明日の戦略-3桁上昇で休場前の下げを埋める、あすもSBGから目が離せない

2020/02/12(水) 16:19
 12日の日経平均は3日ぶり反発。終値は175円高の23861円。米国ではS&P500やナスダックが史上最高値を更新するなど、東京市場が休場の間の米国株は堅調に推移したことから上昇スタート。50円程度上昇して始まり、すぐに上げ幅を3桁に広げた。ただ、好材料を受けて急伸したSBGの貢献が大きく、その後はこう着感が強まった。後場に入っても小動きの時間帯が長く続いたが、SBGの上値が重くなったにもかかわらず全体の強い基調が崩れなかったことから、大引け間際にきょうの高値をつけた。一方、値下がり銘柄の数は多く、TOPIXは小幅な下落で終えた。東証1部の売買代金は概算で2兆6000億円。業種別では騰落率上位は情報・通信、その他金融、電気機器、下位はゴム製品、建設、電気・ガスとなった。スプリントとTモバイルの合併承認報道で買われたSBGは結局11.9%高。売買代金はダントツのトップとなり、市場の注目を一手に集めた。半面、下方修正を発表した安藤ハザマが後場マイナス転換から大きく値を崩した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり796/値下がり1275。SBG一色といった相場であったが、アドバンテストや東京エレクトロンなど半導体株の一角にも非常に強い動きが見られた。上方修正と増配、株式分割を発表した大幸薬品がストップ高。3Q営業黒字転換の川本産業が14%超の上昇と、好材料のあった新型肺炎関連銘柄に資金が殺到した。社長の日経CNBC出演を受けてジモティーが大幅高。政府が基盤クラウドをアマゾンに発注するとの観測報道を手掛かりにサーバーワークスやテラスカイが値を飛ばした。三陽商会は米アクティビストからの身売り要請観測を材料に急伸した。一方、スズキやブリヂストン、キヤノンなどが軟調。メガバンク3行がそろって下落するなど銀行株が売りに押された。決算が失望となった飯田GHDやソウルドアウトが急落。昼休みに決算を発表した高橋カーテンウォール工業は大幅減収減益計画を受けて後場に売りが殺到し、ストップ安となった。  休場明けの日経平均は3桁上昇。終盤にかけて買いが入り、終値では175円高(23861円)と、休場前10日の下落分(142円安)を埋めた。値下がり銘柄は多く、SBGに押し上げられたことは事実だが、米国でもボーイングの値動きがダウ平均を大きく左右するといったことは頻繁に起こり得る。その意味では、このタイミングで指数寄与度の大きい銘柄に急伸する材料が出てきたという巡り合わせの良さのようなものを感じ取っておくべきだろう。引け後に出てきたSBGの決算は、3Q累計で前年同期比減収、130億円の営業赤字、純利益は同69%減の4766億円と見栄えは悪い。直近で買われた理由は決算ではないが、それなりの反動が出てくる展開は想定される。ただ、それに日経平均がお付き合いするか否かは注視しておく必要がある。もちろん、日本株がSBGだけで回っているわけではなく、あすの動意材料には米国株など別の要素も絡んでくる。ただ、きょうがSBGの上昇でほぼ説明がつくような1日であっただけに、あす、SBGが下げても日経平均がそれほど下げないといった動きとなるならば、全体としては上方向への勢いが強まる可能性が高い。SBGにしても2Qからは改善が伺える点もあり、きょうの値幅や商いの多さは特筆される。ネガティブな反応が限定的となるならば、投資家の注目度は非常に高いだけに、この先、同社が全体のけん引役となるような展開にも期待が持てる。
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