明日の戦略-気迷い相場が続くも25日線は強いサポート、来週は決算期待の買いが入るか

2021/04/16(金) 17:03
 16日の日経平均は続伸。終値は40円高の29683円。ダウ平均の34000ドル台到達を受けて、150円近く上げて始まった。しかし、寄り付きを高値に失速。ほどなく下げに転じた。その後は、マイナス圏に沈むと買いが入るものの、切り返して上げ幅を広げてくると戻り売りに押される展開。終盤にかけては上を試す動きも見られたが、押し戻されて小幅な上昇で取引を終えた。前引けでは下落していたTOPIXは、後場に入ってプラス圏に浮上。買い先行から寄り付きを安値に上げ幅を広げていたマザーズ指数は、取引終盤に高値をつける強い動きとなった。長期金利低下を受けて、REIT指数が終値ベースでの年初来高値を更新した。  東証1部の売買代金は概算で2兆0500億円。業種別では鉱業や保険、空運などが上昇している一方、海運や電気・ガス、銀行などが下落した。高島屋やJフロントなど百貨店株が、良好な月次を材料に後場プラス転換から上げ幅を拡大。半面、21.3期決算において特損を計上する見込みとなったことを発表した明治機械が急落した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1021/値下がり1051。米長期金利低下でグロース株が刺激され、エムスリーが3%高。大型株の買いづらさが意識される中、BASEやAIインサイド、弁護士ドットコムなど、マザーズの主力どころの銘柄に強い買いが入った。紀文食品は社長の日経CNBC出演もあって連日の大幅高。複数の買い手が関心を示していると伝わったスクエニHDが急伸した。1Qが大幅増益となったHIOKIがストップ高。上方修正や配当実施を発表したAmidAは場中は値が付かずストップ高比例配分となった。  一方、買収提案を拒否するとの観測が報じられた東芝は、会社側からこれを否定するコメントが出てきたものの6%安。富士フイルムは中期計画の内容が好感されず、売りに押された。米国ではハイテク株が強かったが、SCREENやディスコなど半導体関連の一角が軟調。関東圏で「まん防」適用地域が拡大される方針となったことからOLCが下落した。ヨシムラフードやうるるは業績関連のリリースを材料に大幅安となった。  上場2日目で高い初値をつけたサイバートラストは、その後も買いが続いてストップ高で終えた。  日経平均は寄り付きを高値に失速したが、プラスは確保した。4月6日以降、上昇と下落が交互に出現しており、順番ではきょうは下落の日。場中に何度か下げに転じており、センチメントが弱気に傾いてもおかしくはなかったが、安値は29621円までで、29500円台をつけることもなかった。今週は明らかに上値は重かったが、一度も25日線を下回ることがなかった点は特筆される。押し目があれば買いを入れておきたいと考える投資家が多いのだろう。米国株の上昇に連れ高できないことは珍しいことではなく、この先の決算発表で商いが盛り上がってくれば、一気にキャッチアップする展開も期待できる。もうしばらくはもどかしい状況が続くかもしれないが、大きな動きが出てくるとすれば、上の可能性が高いと考える。 【来週の見通し】  堅調か。22日に日本電産、23日にエムスリーと注目企業の決算が続き、以降は業績相場が本格化する。来週はまだ数が少なく、エムスリーも決算を消化するのは翌週になるため、基本的には今週同様に様子見ムードの強い地合いが続くだろう。ただし、決算ラッシュが近づく中では、売りが手控えられると考える。海外では、ECB定例理事会や、米国のIBM、ネットフリックス、インテルの決算などが注目される。米国では決算の先陣を切った金融株の決算や株価の反応は、概ね良好であった。テクノロジー株がこれに続けば、決算発表期間中は強いラリーになるとの期待も高まる。まだ大きな動きは出づらいとみるものの、やや楽観ムードが高まり、水準を切り上げる展開を予想する。 【今週を振り返る】  方向感に乏しい地合いが続いた。月後半に控える決算発表を前に、期待と警戒が交錯。日経平均は下げても29500円は割り込まない一方、3万円に近付くと上値が重くなった。週後半にかけては、日米首脳会談を前に一段とこう着感が強まった。米国株は良好な経済指標や長期金利の低下を追い風に、ダウ平均とS&P500が史上最高値を更新。日本株はこの動きにいまいち乗り切れなかったものの、外部環境が良好であったことは相場の下支えとなった。週間では約84円の下落となり、週足では2週連続で陰線を形成した。 【来週の予定】  国内では、3月貿易収支、3月首都圏マンション販売(4/19)、2月第3次産業活動指数(4/20)、3月全国消費者物価指数(4/23)などがある。  企業決算では、いちご、ライフフーズ、東天紅(4/19)、マクアケ、ゲンキードラ(4/20)、ジャフコG(4/21)、日電産、中外薬、オービック、ディスコ、OBC、KOA、ナガセ、エレマテック、エイトレッド、KIMOTO(4/22)、エムスリー、キヤノンMJ、東製鉄、菱鉛筆、岩井コスモ、蝶理、サーティワン、ジェコス、高度紙、アルビス、アクシーズ、高純度化、モバファク(4/23)などが発表を予定している。  海外では、ECB定例理事会(ラガルド総裁記者会見)、米3月中古住宅販売(4/22)、米3月新築住宅販売(4/23)などがある。  米企業決算では、、IBM、コカ・コーラ(4/19)、ネットフリックス、プロクター・アンド・ギャンブル、トラベラーズ、アボット・ラボラトリーズ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、フィリップ・モリス、ロッキード・マーチン(4/20)、ハリバートン、ベライゾン・コミュニケーション(4/21)、インテル、AT&T、DRホートン(4/22)、アメリカン・エキスプレス(4/23)などが発表を予定している。
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