修正されるだろう。まずは週明けの22日に、ある程度ギャップアップでスタートできるかどうかが注目される。横ばいもしくは下落スタートの場合、センチメントの改善には時間を要するかもしれない。

【来週の見通し】 波乱含みか。翌週の月曜29日が祝日で、三連休前の26日に日銀金融政策決定会合の結果を消化するスケジュール。日銀には不安定なマーケットを落ち着かせる役割を期待したいが、足元では円安が日本経済に及ぼす悪影響も懸念されており、日銀からは一段の円安をけん制するメッセージが出てくる可能性がある。米国では決算発表が本格化し、国内でも決算発表がスタートする。企業決算が反転の材料となる展開にも期待したいが、米国の長期金利は上昇傾向にあり、全体の地合いは悪化している。そのため、失望決算がリスクオフの流れに拍車をかける展開も想定される。中東の地政学リスクも警戒材料。日経平均は今週大きく下げており、買われる場面はあるとみる。ただ、現状では大幅高、大幅安といった極端な動きとなりやすい上に、日銀会合後の植田総裁会見を確認する前に三連休に突入する。金曜後場のボラティリティが大きくなると思われるだけに、落ち着かない相場が続くと予想する。

【今週を振り返る】 大幅安となった。米国では3月の小売売上高が市場予想を上回り、10年債利回りが4.6%台まで上昇。要人発言から利下げに対する期待が大きく後退する中、株式には厳しい流れが続いた。米金利上昇に伴い為替は円安に振れたが、為替介入への警戒がくすぶる中では日本株への好影響は限定的。オランダの半導体大手ASMLの決算が失望を誘って半導体株が売られたこともあり、日経平均は月曜から水曜までの3営業日で1500円近く下落した。木曜18日に弱く始まりながらもプラス転換したことで一息ついたかに思われた。しかし、金曜19日は半導体株が改めて強烈に売り込まれる中、中東の地政学リスクも高まったことで4桁の下落。週間では6%を超える下落となった。日経平均は週間では約2455円の下落となり、週足では陰線を形成した。
2024/04/19 15:15
指標 現値 前日比 騰落率 始値 高値 安値
日経平均 37,068.35 -1011.35 -2.66% 37,724.47 37,749.48 36,733.06
TOPIX 2,626.32 -51.13 -1.91% 2,659.95 2,662.55 2,598.45
グロース250 638.74 -21.13 -3.20% 656.63 656.96 629.46
2024/04/19 15:28
指標 現値 前日比 騰落率 始値 高値 安値
為替(ドル/円) 154.35 -0.25 -0.16% 154.60 154.67 153.56
日経平均(日足)
後場概況
日経平均は大幅反落 後場下げ渋るも1011円安
2024/04/19 15:27
 19日の日経平均は大幅反落。終値は1011円安の37068円。米国株は3指数がまちまちで終えたが、寄り付きから300円を超える下落。台湾TSMCの慎重な半導体市況見通しが嫌気されて、半導体株が強烈に売り込まれた。さらに、取引時間中にはイランの複数の地域で爆発があったと伝わり、リスクオフの様相が強まった。半導体以外の主力株も売り込まれる中、下げ幅を4桁に広げると、節目の37000円もあっさり割り込んだ。前引け間際には1300円超下落し、36700円台まで水準を切り下げた。

 後場に入ると売り圧力は和らいだ。イランの爆発に関して、午前中にはイスラエルからのミサイル攻撃といった報道が流れたが、それを否定するようなニュースも出てきたことで、やや下げ幅を縮小。ただ、情報が錯綜する中では戻りも限られ、37000円~37200円レベルでの小動きが続いた。37000円は上回ったものの、4桁の下落で終了。下落幅、下落率(2.7%安)ともに今年最大となった。

 東証プライムの売買代金は概算で5兆4600億円。大きな動きが出てくる中で、商いは膨らんだ。業種別では鉱業、海運、医薬品の3業種のみが上昇。電気機器、機械、金属製品などが大幅に下落した。昼休みに前期の純利益および期末配当の見通しを引き上げた神栄<3004.T>が後場急騰。半面、東京エレクトロン<8035.T>、レーザーテック<6920.T>、ディスコ<6146.T>が8%台の下落と、半導体装置株が軒並み急落した。
前場概況
日経平均は大幅反落 4桁の下落で37000円を割り込む
2024/04/19 11:43
 19日の日経平均は大幅反落。前引けは1260円安の36818円。まちまちの米国株を受けても、寄り付きから300円を超える下落。半導体株の下げが大きくなった。安く始まった後も下げ幅を拡大。イランで爆発があったことが伝わり、イスラエルの発射したミサイルがイランに着弾したことを米政府高官が認めたといった報道も出てきたことから、リスクオフの様相が強まった。指数は10時過ぎに下げ幅を4桁に拡大。これにより売りが売りを呼ぶ流れとなり、37000円を割り込み、36700円台に突入した。下げ幅を1300円超に広げる場面もあり、安値圏で前場を終えている。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆7500億円。業種別では、鉱業、海運、石油・石炭の3業種が上昇。中東の地政学リスクが一段と高まったことで、原油や海上運賃が上昇するとの見方が強まった。一方、電気機器、機械、精密機器などが大きく売られている。スーパーコンピューターの整備費用として501億円の補助を受けるとメディアで報じられたさくらインターネット<3778.T>が急騰。ストップ高をつける場面もあった。売られている方では半導体株の下げがきついが、他では株安が進んだことから、野村ホールディングス<8604.T>や大和証券グループ本社<8601.T>など証券株が弱い。
今日の株式見通し
軟調か 米長期金利の上昇が重荷に
2024/04/19 07:49
 東京市場は軟調か。米国株はまちまち。ダウ平均が上昇し、S&P500とナスダックが下落した。ダウ平均は22ドル高の37775ドルで取引を終えた。序盤では強く買われる場面もあったが、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁からタカ派的な発言が出てきたことなどから長期金利が上昇。テスラなどグロース株の一角が弱く、中盤以降は失速した。ドル円は足元154円60銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて380円安の37790円、ドル建てが350円安の37820円で取引を終えた。引け後に決算を発表したネットフリックスは時間外で大きく下落している。

 ダウ平均はプラスで終えたが、全般的に引け味は悪かった。米金利の上昇やネットフリックスの時間外の下落はグロース株にとって逆風となる。今週の日経平均はきのう18日は上昇したが下押し圧力の強い地合いが続いており、売りに押されることになるだろう。来週からは3月決算企業の業績発表がスタートすることから、下に値幅が出れば押し目は拾われるとみる。安く始まって売りが一巡した後は、売買自体が手控えられて方向感に欠ける動きが続くと予想する。日経平均の予想レンジは37600円-38200円。
市場スケジュール
今日の予定はありません
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プレミアム銘柄の最新情報
大きく動いた銘柄
トレーダーズ・コンパス
04/19の日経平均をテクニカル判定
移動平均線
パラボリック
H&L転換
ポイント&フィギュア
総合判定
RSI
25.23
ストキャスティクス
13.41
騰落レシオ
100.02
移動平均乖離率
-2.87
総合判定
売られ過ぎ
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