明日の戦略-終盤失速も22500円台はキープ、あすはファストリ下方修正の影響を注視

2020/07/09(木) 16:32
 9日の日経平均は3日ぶり反発。終値は90円高の22529円。小幅高スタートから下げに転じる場面もあったが、前場は小じっかり。後場は日銀ETF買いが入るとの期待が高まったほか、中国株の上昇などを手掛かりに一時200円超上昇した。ただ、高くなったところでは売りも出てきて終盤には失速。大引けが後場の安値となったが、前引け(22486円)や節目の22500円は上回った。一方、マザーズ指数やジャスダック平均は下落で終えた。東証1部の売買代金は概算で2兆2200億円。業種別では情報・通信、電気・ガス、電気機器などが上昇している一方、空運、不動産、鉄鋼などが下落している。ソニーが後場に入って買いを集めており、3%を超える大幅上昇。半面、1Q決算が失望を誘ったツインバード工業が後場に入って急落した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり594/値下がり1496。伊藤忠がTOBを仕掛けたファミリーマートがストップ高比例半分。同業のローソンにも思惑買いが入った。コロワイドがTOBを仕掛けた大戸屋もストップ高比例配分。ライセンス申請にかかるリリースを材料にエーザイが大幅高となった。証券会社が目標株価を引き上げたソフトバンクGは4%超の上昇で年初来高値を更新。1Q決算がポジティブサプライズとなったベルシステム24が急伸した。一方、前日ストップ高のステムリムは一時ストップ安となるなど急落。イオンやイオンFS、イオン北海道など決算を発表したイオン系の大半が大幅安となった。きょうはコンビニ株が賑わったが、1Q決算がさえなかったポプラは後場の決算発表後に大きく値を崩した。上場3日目で高い初値をつけたBエンジニアはその後も買いが続いてストップ高で終えた。  日経平均は後場に強含む場面もあったが、結局22500円に収れんするかのように、引けにかけては上げ幅を縮めた。ただ、それでも終値(22529円)では5日線(22520円、9日時点、以下同じ)や25日線(22475円)を上回っており、しっかりとした動きであった。引け後にファーストリテイリングが通期の見通しを下方修正しており、あすはこの影響が全体にどの程度出てくるかが注目される。営業利益ベースでは従来計画の1450億円を1300億円に引き下げたが、3Qの着地1324億円を下回っており、4Q期間では利益を見込めないとのメッセージ。その3Qにしても、2Qの1367億円から利益が減少しており、総じて内容はネガティブ。発売時に各地で行列を作ったエアリズムマスクは依然品薄状態で、こういった商品が挽回材料となることはある程度見えてはいるものの、今回の結果を市場はどう受け止めるか。折しも日経平均はチャートが煮詰まっており、指数寄与度の大きい同社が崩れてしまうようなら、それが引き金となって下方向に勢いがつく可能性は否定できない。逆に言えば、この決算がファストリ株を売り崩す材料とはならない、もしくは、ファストリが大幅安となっても日経平均はそれほど下げない場合には、下値不安は相当和らぐことになるだろう。
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