IPO銘柄詳細

コメダホールディングス

コード 市場 業種 売買単位 注目度
3543 東証1部 卸売業 100株 A
スケジュール
スケジュール
仮条件決定 2016/06/10
ブックビルディング期間 2016/06/13 - 06/17
公開価格決定 2016/06/20
申込期間 2016/06/21 - 06/24
払込期日 -
上場日 2016/06/29
価格情報
想定価格 1,960円
仮条件 1,780 - 1,960円
公開価格 1,960円
初値予想 1,867円
初値 1,867円
  • スケジュールは上場企業都合により変更になる場合があります。
基本情報
代表者名 臼井 興胤 (上場時57歳7カ月)/1958年生
本店所在地 愛知県名古屋市東区葵
設立年 2014年
従業員数 9人 (2016/04/30現在)(平均45.7歳、年収834.5万円)、連結232人
事業内容 「珈琲(コーヒー)所コメダ珈琲店」チェーンなどを運営する子会社の経営管理およびそれに付帯または関連する業務など
URL http://www.komeda-holdings.co.jp/
株主数 1人 (目論見書より)
資本金 100,000,000円 (2016/05/26現在)
上場時発行済株数 43,800,000株(別に潜在株式2,523,900株)
公開株数 30,700,000株(売り出し26,700,000株、オーバーアロットメント4,000,000株)
調達資金使途 -
連結会社 1社
シンジケート
公開株数26,700,000株(別に4,000,000株)
種別 証券会社名 株数 比率
主幹事証券 大和 15,219,100 57.00%
主幹事証券 三菱UFJモルガン・スタンレー 9,345,000 35.00%
引受証券 みずほ 1,068,000 4.00%
引受証券 SMBC日興 667,500 2.50%
引受証券 SBI 200,200 0.75%
引受証券 マネックス 200,200 0.75%
大株主(潜在株式を含む)
大株主名 摘要 株数 比率
MBKP III Limited ベンチャーキャピタル(ファンド) 43,800,000 94.55%
臼井 興胤 代表取締役社長 788,400 1.70%
駒場 雅志 専務取締役 288,000 0.62%
高橋 敏夫 専務取締役 288,000 0.62%
武藤 貴史 執行役員 90,000 0.19%
長谷川 鉄也 従業員 60,000 0.13%
北川 直樹 従業員 52,500 0.11%
清水 宏樹 取締役監査等委員 45,000 0.10%
山本 智英 従業員 45,000 0.10%
丸地 猛司 従業員 45,000 0.10%
田中 啓文 従業員 45,000 0.10%
業績動向(単位:百万円)
は予想
決算期 種別 売上収益 営業利益 経常利益 純利益
2017/02 連結予想 23,767 6,870 6,650 4,467
2016/02 連結実績 21,721 6,559 6,335 4,125
2015/02 連結実績 19,186 5,912 5,023 3,219
売上収益
営業利益
経常利益
純利益
1株あたりの数値(単位:円)
は予想
決算期 種別 EPS BPS 配当
2017/02 連結予想 101.99 469.05 50.00
参考類似企業
銘柄 今期予想PER(5/30)
WDI
22.2倍 (連結予想)
ドトル日レス
15.7倍 (連結予想)
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13.9倍 (連結予想)
サンマルクHD
15.0倍 (連結予想)
バルニバービ
24.5倍 (連結予想)
ルノアール
29.2倍 (連結予想)
事業詳細
 フルサービス型の喫茶店「珈琲(コーヒー)所コメダ珈琲店」と「甘味喫茶 おかげ庵」をチェーン展開している。
 1968年1月名古屋市にて第1号店が開店し、77年に株式会社化された。08年4月に創業者からアドバンテッジパートナーズ系のファンドに事業売却され、さらに13年2月に現在の株主であるMBKパートナーズ系のファンドに売却された。

 郊外の住宅街に広い駐車場付きの店舗を構え、内装は高い天井や大きな採光面による明るく開放的な空間、適度な席間距離や間仕切りによるプライベート感の確保、座り心地を追求したソファーなどを特徴としている。

