明日の戦略-マザーズ失速も日経平均は大幅高、国内感染動向次第では短期調整も

2020/06/03(水) 16:40
 3日の日経平均は大幅に3日続伸。終値は288円高の22613円。米国株高と円安進行が好感されて、スタートから300円を超える上昇。22600円台で寄り付き、一気に22800円台まで上値を伸ばした。しかし、早々に買いが一巡すると、前場ではじりじりと上げ幅を縮めた。後場は強弱感が入り交じり一進一退。開始直後には切り返して22700円台に乗せたが、高くなったところでは売りに押されて22500円を割り込んだ。しかし、萎んだところでは買いが入って持ち直し、22600円台に乗せて取引を終えた。マザーズ指数は前場のうちに下げに転じると、その後はマイナス圏で推移した。東証1部の売買代金は概算で2兆7700億円。業種別では輸送用機器、非鉄金属、ゴム製品などが上昇した一方、電気・ガスや食料品、パルプ・紙などが下落している。プロ野球において、巨人が14時からの西武との練習試合の中止を発表。選手に新型コロナウイルスの陽性反応が出たと伝わっており、東京ドームが後場に入って下げ幅を拡大。半面、これを手掛かりに中京医薬品や川本産業などマスク関連が後場に入って急伸した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1177/値下がり896。ユニクロの5月度月次に改善が見られたファーストリテイリングが大幅上昇。自動車およびその周辺が強く、マツダやSUBARU、ブリヂストンなどが大幅高となった。上方修正を発表したT&DHDは3%超の上昇。不動産ファンド事業などへの参入を発表したグローバルリンクが急伸した。ブイキューブとの連携を発表したシャノンはストップ高比例配分と買いが殺到した。一方、ソフトバンクGが軟調。原油高を受けて北海道電力や東北電力など電力株は総じて弱かった。FRONTEOや弁護士ドットコムなどマザーズで買いを集めていた銘柄の多くは利益確定売りに押される展開。今期は営業赤字に転落見込みとなったandfactoryが急落した。  日経平均は22800円台まで上昇したが、さすがにそこから上値を追う流れとはならず、ローソク足では8日ぶりに陰線を形成した。ただ、実体部分は短く十字に近い線で、22500円を割り込んだところでは買いも入っている。マザーズ指数のマイナス転換をみても日経平均が崩れなかったことは収穫といえる。大きな流れとしては右肩上がりのトレンドに変化はないと考える。  ただし、新型コロナウイルスの国内感染状況には注意を払っておく必要がある。後場には、巨人対西武の練習試合が中止となり、選手に感染者が出たとの報道が流れた。プロ野球は先日6月19日からの開幕が決まった(当面は無観客)ばかりだが、仮にこの日程が再調整されるような事態となった場合には、他のイベント開催にも影響が及ぶ可能性がある。緊急事態が全面解除になったとはいえ、東京は「アラート」が出る状況。経済活動再開の流れが停滞、もしくは後退するとの見方が強まるようだと、目先の利益確定を急ぐ動きが強めに出てくる展開も想定される。
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