明日の戦略-29500円を割り込み下げ加速、ジャパン・リスクを強く意識

2021/04/20(火) 16:42
 20日の日経平均は4日ぶり大幅反落。終値は584円安の29100円。米国株の下落に強く反応して、寄り付きから300円を超える下落。節目の29500円を大きく割り込んだことから、その後は売りが売りを呼ぶ流れとなった。600円超下げたところでいったん下げ止まったものの、戻りは緩慢。後場に入ると改めて下を試しに行き、安いところでは29014円まで下落した。29000円割れはかろうじて回避し、終値では29100円台に乗せたものの、押し目を拾う動きはほとんど見られず、安値圏で取引を終えた。  東証1部の売買代金は概算で2兆3800億円。業種別では上昇は海運1業種のみで、パルプ・紙や石油・石炭が小幅な下落。一方、空運、不動産、倉庫・運輸などが大幅安となった。明豊ファシリティワークスがストップ高比例配分。上方修正や配当方針の変更などが好感された。半面、ホープがストップ安比例配分。今21.6期は大幅な最終赤字見通しとなり、資本増強なしでは債務超過が見込まれると公表したことから、失望売りが殺到した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり240/値下がり1899。需給のしこりがない直近IPOのサイバートラストやオキサイドが軟調相場の中でも大幅高。SUMCOが売り先行から切り返してプラス圏に浮上した。川崎汽船、商船三井、日本郵船の邦船3社がそろって上昇。大口受注を発表したインスペックや、上方修正および増配を発表した南陽が急伸した。  一方、ファーストリテイリング、東京エレクトロン、キーエンス、ダイキンなど、値がさ株が大きめの下げとなった。大阪の緊急事態宣言発令への警戒から、JAL、ANA、JR西日本、Jフロントなど、アフターコロナ関連の多くが大幅安。三井不動産や住友不動産など、不動産株も多くが下落した。上場以降、負けなしの上昇が続いていた紀文食品も、さすがに利益確定売りに押された。業績関連では、下方修正を発表したヤマエ久野や、前21.3期が営業赤字に転落する見込みとなったユビキタスAIが大きく売られた。  日経平均は大幅安。このところは29500円~3万円レベルでのもみ合いが長く続いていたため、均衡が破られたことで、動いた方向に勢いがついた。きょうの下げに関しては、大阪の緊急事態宣言発令が濃厚となったことが嫌気されたようではあるが、当件に関してはきのうの取引時間中にも話は出ており、これだけで大きく下げたというのは違和感もある。ただ、日本特有のリスクとして、もう一つ政治リスクが挙げられる。今週末の25日には、北海道、長野、広島で選挙があり、結果が菅政権の求心力にも大きく影響するとの見方が強い。このタイミングで緊急事態宣言再発令となった場合、政権与党のコロナ対応への不満が高まり、浮動票が与党批判票として野党が推す候補に流れる可能性がある。特に海外投資家からすれば、ジャパン・リスクが一気に高まったようにも映る。  本日、大きく下げたことで、短期的には指数の値動きは荒くなるとみておいた方が良い。前述の政治リスクも意識されたのだとすれば、週明け26日までは警戒ムードの強い地合いが続くかもしれない。テクニカル的には、ほぼ75日線(29104円、20日時点、以下同じ)で下げ止まっており、あすそれなりに大きな反発が見られるかが注目される。週足では、13週線(29300円)を割り込んだ。戻りが鈍く、これより下が定着した場合には、目先で26週線(27896円)が控える28000円あたりまでの下落も想定しておく必要がある。
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