 FC(フランチャイズチェーン)方式を採っており、同社は加盟店に対し、出店物件の選定や、店舗建物・内装などの設計施工ノウハウの提供、喫茶店運営の指導、食資材の製造・卸売り、店舗用地・建物の転貸などを行っている。加盟店の研修施設やモデル店として、FC事業の補完を目的に直営店も出店している。
 2016年4月末の店舗数はコメダ珈琲店682店(うち直営10店)、おかげ庵7店(1店)。地域別では、中京エリア343店、東日本172店、西日本166店となっている。

 2016年2月期の売上高構成比はFC事業100%。
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・株主優待として年間2400円分(半期1200円分×2回)の系列店で使える金券(電子マネー)「KOMECA」が贈られる。電子マネーに換えてギフトも選択可能。
・売出株式のうち取得金額3億3100万円分(想定価格では16万8800株)を上限に、FC加盟店オーナーのFC持ち株会に親引けする予定。
・直近(2014年11月)となる会社設立時の出資価格は、分割を遡及(そきゅう)修正して2.28円。
・筆頭株主と新株予約権保有者には180日間または90日間のロックアップが掛かる。


<ファースインプレッション>
 かねてより上場観測のあった喫茶店運営会社であり、直接1部上場見込みであることからも注目度は高い。ただし、ファンドの純粋なイグジット案件であり、公募はゼロだ。同社はFC方式を採るため、出店費用は加盟店持ちで資金をそれほど必要としないものの、競合も同形態の店舗をマネし始めた後とあって今後の成長性は限られそう。調整後のPERは18.7倍となり割安感は乏しい。一方、配当性向の目標が50%と高く、優待含めた利回りは年3.76%とまずまずの水準だ。これが下支え役になり、初値は公開価格を意識した水準にとどまるのではないか。
 なお、2月決算企業が6月に上場するには日程的に多少無理をしないとならないため、珍しいケースだ。わざわざ需給の不利なラッシュ期に上場する必要性は全くないどころか自滅行為なわけだが、6月に滑り込ませたのは恐らく売り手であるファンド決算の都合だろう。ちなみに事前報道では上場時の時価総額は1000億円とあったが、想定価格では858億円にとどまる。
仮条件分析 (BB参加妙味 :C)
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想定価格: 1,960円
 吸収資金レンジ: 523.3億円 - 601.7億円(今期予想連結PER: 19.2倍)
 時価総額レンジ: 858.5億円

仮条件: 1,780円 - 1,960円
 吸収資金レンジ: 475.3億円 - 601.7億円(今期予想連結PER: 17.5倍 - 19.2倍)
 時価総額レンジ: 779.6億円 - 858.5億円

 仮条件は想定価格を上限に決められた。下限価格は想定を9.18%下回る。また、3億3100万円を上限とするとされていたFC持ち株会への親引けは5万6000株が上限となった。金額では1億1000万円で、実質的に3分の1程度に縮小された。

<強材料>
業績堅調、東証1部直接上場見込み、IPOラッシュ、大型案件、優待あり、まだ出店余地あり、高利益率

<弱材料>
ファンドの出口案件、模倣始まる、借金漬け、のれん巨額、再びデフレ圧力、大型上場

<結論>
 Cとする。公開価格に対し、-5%程度~同値の初値を想定する。
 PERに割高感はないものの、割安感もない。ここのところ国内吸収金額が500億円を超えるファンドのイグジット案件は軒並み公開価格割れしている。日程的にIPOラッシュによる買い疲れも警戒されることから、売り越しスタートを想定する。ただし、優待配当利回りが4%あり、競合と比べてやや有利なことから下値は限定されると考える。

 喫茶店チェーン大手。これまで競合が目を向けてこなかった郊外に目を付けた戦略が奏功。ゆったりした空間でオリジナルメニューを提供することで近隣住民のリピート来店を獲得し、業績を伸ばしてきた。名古屋発のため中京地区の店舗が多いが、ここ数年は東日本や西日本エリアでの出店を強めている。なお、同社はFC(フランチャイズチェーン)制を採っているため、出店費用の同社の負担はない。今回の上場はファンドの資金回収が目的だが、新株発行がないのは初期投資の負担がないからだろう。
 なお、外食にしては同社は取引所の分類で卸売業に指定されたが、これは同社の売り上げは加盟店への食資材の卸売りからできているからとみられる。売上収益営業利益率は30%と異次元の高さだ。同業他社の平均は6.6%程度で、高くてもせいぜい10%強である。FC制のためロイヤルティー収入も計上されている面はあろうが、メーンはあくまで卸売り。同じくFC展開が基本の大手コンビニは5%程度にすぎない。競争に直接さらされるのはFCオーナーだが、同社が競争相手のほとんどいない市場で、価格競争にさらされずに商売できていることがうかがえる。

