明日の戦略-不意打ちの下げで5月安値を下回る、ここで下げ止まるかが焦点に

2022/06/20(月) 16:37
 20日の日経平均は続落。終値は191円安の25771円。ナスダック高や朝方の米株先物の上昇を手掛かりに、200円近い上昇で26100円台からスタートした。しかし、寄り付きが高値となって急速に上げ幅を縮めて下げに転じると、一気に下方向に勢いがついた。レーザーテックなど大手半導体株の下げがかなりきつかった上に、原油安でINPEXなど市況関連も弱く、直近で人気化していた銘柄なども厳しい下げとなった。指数は5月の安値(25688.11円、5/12)もあっさり下回り、下げ幅を400円超に拡大。25500円台に突入した。一方、後場に入ると売り圧力が和らぎ、緩やかながらも戻り基調が続いた。結局200円近い下落とはなったが、後場のスタート直後に後場の安値をつけ、大引けが後場の高値と、前場と後場では方向性が真逆となった。グロースコア指数が年初来安値を更新。マザーズ指数も終値で年初来安値を更新した。  東証プライムの売買代金は概算で2兆7100億円。業種別では空運、医薬品、輸送用機器などが上昇した一方、鉱業、石油・石炭、卸売などが下落した。地合いの悪い中でソフトバンクGが3%高と大幅上昇。半面、三菱重工が9.2%安、川崎重工が7.7%安、IHIが5.4%安と、防衛関連がそろって値を崩した。  東証プライムの騰落銘柄数は値上がり363/値下がり1432。ファーストリテイリング、キーエンスなど値がさの一角が上昇。先週末はナスダックの動きが良く、リクルートはグロース株にフォローの流れに乗って2%超上昇した。ドル円が円安に振れたことから、トヨタやSUBARUなど自動車株が総じて堅調。ゲンダイエージェンシーや新光商事など自社株買いに関するリリースがあった銘柄が大幅高となった。「Kubota Glass」の米国販売開始を発表した窪田製薬HDはストップ高となった。  一方、レーザーテック、東京エレクトロン、信越化学など半導体関連が大幅安。本日はグロース株向きの地合いが予想されただけに、これらが売り込まれたことは全体の警戒ムードを大きく高めた。原油安を受けてINPEXが9%を超える下落。出光興産や富士石油など石油卸のほか、三井物産や三菱商事など商社株も大幅安となった。エニーカラーがプラス圏とマイナス圏を行き来しながら、終盤に大きく崩れて6%安。決算が失望材料となったビジョナリーHDやサンオータスが急落した。  本日、スタンダードに新規上場したヤマイチ・ユニハイムエステートは、公開価格割れからのスタートとなり、終値も初値を大きく下回った。  今年に入って期待を裏切り続けているレーザーテックや東京エレクトロンが大幅安で年初来安値を更新。グロース株がさえない中で奮闘していたINPEXや三井物産、三菱商事など主力のバリュー株が大幅安。さらに、今年のスター銘柄候補として動きが良くなっていた三菱重工や川崎重工が急落と、日本株から資金が引き揚げられたようにも見える1日となった。今晩の米国株は休場。17日の米国株はまちまちで、買い戻しを急がないと乗り遅れるような不安はない中、安心して売れる日ではあった。日経平均は先週、強烈なアゲインストの環境下でも5月の安値を割り込まなかったのに、不意打ちの下げをくらった格好で崩れており、印象は良くない。  ただ、最近は米国株の休場がからむタイミングで指数が予想外に荒れることは珍しくない。安値を更新した半導体株はともかく、それ以外の銘柄は、利益確定売りが一斉に入ったと考えられなくもない。その意味では、きょう弱かった分の修正があすに入るかが注目される。強い上昇が見られれば、きょうの下げはノイズが大きくなった程度と受け止められ、日経平均は25500円~25600円レベルで当面の底を打ったとの見方が強まりやすい。一方、ここからの戻りが鈍い場合には、3月9日につけた年初来安値(24681円、取引時間中)近辺まで突っ込む展開を想定しておいた方が良い。
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