エンジニアによる機器の保守、導入設計、設置など。保守サービス事業を基盤に、サーバーやPCなどの情報技術(IT)機器の設定やネットワーク構築などのソリューション事業、IT技術者派遣の人材サービス事業を全国60超の拠点により展開している。2022年12月末現在700名を超えるエンジニアが在籍する。

　実質的な創業は1953年７月であり、新興製作所（東京・千代田）の100％子会社として販売した和欧文印刷電信機の保守を目的に設立された。2014年と17年の２回にわたるMBO（経営陣が参加する企業買収）を実施し、最初のMBOで受け皿として現会社を設立し、私募ファンドを活用して株式を全て買い取ったうえで旧会社と合併した。さらに16年９月頃、当該ファンドから株式全ての買い取りを要請されたことから、再び受け皿として現親会社のヒューマンサービスを当時の役員６名が設立し、株式を取得した。だが２回目の受け皿会社との合併は多額ののれん発生を防ぐため見送られ、取得費用の返済原資には配当金を充てるスキームが採用された。
　なお、ヒューマンＳは上場後に売り出しで調達する資金を基に、福留泰蔵代表取締役社長以外の役員が保有するヒューマンＳ株を取得・消却することを計画している。これにより福留社長の資産管理会社になり、親会社には該当しなくなる予定だ。持ち分も20％未満に低下する。

1.保守サービス事業
　システムのサポート、機器の保守、コールセンター、ヘルプデスクサービスを提供している。ＰＨＣ社製の機器の保守サービスを受託しており、病院・一般診療所へ導入されている電子カルテシステムやレセプトコンピューター、調剤薬局に導入されている電子薬歴システムなどの機器を合わせ、約3.5万件の保守契約を締結している。

2.ソリューション事業
　システムの設計、構築、設置工事、展開管理などのICT（情報通信技術）サービスを提供したり、機器の提案、販売をしたりしている。日本電気やＫＤＤＩなどの大手との協業により、ネットワーク機器やPC関連の設定サービスを提供するほか、大手総合重工業メーカー物流部門との協業による自動倉庫システムサービスの展開などさまざまなサービスメニューを開発、展開している。

3.人材サービス事業
　IT機器の保守、点検、修理を行うカスタマエンジニア（CE）と、システムの設計やネットワークの設計・構築、派遣先企業のフロント営業をサポートするシステムエンジニア（SE）を派遣している。主要取引先であるＮＥＣフィールディングへは2022年12月現在140名を超えるCE、ＫＤＤＩグループへは60名超のSEを派遣している。

　2022年３月期の連結売上高構成比は、保守サービス事業31.4％、ソリューション事業52.8％、人材サービス事業15.8％。主な販売先はＰＨＣ14.0％、ＫＤＤＩ10.5％。