 2017年2月期の連結営業利益は前期比5%増の68.7億円の会社予想。新規出店は前期の78店舗にやや及ばない76店舗を計画。5月26日現在、既にFCオーナー・地権者と合意した店舗数が過半数を超えたという。ただ前下期に稼働した千葉パン工場の通期寄与で、人件費や減価償却費の固定費が増加。販売管理費についても広告宣伝費や人件費などの増加を見込んでおり、利益率は低下する。

 仮条件のPERは上限で19.2倍。IFRSのため大きな差はないが、上場関連費用などを除いた修正値でも18.7倍と割安感はない。外食株は成長速度の高い新興株の方が高めの評価が付く傾向にある。出店攻勢を掛けている時期なら20倍台の評価も珍しくないが、東証1部の大手に絞ると12~15倍程度。出店は続いているものの、既に一桁成長に成熟してきていることを踏まえると、むしろ割高感がある。同社が先行した郊外喫茶店という業態は、ドトールの「星乃屋珈琲店」やルノアールの「ミヤマ珈琲」のように模倣されている。朝食ではドリンクにトーストと卵が付くスタイルは、ファミレスでも取り入れられている。外食産業はヒットが出るとすぐに追随され、やがて過当競争に陥るか飽きられるの繰り返しだ。今後は競争激化で高い利益率が圧縮されかねないリスクさえある。

 一方、吸収金額は最大600億円超と多い。国内だけで500億円を超えてくる案件、特に投資ファンドによる出口案件は昨年、公開価格割れが相次いだ。足元の売買代金は減っており、需給的にはさらに厳しくなっている。上場日はIPOラッシュ後半で、買い疲れが懸念される日程だ。2月決算の同社が6月に上場するには無理をする必要があり、ファンドの決算に間に合わせたかったのだろうが、初値形成には裏目に出かねない。中間配・優待取りにもまだ日があり、買い手側も急ぐ理由がない。
 また、巨額ののれんも気掛かりだ。同社はアドバンテッジ系のファンドから今の株主であるMBK系に売却されており、2回にわたる買収でのれんは膨れ上がっている。総資産に占める割合は前期末で67%と高く、純資産の1.8倍に達する。買収時は多額の有利子負債を活用するため、例によって借金漬けであり、総資産の半分は有利子負債で調達されている。
 ここ数年はセカンドバイアウトの案件が増えており、すかいらーくやベルシステム24ホールディングスも同じ。低金利が進む市場で借金漬けはそれほどリスクではないが、こうした財務面に不安のある案件を当初から買い進む理由もなく、公開価格割れでのスタートが相次いでいる。

 初値に関しては基本的にはシンジケートカバーによる成立を想定する。公開資料からは引受手数料率が計算できないため、同規模の案件を参考に5%程度と推測して初値レンジを設定する。なお、仮条件が下振れしたことや、FCオーナーの持ち株会への親引けが当初予算の3分の1程度しか設定されなかった点も踏まえ、公開価格はレンジ上限では決まらない可能性も踏まえておきたい。

 なお、同社は既に優待制度を設けており、100株での優待と配当の合計利回りは4.16~3.78%で競合と並ぶ水準だ。すかいらーくが4.54%と高いうえ、優待目当てなら買い増しは意味がない。上値を買い進む材料ではないが、下支え要因としては期待できよう。特に5%を超えるような場面があれば、リピーターがすかさず買ってくると考える。


<追加分析>
 C継続。引き続き公開価格に対し、-5%程度~同値の初値を想定する。
 今週に入って地合いが悪化しており、状況としては悪くなっている。上場そのものは既に英国民投票を終えた後で、あく抜けしている可能性が高いが、それで利益を得るならIPO株である必然性はなく、期間リスクを取りに行く意味はない。相場乱高下で買いは細っており、基本的にリスクは増しているといえる。ただブックビルディング時にリスクが織り込まれれば実際の売りは減るため、かえって初値に限れば下押しリスクは低下するため、想定初値は据え置く。

