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ROEを分解して企業を深掘りする
当該コラムは、2021年2月に「トレーダーズ・プレミアム」向けに掲載したものを加筆・修正しております。 「トレーダーズ・プレミアム」では定期的に新作コラムを掲載しております。 ぜひご加入をご検討ください。 会員サービス案内はこちら
ROEを分解して企業を深掘りする

 今回はより深くROE(自己資本利益率)を知るための、「デュポン・システム」を紹介します。

ROEの3分解〜デュポン・システム〜

 ROEは当期純利益を自己資本で割ることで求められますが、これを3つに分解したのが「デュポン・システム」となります。分解式は以下のようになります。

米国の非農業部門雇用者数の推移

@ 当期純利益 / 売上高 = 売上高純利益率
A 売上高 / 総資産 = 総資産回転率
B 総資産 / 自己資本 = 財務レバレッジ

 上記のイコールで結んだ右側の式は、売上高と総資産は分子と分母の両方にあるため、相殺されます。そのため、@ABを掛け合わせたものは当期純利益/自己資本、すなわちROEと合致します。それでは分解したそれぞれの式を確認してみましょう。

@ 当期純利益 / 売上高 = 売上高純利益率
 純利益ベースでみた利益率です。基本的には高い方が好ましいです。
A 売上高 / 総資産 = 総資産回転率
 回転率は一般の人にはなじみが薄いかもしれませんが、会社の資産をどれだけ有効に活用しているかを示す指標です。高い方がより効率的な経営を行っていると考えられます。
B 総資産 / 自己資本 = 財務レバレッジ
 総資産が自己資本の何倍あるかをみる指標となります。高ければ他人資本を上手く活用していると言えますが、あまり高すぎると財務の健全性が損なわれるリスクがあります。

 ROEを高めるためには、@利益率を高める、A会社の資産を効率良く使う、B他人資本を有効に活用する、といった施策が効果的ということが理解できるかと思います。

経営者的な視点で各指標を分析する

 ROEを分解することは、経営者的な視点を持って企業を分析しているとも言えます。優れた経営者は単純にROEを上げさえすれば良いとは考えず、経営数値を精査して、それぞれの点で課題の克服に努めます。

 ROEがこのように分解できることを知っていれば、企業の戦略に対しても、より深く考察することができます。例えば、総資産回転率が高くない企業が資産売却などを発表してくれば、「ROEを意識した戦略を採り始めた→株価の上昇にもつながるかも」 といった連想が働きます。一方、Bの財務レバレッジは借り入れを増やせば上昇する指標となりますが、金利が上昇した際などは利払いコスト上昇リスクが高まります。ROEが高くても高レバレッジの企業に関しては、 新たな借り入れを増やしてROEの上昇が見られたとしても、それだけでは株式市場の評価が高まらないこともよくあります。

長期投資では3要素がバランス良く改善している企業が狙い目

 各データは決算短信から取得できますので、3年前や5年前など過去の数値と比較することで、企業がどの程度ROEを重視した経営を行っているかを確認することができます。経営目標にROEを掲げる企業も増えていますが、それが単なるお題目になっていないかどうかを確認するには、ROEの分解は非常に有効な手段となります。3要素がバランス良く改善しているというのが理想的です。 手間のかかる作業にはなりますが、3要素の着実な改善が続いている企業は、長期投資にも耐えうると考えられます。そういった企業を発掘することができれば、パフォーマンスの向上にもつながるでしょう。