明日の戦略-23500円を割り込み25日線に接近、来週は海外要因に一喜一憂か

2020/10/16(金) 16:42
 16日の日経平均は続落。終値は96円安の23410円。米国株安を受けて小幅に下げて始まったが、早々にプラス圏に浮上。しばらく前日終値近辺でのもみ合いが続き、前引けは小幅なプラスで終えた。一方、後場は週末を前にリスク回避の様相が強まる展開。後場寄りから下げに転じて23500円を割り込むと、一段安で23400円も下回った。下げ幅を3桁に広げたところでは押し目買いも入ったが、マザーズ指数にも下を試す動きが見られるなど基調は弱く、終値では23500円を下回った。東証1部の売買代金は概算で1兆8500億円。業種別では証券・商品先物と鉄鋼の2業種のみが上昇し、海運が小幅な下落にとどまった。一方、陸運、鉱業、不動産などが大きく売られた。上期の決算速報値の内容が好感された丸三証券が大幅上昇。半面、四半期報告書の提出が遅れ、管理銘柄(確認中)に指定される見込みとなった理研ビタミンがストップ安となっている。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり469/値下がり1632。今期の大幅増益計画を材料に、ファーストリテイリングが4%超の上昇。KDDIやソフトバンクなど通信株が逆行高となった。中期経営計画が好感された出前館が売りをこなしてストップ高まで駆け上がり、売買代金は全市場で6位(ETFを除く)と商いも集めた。好決算を受けてベイカレントが急伸。1Qの営業利益が前年同期比5.9倍となったパソナGは、ストップ高比例配分と買いが殺到した。一方、レーザーテックやTDKなどハイテク株が軟調。直近で買いを集めていたGMO系が売られており、GMOFGはストップ安まで売られた。厳しい決算を受けて、ドトール日レスやサーバーワークスが急落。上期の大幅減益がネガティブサプライズとなったロゼッタがストップ安比例配分となった。  日経平均はこのところサポートになっていた節目の23500円を下回って終了。ファーストリテイリングの大幅高があっても100円近く下げており、値下がり銘柄の数も多かった。マザーズが下げ渋ってはいるものの、2日続けて強めに売られており、いったんのピーク感も感じられる。この先、業績相場に突入すると、PERなどでは説明できない水準まで買い上げられているものも多いだけに、調整色が強まる可能性がある。日経平均に関しては、終値(23410円)が25日線(23401円、16日時点)に接近しており、この辺りで切り返しが見られないと、チャート形状が悪化する。8月以降は25日線を割り込んだところが買い場にはなっているだけに、今回もそうなって再び上を試す展開に期待したいところだ。 【来週の見通し】  一進一退か。小売など6-8月が決算対象となる銘柄の業績発表が今週で一巡。月末にかけては7-9月の決算が続々と出てくるが、来週はその谷間にあたり、国内は材料難となる。米国ではネットフリックスやテスラなど、注目度の高いグロース株の決算が出てくる。また、22日に予定されている大統領候補者の討論会が滞りなく実施されるかという点なども、相場のかく乱要素にはなる。これら海外要因に振らされる場面は多くなるだろう。しかし、その先に決算ラッシュを控える状況下では、一時的にどちらかに傾いたとしても、それを修正する動きが出てきやすく、方向感は定まらないと予想する。 【今週を振り返る】  軟調となった。ドル円が106円を割り込み、円安に一服感が出てきたことから、米国株が上昇してもこれに対する好反応が限られた。一方で、その後に米国株が下落しても、日経平均は心理的節目の23500円近辺では下げ渋り、売りも出しづらいという流れとなった。しかし、金曜16日の後場に手じまい売りが強めに出てきたことから、週末値では23500円を下回った。大型株の手掛けづらさが意識される中、マザーズ指数は2018年の高値を上回る動きを見せた。しかし、その後は目先の到達感が強まり、週間では下落した。日経平均は週間では約209円の下落となり、週足では陰線を形成した。 【来週の予定】  国内では、9月貿易収支(10/19)、9月首都圏マンション発売(10/20)、9月訪日外客数(10/21)、9月全国消費者物価指数(10/23)などがある。  企業決算では、光世証(10/19)、ゲンキードラ、KOA、アルインコ(10/20)、ジャフコG、高純度化(10/21)、中外薬、ディスコ、ビオフェル、三谷産、エイトレッド(10/22)、富通ゼネ、キヤノンMJ、東製鉄、沖縄セルラー、京阪神ビ、菱鉛筆、カワチ薬品、モーニングスタ、サーティワン、岩井コスモ、アクシーズ、ブルドック、伊勢化、モバファク(10/23)などが発表を予定している。  海外では、中国7-9月期GDP、中国9月鉱工業生産、中国9月小売売上高(10/19)、米9月住宅着工件数(10/20)、ベージュブック(10/21)、米9月中古住宅販売、大統領候補者討論会(10/22)などがある。  米企業決算では、ハリバートン、IBM(10/19)、ネットフリックス、トラベラーズ、テキサス・インスツルメンツ、プロクター・アンド・ギャンブル、フィリップ・モリス・インターナショナル(10/20)、ベライゾン・コミュニケーション、アボット・ラボラトリーズ、マイクロソフト、テスラ、ザイリンクス(10/21)、インテル、ギリアド・サイエンシズ、ユニオン・パシフィック、コカコーラ(10/22)、アメリカン・エキスプレス(10/23)などが発表を予定している。
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