 なお、売り手のMBKパートナーズは米カーライルを退職したメンバーが立ち上げた投資ファンドとされ東京、ソウル、香港、上海を拠点に置くが、東亜日報の報道によれば社名のMBKは創業者の英文名前「マイケル・ビョンジュ金(Michael Byungju Kim)」から取ったもの。韓国では大型企業の買収を次々と進めているという。多国籍企業ではあるが、FACTAでは「韓国系買収ファンド」と説明している。
 人種差別をするつもりは毛頭ないが、中韓系資本絡みのIPOは上場後の値動きがさえなかったり、不祥事が起きたりとすることが多く、鬼門とされる。今回も例外にはならなそうだ。
公開価格分析
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公開価格: 1,960円
 吸収資金: 601.7億円(今期予想連結PER: 19.2倍)
 時価総額: 858.5億円

 公開価格、追加売り出し株数ともに上限で決まった。引受価額は1867.88円。訂正目論見書によればブックビルディングの状況は、申告された総需要株式数が公開株式数を十分に上回り、総件数が多数にわたっていたうえ、需要の相当数が上限価格だったことが特徴だった。一方、FC持ち株会への親引けは5万0900株で、上限の90.89%だった。価格決定に伴い初値は1867~1900円と予想する。

 ソラストとは対照的な値決め。世界的なボラティリティーの高まりと割安感のなさ、公開規模を踏まえると上限決定はかなり意外感のある結果だ。知名度が高いせいか個人の評判はソラストよりもいいのが要因か。既に設定している優待が寄与している可能性があり、そうした株主は長期保有が期待できる人々だ。期待には反して売り気配で始まったからといって、投げ売りをしてくることはないだろう。
 ただ買い増ししても名義を換えなければ優待の内容が充実するわけではない。財務内容の悪さから機関投資家は少なくともカバレッジのない段階では動きづらく、個人の警戒感が高まりにくい上限決定によって、公開価格割れスタートの可能性はさらに増したと考える。

 なお、他社を圧倒する高い営業利益率をプレミアムとして評価する声があるが、これは逆に将来的な競争激化のリスク要因になると考える。競合の利益率が1桁台のなか、他社はコメダ店舗の近隣に店を作ればいいといった戦略が成り立つからだ。競合はコメダほどの利益率を上げなくても利益率向上が見込める。加えて、出店予定地域を調査する手間も省ける。ただし、利益率の高さはライセンス売り上げの比率が要因の可能性もあり、上場後はさらなる詳細の開示を待つ必要はある。
 かつてワタミが全盛期だった頃、近隣に店舗を構えるといった競合の居酒屋が次々と現われ、中には上場する規模にまで成長したところもあった。競争激化を受けたワタミは業績が低迷して久しい。既にコメダの躍進は競合にも知られるところではあるが、上場によって高い利益率が明らかになったことで、競合は安心して近隣に出店することができる。さらに競争激化のリスクは高まるだろう。
初値予想
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初値予想: 1,867円(今期予想連結PER: 18.3倍)
初値買い妙味: C

 初値苦戦を予想する。値決めから上場日までに英国のEU離脱ショックを挟んでいる。小型の新興市場銘柄と違い、吸収金額が600億円を超える同社株は被弾が避けられない。もともとPERが同業より高く設定されており、割安感に乏しく売り先行が想定される。

 喫茶店チェーン大手。これまで競合が目を向けてこなかった郊外に目を付けた戦略が奏功。ゆったりした空間でオリジナルメニューを提供することで近隣住民のリピート来店を獲得し、業績を伸ばしてきた。前期までの売上収益営業利益率は30%と同業のなかでは異次元の高さをほこり、競争相手のいない市場を開拓できているとがうかがえる。名古屋発のため中京地区の店舗が多いが、ここ数年は東日本や西日本エリアでの出店を強めている。なお、同社はFC(フランチャイズチェーン)制を採っているため、出店費用の負担がない。

 2017年2月期の連結営業利益は前期比5%増の68.7億円の会社予想。新規出店は前期の78店舗にやや及ばない76店舗を計画。5月26日現在、既にFCオーナー・地権者と合意した店舗数が過半数を超えた。ただ前下期に稼働した千葉パン工場の通期寄与で、人件費や減価償却費の固定費が増加。販売管理費についても広告宣伝費や人件費などの増加を見込んでおり、利益率はやや低下する。

