明日の戦略-楽観ムードが大きく後退、調整の度合いを見定める局面に
16日の日経平均は続落。終値は188円安の30323円。米国株高を受けて買いが先行し、序盤には上げ幅を3桁に広げた。しかし、早々に失速してマイナス転換。30500円近辺でしばらくもみ合った後、下方向に勢いがついた。マザーズ指数が突如大きく崩れたことも、警戒売りを誘った。300円超下げたところでは売りが一巡し、30200円は割り込むことなく切り返した。ただ、弱い動きが出てきたことから戻りは鈍く、200円近い下落で取引を終えた。マザーズ指数は後場は若干持ち直したものの、3%を超える下落となった。
東証1部の売買代金は概算で3兆4600億円。業種別では石油・石炭や鉱業、倉庫・運輸などが上昇した一方、海運やガラス・土石、不動産などが下落した。明治海運やNSユナイテッド海運など小型の海運株が、大手3社が値を消す中でも大幅高。半面、東京エレクトロンやアドバンテストなど半導体株が大幅安となった。
東証1部の騰落銘柄数は値上がり892/値下がり1186。米国市場でエネルギー株が買われたことから、INPEXや出光興産、ENEOSなどが強い上昇。証券会社のリポートを手掛かりにカルビーや明治HDなど食品株の一角に買いが入った。武田や小野薬など薬品株も全般堅調。上方修正と増配を発表したジェイリースや、中期経営計画を発表したユビテックが急伸した。
一方、キーエンス、任天堂、ダイキンなど値がさ株の多くが大幅安。日本郵船や商船三井は強めに始まったものの、失速して下げに転じた。きのう大きく跳ねたサインポストは、25%高となる場面があったものの、引けでは7%安と大きく下落した。弱かったマザーズ市場では、メルカリ、フリー、BASE、AIインサイドなど、注目度の高い銘柄の多くが大幅安。サンバイオ、アンジェス、セルソース、モダリスなどバイオ系の弱さも目立った。ほか、政策関連として直近賑わっていたイーレックス、レノバ、ウエストHDなど再生エネルギー関連が手仕舞い売りに押された。
日経平均は続落。大崩れは回避したが、楽観ムードは大きく後退した1日であった。特に、日経平均より先にマザーズが崩れているのが印象が悪い。日経平均は派手に上昇しているため、いつ調整が入ってもおかしくない。ただ、大型株への買いが一服した際には、新興市場がその受け皿になる展開が期待されていた。短期的には日本株全体で上昇一服が意識され、利益確定売りが急がれる可能性が高い。ある程度調整した後は再び上昇基調に回帰するであろうが、その調整が値幅になるのか日柄になるのかを見定める局面となる。当面は3万円台をキープできるかが焦点となるが、あっさり割り込み値幅で調整してきた場合には、26週線(28730円、16日時点)が控える29000円辺りが下値のメドとなる。
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