明日の戦略-大幅反発で週間でも17%高、一定の戻り達成も来週は不安定な展開か

2020/03/27(金) 16:59
 27日の日経平均は大幅反発。終値は724円高の19389円。米国株が弱い雇用指標を受けても政策期待から大幅高となった流れを受けて買いが優勢の展開。寄り付きから19000円台を回復した。ただ、その後上げ幅を700円超に広げたものの早々に失速。19000円を割り込み18800円近辺でしばらくもみ合った。後場に入ると再び強含んだが、上を試せば戻り売りも出るなど、方向感は定まらなかった。しかし、終盤にかけては配当再投資をにらんだ買いが指数を押し上げ、高値引けとなった。東証1部の売買代金は概算で3兆9000億円。業種別では精密機器や電気・ガス、医薬品などが大幅上昇。一方、石油・石炭が唯一下落したほか、鉱業や海運など市況関連の上昇が限定的となった。上方修正と自己株取得を発表したりらいあコミュニケーションズが後場急騰。半面、今期大幅減益計画のセキチューが急落した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1995/値下がり148とほぼ全面高。トヨタやソニーが大幅上昇。東京エレクトロン、信越化学、東京精密など半導体関連に強い動きが見られた。テルモは指数と連動する格好で大引けにかけて急伸しており11%高。ドコモが5%超の上昇で2002年5月以来の高値をつけ、市場の注目を大きく集めた。減損計上が濃厚となったものの、配当据え置き見込みが好感された三井物産が大幅上昇。LINEとの提携を発表した出前館がストップ高まで買われた。週末を前にマスクや防護服銘柄を物色する流れは継続し、川本産業やアゼアスなど多くの関連銘柄の多くがストップ高となった。一方、外出抑制の流れが強まる中、串カツ田中や幸楽苑、力の源など外食関連の一角が大幅安。下方修正と減配を発表した一蔵や、配当見送りを発表したUTグループが急落した。主力優位の流れの中で直近IPO銘柄が売りに押されており、きのう上場のアディッシュが14%超の下落。サイバーセキュリティクラウドも後場に入って下げに転じた。株高の一方でREITが再び崩れており、JHRやGLPが大幅安となった。  日経平均は週間で17%高。16000円台から一気に19000円台にジャンプアップした。2月以降の下げが異常であったことの裏返しでもあるが、それにしても強い反転を見せた。高値は19564円まであり、欲を言えば2万円に乗せておきたかったところではあるが、もたつくことなく鋭角的に戻したことで、売り込む怖さも強く印象づけられた。まだ乱高下はあるかもしれないが、米国でもダウ平均が直近安値から2割以上上昇しており、一息ついた感はある。来週は日米中で経済指標の発表が多いが、これらに対する株式市場の反応が注目される。昨晩の米国市場では、新規失業保険申請件数が記録的な低水準となったものの、ダウ平均は経済政策への期待の方が勝って大幅高となった。どの国もこの先に出てくる指標はひどいものが多くなるだろう。ただ、だからこそ各国で積極的な対策が採られており、市場の目線もそちらに向いている。弱い指標で大きく下げるということが少なければ、日経平均は先週でいったん底を打ったとの見方が強まる可能性が高い。 【来週の見通し】  不安定な展開か。今週、東京での新型コロナウイルスの感染拡大とこれに伴う外出自粛要請が出てきたことから、引き続き関連のニュースに神経質となる展開が続くと予想する。また、日本、米国、中国で注目度の高い指標の発表が多く、こちらの結果にも一喜一憂することになりそうだ。日米ともに今週強い反発が見られたことから、押し目があれば買いも入ると考える。また、新年度入りで実需の買いなども期待できることから、悲観一辺倒にはならないだろう。ただ、「首都封鎖」の可能性まで浮上するような状況では一気に楽観に傾く展開も期待しづらい。週末に米雇用統計の発表を控えていることもあり、上下に振幅は大きく出ても方向感は定まらないと考える。 【今週を振り返る】  堅調となった。週の前半は前週にTOPIX優位、日経平均劣位となった流れが修正されるような動きが出てきて、急落していたソフトバンクGが23日にストップ高まで買われるなど、主力株を中心に巻き戻しの動きが見られた。米国では大型の経済対策への期待が高まったことで米国株が鋭角的に切り返し、この流れにも乗る格好で日経平均は24日、25日と連日で4桁の上昇を記録。東京で新型コロナウイルスの感染拡大が確認されたことから大きく売られる場面もあったが、米国株高を追い風に、週間では大きく上昇した。週間では約2836円の大幅上昇となり、週足では6週ぶりに陽線を形成した。 【来週の予定】  国内では、2月失業率 、2月有効求人倍率 、2月鉱工業生産、2月商業動態統計、2月住宅着工統計(3/31)、3月調査日銀短観、3月新車販売台数、3月軽自動車販売台数(4/1)がある。  企業決算では、しまむら、オークワ、スターマイカHD、ストライク、銚子丸、大光、岡山製紙、ERI HD、マルマエ、フィードフォー、NaITO(3/30)、トシンG、TAKARA&C、パレモ・HD、YE DIGIT、KTK、テクノアルファ、日本エンタ、ヤマシタヘルケア、日プロセス、アルテック(3/31)、象印、西松屋チェ、地域新聞、日フイルコン、キユソー流通(4/1)、キユーピー、平和堂、ナガイレーベ、不二越、カネコ種、アヲハタ、三協立山、毎コムネット、北恵(4/2)、サカタのタネ、ダイセキ、アダストリア、ネクステージ、大有機、ダイセキソリュ、暁飯島、トライステージ、エスプール、イーサポート、瑞光、あさひ、バイク王、霞ヶ関キャ、クラウディアH、川口化、エクスモーション、岡野バル、マルカ、ハイデ日高(4/3)などが発表を予定している。  海外では、米2月NAR仮契約住宅販売指数(3/30)、中国3月製造業 PMI、米1月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、米3月消費者信頼感指数(3/31)、ユーロ圏2月失業率、米3月ADP全米雇用リポート、米2月建設支出、米3月ISM製造業景気指数(4/1)、米2月貿易収支、米2月製造業受注(4/2)、米3月雇用統計、米3月ISM非製造業指数 (4/3)などがある。
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