明日の戦略-後場切り返して21400円台を回復、来週は米中協議にらみも底堅い展開か

2019/10/04(金) 16:59
 4日の日経平均は3日ぶり反発。終値は68円高の21410円。米国株高でも円高を嫌気して下げて始まると、前場は小幅安での時間帯が長く続いた。しかし、前引けにかけて下げ幅を縮めると、後場に入ってプラス転換。週末で動意は乏しかったものの、下値不安が和らいだことでその後も静かに買いが入り、21400円台を回復して高値引けとなった。東証1部の売買代金は概算で1兆8200億円。業種別では石油・石炭、陸運、不動産などが上昇している一方、銀行、海運、保険などが下落している。上方修正を発表したレイがストップ高。半面、1Qの最終赤字が前年同期比で拡大した三協立山が後場に入って急落した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1191/値下がり858。証券会社がレーティングを引き上げたJR東海が3%超の大幅上昇。村田製作所や任天堂、リクルートHDなどに強い動きが見られた。、モビリティイノベーションの実現に向けた企業間連携連携を推進する「MONETコンソーシアム」への参画を発表した日本エンタープライズが商いを伴って急騰。上方修正と増配を発表した霞ヶ関キャピタルがストップ高まで買われた。一方、コロプラが4%を超える大幅下落。KLabやブシロード、ドリコムなどの他のゲーム株も大きく売られた。アドバンテストは買いが先行したものの失速してマイナス転換。9月度の月次が弱かった幸楽苑HDが大幅安となった。直近急伸のアトラやリーバイス、ノムラシステムは週末を前に利益確定売りに押されて大きく値を崩した。  日経平均は後場に買いが入り、21400円台まで戻して終えた。終値(21410円)は13週線(21305円、4日時点、以下同じ)、52週線(21365円)、26週線(21373円)を上回り、週の終わり方としては悪くない。来週のカギを握るセクターとして半導体株に注目しておきたい。きのうプラスで終えた東京エレクトロンやディスコは連日の上昇。きょうは失速したアドバンテストなどもほとんど大きな押し目を作ることなく右肩上がりの基調が続いている。為替があまりフォローとはなっていないなかでも買われている点が特筆され、このところは全体が値を崩す場面でも半導体株は底堅さを見せることが多い。投資家の注目度も高いだけに、これらが不安定な相場のなかで堅調を維持できるようなら、全体にも良い影響が及ぶと予想する。 【来週の見通し】  底堅い展開か。10日から米中の閣僚級協議が予定されており、基本的にはこの内容を見極めたいとの見方から、様子見姿勢の強い地合いが続くと予想する。ただ今週、米国株が経済指標の悪化を理由に大きく崩れたことから、協議を前にしては、米中は対決色を強めないのではないかという期待の方が強くなると考える。米国の追加利下げ期待も高まっており、米国株はいったん持ち直すと想定。日本株にも下げ止まりを期待した買いが入ると考える。また国内では、小売株を中心に決算が多く出てくることから、個別の活況が全体を下支えするだろう。米中協議関連のニュースが出てくればそれに大きく振らされることにはなりそうだが、今週大きく下げた分、来週は下げづらい相場環境が続くと予想する。 【今週を振り返る】  軟調となった。トランプ米大統領が対中投資の制限を検討していると伝わり、週初から売りに押される展開。さらに9月の米ISM製造業景気指数が大幅に悪化したことで、景気回復への楽観的な見方が急速に冷やされた。その後に出てきた米指標も弱い内容となり、ダウ平均は連日の大幅下落。日経平均も21500円を割り込み下値模索が続いた。米国株に切り返しが見られたことから週末にかけては買い戻しも入ったものの、米利下げ期待の高まりから為替市場で円高が進んだことから、戻りは限定的となった。日経平均は週間では468円の下落となり、週足では2週連続で陰線を形成した。 【来週の予定】  国内では、8月景気動向指数(10/7)、8月家計調査、8月毎月勤労統計、8月経常収支、9月景気ウォッチャー調査(10/8)、9月工作機械受注(10/9)、9月企業物価指数、8月機械受注、9月都心オフィス空室率、30年国債入札(10/10)、9月マネーストック、オプションSQ(10/11)がある。  企業決算では、クリエイトSDH、北雄ラッキー、Fブラザース、WNIウェザー、小津産業、シグマ光機、ヨンドシーHD、フジ、トーセイ(10/7)、Jフロント、イオンモール、吉野家HD、イズミ、KG情報、タビオ、アイケイ、パルGHD、jGroup、シリコンスタシオ、北興化、中北製、ライトオン、ポプラ、井筒屋(10/8)、コメダ、イオン、ファミリーマート、ローソン、ウエルシアHD、ABCマート、イオン九州、MV東北、カネ美食品、ライク、ジーフット、トレファク、MV九州、U.S.M.H、スタジオアタオ、創通、ファンタジー、リソー教育、東京個別、ベル24HD、サンデー、MV北海道、イオン北海、コジマ、サイゼリヤ、三光合成、ライフコーポ、MV東海、MV西日本、AIT、イオンディライ、ミニストップ、ヤマザワ(10/9)、ファーストリテイ、竹内製作、タマホーム、コシダカHD、柿安本店、スタジオアリス、いちご、夢の街、大黒天、ビックカメラ、キリン堂HD、7&I-HD、アレンザHD、SHIFT、久光薬、明光ネット、エスクローAJ、OSG、津田駒、マルマエ、技研製、ローツェ、安川電、良品計画、マニー、松屋、リベレステ、ナルミヤ、USENNEXT、歌舞伎、乃村工、CSP、オオバ、カンセキ、プレナス(10/10)、東宝、高島屋、サンヨーナゴヤ、進和、ウエストHD、日本国土、イージェイHD、パソナG、S Foods、ディップ、ハブ、JINSHD、SFP、ニッケ、三栄建築、フィルカンパニ、コスモス薬品、クリレスHD、タカラリート、住江織、串カツ田中、ほぼ日、レナウン、テラスカイ、PRTIMES、UUUM、サインポスト、チームスピリト、リックソフト、ダイト、MORESCO、マルゼン、東洋電、ベイカレント、RPA、古野電、anfac、佐鳥電機、コーナン商事、エコス、IDOM、インタアクション、ノダ、イワキ、リテールPT、島忠、チヨダ、リンガハット、MrMaxHD、モリト、アークス(10/11)などが発表を予定している。  海外では、ノーベル医学生理学賞発表、米8月消費者信用残高(10/8 4:00)(10/7)、ノーベル物理学賞発表、米9月生産者物価指数(10/8)、ノーベル化学賞発表、FOMC議事録(9/17~9/18開催分)、米10年国債入札(10/9)、米中閣僚級通商協議(~10/11、ワシントン)、ノーベル文学賞発表、米9月消費者物価指数、米30年国債入札(10/10)、ノーベル平和賞発表、米9月輸出入物価指数(10/11)などがある。  米企業決算では、デルタ航空(10/10)が発表を予定している。
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