 公開価格のPERは19倍と喫茶店大手が14倍前後なのに対し、割高な設定になっている。外食産業は出店の勢いがある小型新興系が高い評価が付く傾向にある。同社も出店は続けているが、今期の増益率は既に一桁台と成熟段階に入っている。ファンドが手放すのも成長が鈍ってきたからだろう。
 また、上場によって高い利益率を公表したこともリスクになり得る。既に競合相手も同じカテゴリーの業態を開発済みで、同社より大幅に利益率の劣る競合からすれば、同社店舗の近隣は「安心して出店できる場所」に見えるはず。出店のための調査費用も抑制できる。FC制ということではロイヤルティーが売り上げに占める比率が高い可能性があり、上場後にさらなる開示を見る必要があるが、外食業界はヒット業態が出るとすぐにまねされ、やがて競争激化やマンネリ化に行き着く繰り返しだ。

 また、国内吸収金額が500億円クラスのファンド案件のIPOはここ数年、全て公開価格割れしている。二度にわたる買収でのれんが膨れ上がっており、財務に不安があるのも公開価格割れした銘柄の共通点だ。金利低下が進むなか、借金の多さはそれほど気にすべきことではないが、アナリストのカバレッジがない段階では買いが入りにくい。

 上値を買う理由が全くなく、値決めから上場までの間にブリジグットショックを挟んだことで公開価格割れの可能性はさらに高まった。円高は仕入れコストの面からプラス要因であり、競合の株価も戻してはいるが、完全というわけではない。
 ただし、優待制度があることで個人の投げは限定される可能性がある。年間2400円分の金券が贈呈され、優待配当利回りは年3.76%ある。全体の下落で魅力は低下したが、シンジケートカバーで売りはいったん吸収できると考え、引受価額(1867.88円)での初値を予想する。だが、この価格でも割高感は解消されないため、まだ買い妙味は乏しい。できるなら1500円以下を狙いたい。
初値分析
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初値: 1,867円(今期予想連結PER: 18.3倍) / 上昇率: -4.7% / 高値: 1,965円 / 安値: 1,867円 / 終値: 1,879円
出来高: 11,891,800株 / 対公開株数: 38.7% / 初値出来高: 2,759,500株 / 初値売買代金: 5,151,986,500円

 初値は苦戦した。売り越しでのスタートとなり引受価額での売り買い一致となった。シンジケートカバー(オーバーアロットメントの買い戻し)によるものとみられる。ただカバー分を除いた買い注文は40億円強あったとみられる。同日上場のソラストが4億円程度と推測されるのに比べ、10倍もの買いだ。優待制度があったことで、個人の買いが入ったものと考えられる。客層が株式投資をする層とかぶることも寄与したか。

 寄り付き後は引受価額と公開価格の間で推移した。売り気配は防げなかったとはいえ、40億円もの買いは予想以上のでき。このためシンジケートカバーの玉をあまり消化せずに済んだ。下支え役が健在なままだったことから反発しやすく、一時は公開価格を上回る場面があった。ソラストがすぐに玉を使い切ってしまったのとは対照的だ。ただ、公開価格を上回ると戻り待ちの売りが出てくるのが必然。上値が重くなった後はだれる展開となり安値圏で取引を終えた。

 引き続き、シンジケートカバーが下支え役になろう。期間は長く7月22日までとなっている。なお、期間中の7月中旬には決算発表が予定されており、異例の日程だ。決算内容にもよって株価の方向性は変わってくる可能性があるが、優待目的の個人は長期保有になるため、投げ売りの吸収で玉を消化し尽くすのには時間が掛かると考えられる。期間が切れるタイミングではTOPIX組み入れに備えた物色も始まるだろう。
 しかしながら、割高感があることには変わりない。当面は引受価額と公開価格の間で推移し、TOPIX組み入れで上昇した後は下値を探る展開となろう。中間決算月の権利取り前に妥当価格の1500円以下で買える場面が来ると予想する。優待狙いは焦ることなくじっくりと待つべきだ。
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マーケットデータ
日経平均 39,340.67 +180.17
TOPIX 2,743.97 +9.41
グロース250 639.76 -3.05
NYダウ 44,401.93 -240.59
ナスダック総合 19,736.69 -123.08
ドル/円 151.23 +0.01
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