ウィークリーレポート
大型出口案件でS-1方式相次ぐ
昨年、キオクシアが採用した有価証券届出書を上場承認前にEDINETで公表する「S-1方式」の案件が、9月に入って相次いで登場した。2日には資生堂から分離したパーソナルケア製品会社「ファイントゥデイ」、4日にはTOPPANのフォトマスク子会社「テクセンドフォトマスク」である。
テクセンドはTOPPANの子会社とはいえ、49.9%の株式はインテグラルが保有している。キオクシアを含め、これら3社に共通するのはいずれもファンドの大型出口案件である点だ。ファイントゥは昨年に上場が承認された際、時価総額が2000億円を超える想定だった。テクセンドの想定規模は明らかになっていないが、25.3期の売上収益は1179億円、営業利益は281億円に達していた。少なくとも100億円以上の資金調達を目指すとされており、売り出しも含めた公開規模や時価総額は相応の規模になると見られる。
テクセンドはTOPPANの子会社とはいえ、49.9%の株式はインテグラルが保有している。キオクシアを含め、これら3社に共通するのはいずれもファンドの大型出口案件である点だ。ファイントゥは昨年に上場が承認された際、時価総額が2000億円を超える想定だった。テクセンドの想定規模は明らかになっていないが、25.3期の売上収益は1179億円、営業利益は281億円に達していた。少なくとも100億円以上の資金調達を目指すとされており、売り出しも含めた公開規模や時価総額は相応の規模になると見られる。
とはいえ、キオクシアとファイントゥデイはいずれも一度は上場を延期した経緯があり、このような案件は市場から強い警戒を受けやすい。それゆえにS-1方式が採用されたのだろう。
ただし、市場の反応を見極めた結果、キオクシアは想定された時価総額が半分近くまで下方修正され、それでも公開価格を下回る初値を付ける結果となった。セカンダリー市場では乱高下を経て現在は株価が2倍以上となっており、値付けが一概に失敗だったとは言い切れないが、当時の評価が割れていたことは確かである。ひとまずファイントゥの価格設定や公開規模が、昨年と比べてどのような条件で提示されるかに注目したい。
ただし、市場の反応を見極めた結果、キオクシアは想定された時価総額が半分近くまで下方修正され、それでも公開価格を下回る初値を付ける結果となった。セカンダリー市場では乱高下を経て現在は株価が2倍以上となっており、値付けが一概に失敗だったとは言い切れないが、当時の評価が割れていたことは確かである。ひとまずファイントゥの価格設定や公開規模が、昨年と比べてどのような条件で提示されるかに注目したい。